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177.母成峠を目指して (夢主・盛之輔・時尾・勉・恵・蒼紫)
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皆が沈黙して武尊を見た。
この状況は非常に不利だと判断した武尊は、
「・・失礼!」
と一言残して急いで靴を履き外へ飛び出した。
「待って下さい、なぜ逃げるんです!」
と盛之輔が追って来た。
包帯を巻いたとはいえ、皮が捲れた靴擦れの所が痛みを発する。
いつもだったら振り切れるのに、と、たった一足の靴を失いたくないと履いた靴が仇になって武尊は早く走れない。
盛之輔の伸ばした手がすぐに武尊の肩を捕まえた。
が、武尊はその手を掴み逆に盛之輔を地面に投げ落とした。
これも斎藤が武尊に教えた徒手の技、といっても柔術に近いものがあるのだが。
敵ならば踵で顔面を潰すなり心臓に一撃入れる所なのだが相手は時尾の弟、斎藤の義弟。
武尊が一瞬躊躇した時、盛之輔が武尊の足首を掴んだ。
武尊と盛之輔が目を合わせた。
「離せ!人違いだ。」
「では何故逃げるんです!」
「逃げてなど・・私は先を急いでいるだけで・・。」
武尊はとっさに何か良い口実がないか考えようとしたがその答えを見つける前に後から息を切らしながら追ってきた時尾が武尊を呼んだ。
「武尊さん。」
「時尾さん・・。」
「過去の事を問われたくないのでしたら問いません。ですからどうか家へ寄って下さい。会津に来た時私の手料理が食べられるのなら寄って下さるとおっしゃって下さったではありませんか。家はすぐそこですから。」
体調が悪いと言うのに息を切らせて走って来た時尾の言葉に武尊は何も言えなかった。
会津に行ったら確かに寄ると武尊は武尊していたし、どのみちここから母成峠への道の情報収集はしなくてはいけないのだ。
実家が会津だという時尾なら道を詳しく知っているかもしれないと思った武尊は観念した。
「分かりました・・少しなら。」
過去が問われないなら・・と武尊は目の前の姉弟を少し不思議な気持ちで見つめて歩き出した。
この状況は非常に不利だと判断した武尊は、
「・・失礼!」
と一言残して急いで靴を履き外へ飛び出した。
「待って下さい、なぜ逃げるんです!」
と盛之輔が追って来た。
包帯を巻いたとはいえ、皮が捲れた靴擦れの所が痛みを発する。
いつもだったら振り切れるのに、と、たった一足の靴を失いたくないと履いた靴が仇になって武尊は早く走れない。
盛之輔の伸ばした手がすぐに武尊の肩を捕まえた。
が、武尊はその手を掴み逆に盛之輔を地面に投げ落とした。
これも斎藤が武尊に教えた徒手の技、といっても柔術に近いものがあるのだが。
敵ならば踵で顔面を潰すなり心臓に一撃入れる所なのだが相手は時尾の弟、斎藤の義弟。
武尊が一瞬躊躇した時、盛之輔が武尊の足首を掴んだ。
武尊と盛之輔が目を合わせた。
「離せ!人違いだ。」
「では何故逃げるんです!」
「逃げてなど・・私は先を急いでいるだけで・・。」
武尊はとっさに何か良い口実がないか考えようとしたがその答えを見つける前に後から息を切らしながら追ってきた時尾が武尊を呼んだ。
「武尊さん。」
「時尾さん・・。」
「過去の事を問われたくないのでしたら問いません。ですからどうか家へ寄って下さい。会津に来た時私の手料理が食べられるのなら寄って下さるとおっしゃって下さったではありませんか。家はすぐそこですから。」
体調が悪いと言うのに息を切らせて走って来た時尾の言葉に武尊は何も言えなかった。
会津に行ったら確かに寄ると武尊は武尊していたし、どのみちここから母成峠への道の情報収集はしなくてはいけないのだ。
実家が会津だという時尾なら道を詳しく知っているかもしれないと思った武尊は観念した。
「分かりました・・少しなら。」
過去が問われないなら・・と武尊は目の前の姉弟を少し不思議な気持ちで見つめて歩き出した。