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234.紅葉の名所 (蒼紫・夢主)
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「そんなはずはない!九条は仙台方面へ行ったはず。京都にいるなんてありえない!」
視察だったら尚更日数がかかるはず、会津から東京へ戻って日にちを置かずに船で京都へ来た自分以上に京都へ早く着くなんて考えられないと武尊は蒼紫の言ったことを否定した。
「俺が直接見たわけではないが、先日お近達が呼ばれた座敷に九条がいたという話を聞き、検討した結果、本人である可能性が高い。街中は危険だ。」
「ぅ・・。」
武尊の頭の中にはまだそんなことはありえないという考えが消えない。
が、万が一蒼紫の言った通りだと街中で鉢合わせなんかすれば最悪中の最悪だ。
武尊が奥歯を噛んでいると蒼紫は、
「・・だから少し街中から離れたところで我慢しろ。それにそこの近くに武尊の暇つぶしになりそうなものも(おそらくだが)ある。」
と、言った。
「暇つぶし?」
「そうだ、そこには洋書があるのを俺は確認した。」
「洋書?」
「嗚呼、それは文字は読めなくとも絵図が多く武尊なら興味がありそうだと思うものだ。それならここで見ても楽しめるのではないかと思ってな。まあ、それでも数日の暇つぶしにしかならぬかもしれんがないようりましだと思う。」
「ふう・・ん・・。」
武尊はなんだかよくわからないが絵がいっぱい載っている洋書がそこにあって、それを見ていれば気もまぎれるだろうというのが蒼紫の気づかいなんだと思った。
確かにないよりましだ、武尊は思った。
「いいよ。」
武尊の了承を得て蒼紫は少しほっとした様子を見せた。
「では、明日、日の出前に。」
「え?」
「少しでも人目が少ない方がよかろう、それに武尊の足では少し遠いからな。」
(え。一体どこまで行くのよ。)
そんな突っ込みをしたかったが他にいい案がない故に交渉の余地はない。
「起きれるかどうか心配か?ならば支度が間に合う頃合いに一度様子を見に来る。問題はない。」
突っ込むどころか蒼紫にしっかり懸案事項を突っ込まれた武尊はがくりとうなだれた。
明治に来て数カ月になるが、この寒い十一月の朝に目覚まし時計なしできちんと起きれる自信がまだないのだ。
「・・お願いします。」
まさか九条の屋敷を調べようとした矢先に本人が京都にいるなんて・・。
実際この目で見たわけではないので100%信じたわけではないが、もし本当であれば非常にやりにくいと思う武尊だった。
絶対見つかるわけにはいかない・・。
相手は新政府の、しかも、金をかなり持ってると思われる役人なのだ。
葵屋に、蒼紫に迷惑はかけられない。
武尊は複雑な思いで布団に入った。
視察だったら尚更日数がかかるはず、会津から東京へ戻って日にちを置かずに船で京都へ来た自分以上に京都へ早く着くなんて考えられないと武尊は蒼紫の言ったことを否定した。
「俺が直接見たわけではないが、先日お近達が呼ばれた座敷に九条がいたという話を聞き、検討した結果、本人である可能性が高い。街中は危険だ。」
「ぅ・・。」
武尊の頭の中にはまだそんなことはありえないという考えが消えない。
が、万が一蒼紫の言った通りだと街中で鉢合わせなんかすれば最悪中の最悪だ。
武尊が奥歯を噛んでいると蒼紫は、
「・・だから少し街中から離れたところで我慢しろ。それにそこの近くに武尊の暇つぶしになりそうなものも(おそらくだが)ある。」
と、言った。
「暇つぶし?」
「そうだ、そこには洋書があるのを俺は確認した。」
「洋書?」
「嗚呼、それは文字は読めなくとも絵図が多く武尊なら興味がありそうだと思うものだ。それならここで見ても楽しめるのではないかと思ってな。まあ、それでも数日の暇つぶしにしかならぬかもしれんがないようりましだと思う。」
「ふう・・ん・・。」
武尊はなんだかよくわからないが絵がいっぱい載っている洋書がそこにあって、それを見ていれば気もまぎれるだろうというのが蒼紫の気づかいなんだと思った。
確かにないよりましだ、武尊は思った。
「いいよ。」
武尊の了承を得て蒼紫は少しほっとした様子を見せた。
「では、明日、日の出前に。」
「え?」
「少しでも人目が少ない方がよかろう、それに武尊の足では少し遠いからな。」
(え。一体どこまで行くのよ。)
そんな突っ込みをしたかったが他にいい案がない故に交渉の余地はない。
「起きれるかどうか心配か?ならば支度が間に合う頃合いに一度様子を見に来る。問題はない。」
突っ込むどころか蒼紫にしっかり懸案事項を突っ込まれた武尊はがくりとうなだれた。
明治に来て数カ月になるが、この寒い十一月の朝に目覚まし時計なしできちんと起きれる自信がまだないのだ。
「・・お願いします。」
まさか九条の屋敷を調べようとした矢先に本人が京都にいるなんて・・。
実際この目で見たわけではないので100%信じたわけではないが、もし本当であれば非常にやりにくいと思う武尊だった。
絶対見つかるわけにはいかない・・。
相手は新政府の、しかも、金をかなり持ってると思われる役人なのだ。
葵屋に、蒼紫に迷惑はかけられない。
武尊は複雑な思いで布団に入った。