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233.千枚漬け作り始動 (蒼紫・夢主・葵屋全員)
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武尊は部屋へ戻って座禅を組んで心を落ち着かせようとしたところ、すぐに翁がやってきた。
武尊は今度は何の用かとピリピリしたが翁は満面の笑顔で、
「なんも、そんなに警戒することはなかろうに。今日は何処へも出かける予定はないじゃろうから暇な老人の碁にでも付き合ってもらおうと思っての。」
そう言った翁はすでにしっかりと萱の碁盤を持っていた。
もちろん折り畳みの碁盤ではない。
「私碁なんか・・。」
と言いかけた武尊に、
「儂の詰碁を見て『あそこに打てばいいのに』とか思うておったのは御見通しじゃぞ。難しい話はなしにして固いこと言わんと一局頼まれてくれんか。一人で打つのも飽きたしのぅ。」
と言い、武尊が返事をする前に武尊の前に碁盤をドンと置き、碁笥(ごけ、碁石を入れている入れ物)を一つ武尊に差し出した。
「翁さん・・。」
武尊は押しが強い翁に諦めのため息をついた。
翁は自分の碁笥の蓋を開け、白石をじゃらじゃらと鳴らした。
「黒石は土岐君じゃから先じゃぞ。置き石が必要なら十まで置いてええぞ。」
と、勝手にご機嫌な翁だった。
武尊は仕方なしに、
「・・一局だけですからね。」
と言い黒石を一つ取り、コトリと置いた。
置き石はいわゆるハンデだ。
それなしに武尊が始めたものだから翁も適当に遊んでやろうと気を抜きすぎたのもあり苦戦を強いられたのだった。
しばらくして蒼紫が自室に戻る際、武尊の部屋の前で見たのは珍しく碁で脂汗をかいている翁の顔だった。
なのでつい蒼紫は立ち止まり、
「・・珍しいこともあるものだ。」
とつぶやいた。
「違うんじゃ、これは土岐君に合わせとるだけじゃ、蒼紫。」
と翁は苦しく言い訳すると、
「余所見をしていると足元をすくわれるぞ。」
と言い残し自室に向かった。
「むううううぅぅ。」
うなり声をあげる翁の声を後ろに蒼紫がほくそ笑んだのは誰も知らない。
武尊は今度は何の用かとピリピリしたが翁は満面の笑顔で、
「なんも、そんなに警戒することはなかろうに。今日は何処へも出かける予定はないじゃろうから暇な老人の碁にでも付き合ってもらおうと思っての。」
そう言った翁はすでにしっかりと萱の碁盤を持っていた。
もちろん折り畳みの碁盤ではない。
「私碁なんか・・。」
と言いかけた武尊に、
「儂の詰碁を見て『あそこに打てばいいのに』とか思うておったのは御見通しじゃぞ。難しい話はなしにして固いこと言わんと一局頼まれてくれんか。一人で打つのも飽きたしのぅ。」
と言い、武尊が返事をする前に武尊の前に碁盤をドンと置き、碁笥(ごけ、碁石を入れている入れ物)を一つ武尊に差し出した。
「翁さん・・。」
武尊は押しが強い翁に諦めのため息をついた。
翁は自分の碁笥の蓋を開け、白石をじゃらじゃらと鳴らした。
「黒石は土岐君じゃから先じゃぞ。置き石が必要なら十まで置いてええぞ。」
と、勝手にご機嫌な翁だった。
武尊は仕方なしに、
「・・一局だけですからね。」
と言い黒石を一つ取り、コトリと置いた。
置き石はいわゆるハンデだ。
それなしに武尊が始めたものだから翁も適当に遊んでやろうと気を抜きすぎたのもあり苦戦を強いられたのだった。
しばらくして蒼紫が自室に戻る際、武尊の部屋の前で見たのは珍しく碁で脂汗をかいている翁の顔だった。
なのでつい蒼紫は立ち止まり、
「・・珍しいこともあるものだ。」
とつぶやいた。
「違うんじゃ、これは土岐君に合わせとるだけじゃ、蒼紫。」
と翁は苦しく言い訳すると、
「余所見をしていると足元をすくわれるぞ。」
と言い残し自室に向かった。
「むううううぅぅ。」
うなり声をあげる翁の声を後ろに蒼紫がほくそ笑んだのは誰も知らない。