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230.クロスワード (蒼紫・夢主)
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「・・そうか。」
蒼紫はそう静かに答えると組んだ腕をそのままに目を閉じた。
武尊は正座のまま腿の上においた握りこぶしに力を入れた。
(言ってしまったけどよかったのかなぁ・・。)
今更ながら少し後悔した武尊だったが自分の為にそこまで調べてくれた蒼紫に貴方は関係ない・・とは言えなかった。
けれどもきっと蒼紫の事、何だかんだと言って関わってくるかもしれない・・と思いつつ武尊は蒼紫を見つめた。
相手が明治政府の役人だなんて本当に相手が悪い。
蒼紫は縁の件の功績でお尋ね者は一応解除になったのだから、また下手に政府ともめるとせっかくの蒼紫の安定した未来が台無しになってしまうかもしれない。
そう思うとこれ以上深く自分と関わって欲しくないと思うのだった。
武尊は蒼紫の心配をしつつ、蒼紫の出方を待った。
しばしの沈黙・・の後、蒼紫は、
「会津のあの男・・少しは腕のたつ男だった。」
と切り出した。
あの男とは二人が温泉宿を出た後をつけてきた男のことだった。
ただ蒼紫と武尊の方がその男より格段に強かったため全く被害はなかったのであるが。
武尊は蒼紫の話を黙って聞いた。
「俺達を甘く見過ぎていたのは不幸中の幸いだが、九条は間違いなく武尊を狙っている。」
蒼紫は真面目に言った。
そして武尊は返す言葉がなかった。
そして蒼紫の言ったことはまさに武尊の危惧するところでもあったからだ。
「でなければわざわざ俺達をつけさせるようなことはすまい。」
武尊も同感だった。
更に蒼紫は言う。
「十六夜丸は・・使い処によっては役に立つ。」
そう、十六夜丸は言われた事を遂行できる能力を持っている。
気に入らないからしたくないとは言わない、それが盗みであろうが殺人であろうが・・。
そして強い。それは十六夜丸と闘った蒼紫自身よく分かる。
武尊もまた自分(十六夜丸)が過去にやったという武勇伝を思い出して蒼紫の話を聞いて心が重くなるのだった。
その時蒼紫が、
「そういえば、」
と切り出した。
武尊が顔をあげて蒼紫を見ると蒼紫は、
「あの日武尊が二人組の男に追われたのも若しかすると九条の仕業かもしれん。」
と言い、鋭い目であの時の状況を分析していた。
蒼紫がいう【あの日】とは・・と、武尊が脳をフル回転して記憶を探ればある事象にたどり着く。
それは足腰が痛くて走れなかったあの日、蒼紫の立ちションという機転によって事なきを得た日の事だった。
(あれも九条の仕業・・。)
そう思えば、男からつけられた理由が九条ならば納得がいくと武尊は思った。
(それに丁度あの頃、監視されているような視線もあった・・。)
そんな事も武尊は思い出していた。
そして・・
何の心当たりもなく襲われたと言えば・・・
(時尾さんの・・っ!)
武尊の心にまさかと思いつつも一つの疑いが持ち上がった。
時尾に一緒にと誘われたお茶の席。
今考えればあれも九条の仕業だとすればすべて理由がつく。
(ああっ・・・!)
時尾を危険に晒したのはすべては自分、自分の所為だと武尊は心が押しつぶされそうになった。
蒼紫はそう静かに答えると組んだ腕をそのままに目を閉じた。
武尊は正座のまま腿の上においた握りこぶしに力を入れた。
(言ってしまったけどよかったのかなぁ・・。)
今更ながら少し後悔した武尊だったが自分の為にそこまで調べてくれた蒼紫に貴方は関係ない・・とは言えなかった。
けれどもきっと蒼紫の事、何だかんだと言って関わってくるかもしれない・・と思いつつ武尊は蒼紫を見つめた。
相手が明治政府の役人だなんて本当に相手が悪い。
蒼紫は縁の件の功績でお尋ね者は一応解除になったのだから、また下手に政府ともめるとせっかくの蒼紫の安定した未来が台無しになってしまうかもしれない。
そう思うとこれ以上深く自分と関わって欲しくないと思うのだった。
武尊は蒼紫の心配をしつつ、蒼紫の出方を待った。
しばしの沈黙・・の後、蒼紫は、
「会津のあの男・・少しは腕のたつ男だった。」
と切り出した。
あの男とは二人が温泉宿を出た後をつけてきた男のことだった。
ただ蒼紫と武尊の方がその男より格段に強かったため全く被害はなかったのであるが。
武尊は蒼紫の話を黙って聞いた。
「俺達を甘く見過ぎていたのは不幸中の幸いだが、九条は間違いなく武尊を狙っている。」
蒼紫は真面目に言った。
そして武尊は返す言葉がなかった。
そして蒼紫の言ったことはまさに武尊の危惧するところでもあったからだ。
「でなければわざわざ俺達をつけさせるようなことはすまい。」
武尊も同感だった。
更に蒼紫は言う。
「十六夜丸は・・使い処によっては役に立つ。」
そう、十六夜丸は言われた事を遂行できる能力を持っている。
気に入らないからしたくないとは言わない、それが盗みであろうが殺人であろうが・・。
そして強い。それは十六夜丸と闘った蒼紫自身よく分かる。
武尊もまた自分(十六夜丸)が過去にやったという武勇伝を思い出して蒼紫の話を聞いて心が重くなるのだった。
その時蒼紫が、
「そういえば、」
と切り出した。
武尊が顔をあげて蒼紫を見ると蒼紫は、
「あの日武尊が二人組の男に追われたのも若しかすると九条の仕業かもしれん。」
と言い、鋭い目であの時の状況を分析していた。
蒼紫がいう【あの日】とは・・と、武尊が脳をフル回転して記憶を探ればある事象にたどり着く。
それは足腰が痛くて走れなかったあの日、蒼紫の立ちションという機転によって事なきを得た日の事だった。
(あれも九条の仕業・・。)
そう思えば、男からつけられた理由が九条ならば納得がいくと武尊は思った。
(それに丁度あの頃、監視されているような視線もあった・・。)
そんな事も武尊は思い出していた。
そして・・
何の心当たりもなく襲われたと言えば・・・
(時尾さんの・・っ!)
武尊の心にまさかと思いつつも一つの疑いが持ち上がった。
時尾に一緒にと誘われたお茶の席。
今考えればあれも九条の仕業だとすればすべて理由がつく。
(ああっ・・・!)
時尾を危険に晒したのはすべては自分、自分の所為だと武尊は心が押しつぶされそうになった。