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232.最大の難題 (蒼紫・夢主)
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「勝算・・。」
武尊はそんなこと考えてもみなかった。
兄に会えたら、・・会ったのなら、十六夜丸の事を聞いてみたいだけなのだ。
勝算というからにはまるで九条と戦うみたいではないか。
確かに九条が自分を捕らえたいらしいという現実は回避したいと思ってはいるが・・。
「自分の身をどう守るか、それさえも考えていない・・。」
そう言って間近に武尊を見る蒼紫の視線は鋭かった。
図星を指されて益々何も言えない武尊だったが負け惜しみの極みのように、
「これから考えるんだから!」
と言った自分は恰好悪いと武尊は思ったが一人でも切り抜けて見せると蒼紫をクッと見つめ返した。
するとあれだけ強く握られていた蒼紫の手の力がスッと抜けたかと思うと手を開放された。
慌てて手を引っ込めた武尊に蒼紫は言った。
「だから俺を使えと言っただろう。」
それは友となろうと言ってくれた日の蒼紫の言葉。
武尊は何も言えず蒼紫を見つめていると蒼紫は、
「武尊が使えと言わないのなら・・。」
と言って武尊の前で片足をつく姿勢を取り頭を下げかしこまった。
「な、、。何してるの!やめてよそんなの!」
蒼紫に頭を下げられるなんて武尊ははっきり言ってパニックだ。
一体何が起こったというのだ!
「これが俺の答えだ。一番愛する者を全身全霊を賭けて守る。これから何があってもだ。何者も武尊を傷つけることは俺が許さない。」
蒼紫は頭を武尊に下げたまま答えた。
「ちょ、ちょ、ちょっと蒼紫~~~!」
あまりにも予想だにしない展開に武尊は蒼紫に駆け寄って肩をつかんだ。
「こんなこと止めてよ!私に頭なんか下げないで!」
「いや、俺は悟ったのだ。武尊こそが俺の守るべき者、俺が仕えるべき者なのだ。これからは武尊様と呼ばせてもらう。そして俺は九条の手から必ず武尊を守る!」
「ちょっと待ってよー!」
どうしても顔を上げない蒼紫の顔を仕方なく武尊は覗き込んだ。
蒼紫は目を閉じていた。
「はぁ~、もう・・っ!」
武尊はどうしていいのか分からず途方に暮れた。
もしこんな所を葵屋の誰かに見られでもしたら大事件だ!
なんでこう、次から次へと自分に難題が降りかかるのか。
今武尊にとって最大の不運な事は、蒼紫のこの言動は決しておふざけではないということが分かるということだ。
武尊はため息をついて頭を抱えるのであった。
2016.7.27
武尊はそんなこと考えてもみなかった。
兄に会えたら、・・会ったのなら、十六夜丸の事を聞いてみたいだけなのだ。
勝算というからにはまるで九条と戦うみたいではないか。
確かに九条が自分を捕らえたいらしいという現実は回避したいと思ってはいるが・・。
「自分の身をどう守るか、それさえも考えていない・・。」
そう言って間近に武尊を見る蒼紫の視線は鋭かった。
図星を指されて益々何も言えない武尊だったが負け惜しみの極みのように、
「これから考えるんだから!」
と言った自分は恰好悪いと武尊は思ったが一人でも切り抜けて見せると蒼紫をクッと見つめ返した。
するとあれだけ強く握られていた蒼紫の手の力がスッと抜けたかと思うと手を開放された。
慌てて手を引っ込めた武尊に蒼紫は言った。
「だから俺を使えと言っただろう。」
それは友となろうと言ってくれた日の蒼紫の言葉。
武尊は何も言えず蒼紫を見つめていると蒼紫は、
「武尊が使えと言わないのなら・・。」
と言って武尊の前で片足をつく姿勢を取り頭を下げかしこまった。
「な、、。何してるの!やめてよそんなの!」
蒼紫に頭を下げられるなんて武尊ははっきり言ってパニックだ。
一体何が起こったというのだ!
「これが俺の答えだ。一番愛する者を全身全霊を賭けて守る。これから何があってもだ。何者も武尊を傷つけることは俺が許さない。」
蒼紫は頭を武尊に下げたまま答えた。
「ちょ、ちょ、ちょっと蒼紫~~~!」
あまりにも予想だにしない展開に武尊は蒼紫に駆け寄って肩をつかんだ。
「こんなこと止めてよ!私に頭なんか下げないで!」
「いや、俺は悟ったのだ。武尊こそが俺の守るべき者、俺が仕えるべき者なのだ。これからは武尊様と呼ばせてもらう。そして俺は九条の手から必ず武尊を守る!」
「ちょっと待ってよー!」
どうしても顔を上げない蒼紫の顔を仕方なく武尊は覗き込んだ。
蒼紫は目を閉じていた。
「はぁ~、もう・・っ!」
武尊はどうしていいのか分からず途方に暮れた。
もしこんな所を葵屋の誰かに見られでもしたら大事件だ!
なんでこう、次から次へと自分に難題が降りかかるのか。
今武尊にとって最大の不運な事は、蒼紫のこの言動は決しておふざけではないということが分かるということだ。
武尊はため息をついて頭を抱えるのであった。
2016.7.27