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230.クロスワード (蒼紫・夢主)
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「あの時は・・ごめんなさい!山本少尉が急に来て・・。」
と、武尊は理由を述べながら両手を蒼紫に会わせてごめんなさいをした。
「黙って何処へ行ったかと思えば・・緋村に聞けば例の海軍少尉と共に出たっきり、海軍へ行ってみれば露西亜船に乗ったきり・・
どれだけ心配したと思っている。」
穏やかだが強い口調の蒼紫の言葉に武尊は大変耳が痛かった。
もしあの船にマーティンや斎藤が乗っていなければこうやって日本の土地を再び踏めたかどうか分からなかったと思えば蒼紫の危惧したところは正しい。
武尊が非常に恐縮しているのを見て蒼紫はため息をつき、
「その露西亜人に分別があってよかったな。最近では物珍しさに日本人の女が無理矢理連れ去られているという話しもあるくらいだ。」
と、まだ多少怒っているような気持ちを含みながらも若干言葉を緩めた。
「とにかく武尊が無事でよかった・・。」
と、最後は自分に言い聞かせるように蒼紫は言った。
「それで・・私の荷物を持ってきてくれたの?」
「嗚呼。山本から露西亜船は神戸に寄港する可能性があると言われた。武尊が下船出来れば当然荷を取りに神谷道場へ戻ると考えたがそこで待つより京都に持って行った方が武尊も楽だろうと思ってな。当然船が着くまでには俺は到着出来なかったが、こうしてここで待っていてよかった。武尊は俺が武尊の荷を持ってきていると算段したから此処へ来たのだろう?」
(えっと・・。)
実はぜんぜんそんなことは思っていませんでしたと言うわけにいかず武尊は蒼紫を見たまま固まってしまった。
下船したら思いっきり東京へ即行戻るつもりだったのがまさに斎藤が言ったとおりの思考と行動を蒼紫がしていたことに武尊は、
(さすが一・・・。)
と感心し、そして絶対敵に回したくない男だと密かに冷や汗をかいた。
「どうした、なぜ黙っている。」
武尊の返事を待っているのになかなか返ってこないので蒼紫はそう突っ込んだ。
「いや・・まあそうだけど・・。」
武尊にしては妙に歯切れが悪いのを蒼紫は少し変に思ったが、
「では話を続けるがいいか。」
と言った。
「まだ続きがあるの?」
「嗚呼、京都に帰ってから九条の素性を調べてみた。摂家の九条家ならその生い立ちから何か見えるのではないかと思って。」
流石蒼紫!と、危なく誉めそうになった武尊だったがその言葉は飲み込んで蒼紫の話を聞くことにした。
あの九条の素性は武尊も興味があったからだ。
(でも調べるって・・未来の国会図書館みたいに資料や系図が公開されているわけでもないのに?)
と武尊が思っていると、
「幕末において、京都探索方御庭番衆も情報収集にはたけていた。」
と、蒼紫は武尊をじっと見た。
(な・・なに・・急に。)
と武尊が思っていると蒼紫は、
「武尊は公卿・・いや、今は華族か、・・その事はあまり知らないだろう。」
と、武尊の痛いところを突いてきた。
「(お恥ずかしながら・・徳川将軍は十五人全部言えるけど公家って全然知らないです。)
・・うん、知らない。」
とちょっと気恥ずかしく答えた。
武尊の頭の中では平安時代が終わってからずっと武士の時代で公家、天皇家など明治になって突然現れたようなものに等しかった。
(貴族の名前は藤原氏、そして天皇なんて鎌倉時代の後醍醐天皇以降、明治、大正、昭和・・と今の天皇ぐらいしか知らないわよ・・。)
と、武尊の心の呟きはさておき蒼紫は本台の脇に置いてあった巻物を開いた。
と、武尊は理由を述べながら両手を蒼紫に会わせてごめんなさいをした。
「黙って何処へ行ったかと思えば・・緋村に聞けば例の海軍少尉と共に出たっきり、海軍へ行ってみれば露西亜船に乗ったきり・・
どれだけ心配したと思っている。」
穏やかだが強い口調の蒼紫の言葉に武尊は大変耳が痛かった。
もしあの船にマーティンや斎藤が乗っていなければこうやって日本の土地を再び踏めたかどうか分からなかったと思えば蒼紫の危惧したところは正しい。
武尊が非常に恐縮しているのを見て蒼紫はため息をつき、
「その露西亜人に分別があってよかったな。最近では物珍しさに日本人の女が無理矢理連れ去られているという話しもあるくらいだ。」
と、まだ多少怒っているような気持ちを含みながらも若干言葉を緩めた。
「とにかく武尊が無事でよかった・・。」
と、最後は自分に言い聞かせるように蒼紫は言った。
「それで・・私の荷物を持ってきてくれたの?」
「嗚呼。山本から露西亜船は神戸に寄港する可能性があると言われた。武尊が下船出来れば当然荷を取りに神谷道場へ戻ると考えたがそこで待つより京都に持って行った方が武尊も楽だろうと思ってな。当然船が着くまでには俺は到着出来なかったが、こうしてここで待っていてよかった。武尊は俺が武尊の荷を持ってきていると算段したから此処へ来たのだろう?」
(えっと・・。)
実はぜんぜんそんなことは思っていませんでしたと言うわけにいかず武尊は蒼紫を見たまま固まってしまった。
下船したら思いっきり東京へ即行戻るつもりだったのがまさに斎藤が言ったとおりの思考と行動を蒼紫がしていたことに武尊は、
(さすが一・・・。)
と感心し、そして絶対敵に回したくない男だと密かに冷や汗をかいた。
「どうした、なぜ黙っている。」
武尊の返事を待っているのになかなか返ってこないので蒼紫はそう突っ込んだ。
「いや・・まあそうだけど・・。」
武尊にしては妙に歯切れが悪いのを蒼紫は少し変に思ったが、
「では話を続けるがいいか。」
と言った。
「まだ続きがあるの?」
「嗚呼、京都に帰ってから九条の素性を調べてみた。摂家の九条家ならその生い立ちから何か見えるのではないかと思って。」
流石蒼紫!と、危なく誉めそうになった武尊だったがその言葉は飲み込んで蒼紫の話を聞くことにした。
あの九条の素性は武尊も興味があったからだ。
(でも調べるって・・未来の国会図書館みたいに資料や系図が公開されているわけでもないのに?)
と武尊が思っていると、
「幕末において、京都探索方御庭番衆も情報収集にはたけていた。」
と、蒼紫は武尊をじっと見た。
(な・・なに・・急に。)
と武尊が思っていると蒼紫は、
「武尊は公卿・・いや、今は華族か、・・その事はあまり知らないだろう。」
と、武尊の痛いところを突いてきた。
「(お恥ずかしながら・・徳川将軍は十五人全部言えるけど公家って全然知らないです。)
・・うん、知らない。」
とちょっと気恥ずかしく答えた。
武尊の頭の中では平安時代が終わってからずっと武士の時代で公家、天皇家など明治になって突然現れたようなものに等しかった。
(貴族の名前は藤原氏、そして天皇なんて鎌倉時代の後醍醐天皇以降、明治、大正、昭和・・と今の天皇ぐらいしか知らないわよ・・。)
と、武尊の心の呟きはさておき蒼紫は本台の脇に置いてあった巻物を開いた。