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176.高木盛之輔 (夢主・恵・時尾・盛之輔)
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「大したことはない、今流行りの靴ずれじゃ。恵君、いつもの軟膏を塗ってさしあげなさい。」
診察室には山羊のように長いあごひげの男医者がいた。
「靴ずれって流行りなんですか?」
と思わず武尊が尋ねると、
「そうじゃ、どいつもこいつも異国の物を身につけおって。日本人の履物といえば桐下駄に決まっておる!」
と、気合の入った返事が返ってきた。
「気にしなくていいわよ武尊、先生の娘婿の所が桐下駄を作っているからちょっとぼやいているだけだから。先生、そんなことより時尾姉さんに渡す薬を準備してください。」
と、奥の薬部屋から出てきた恵に逆にすかさず突っ込まれ主治医はやれやれと言いながら入れ違いに奥の薬室へ行ってしまった。
恵は主治医の指示のもとに持って来た軟膏を武尊に塗った。
武尊は主治医に聞こえないように恵に小さな声で、
「あの・・恵さん。あの薬、どうなりましたか?分析終わりました?」
と尋ねた。
「あの薬?」
恵はごく普通の声で返事をしたので武尊はギャッと思い、思わず人差し指を立ててしっという合図をして更に小声で、
「恵さんに預けたじゃないですか、絶対秘密にしてくださいっていう薬。」
と言うと恵の目が一瞬固まった。
それを見て武尊は嫌な予感がした。
「ま・・・まさか無くしてしまったとか・・?」
「まさかそんな事あるわけないでしょ。」
そう答える恵の目はどこか泳いでいる。
「分析終わってなければ返してもらおうと思って、それで恵さんを追って会津に来たんですけど。」
恵は武尊の足首に包帯を巻きながらバツが悪そうに、
「ごめんなさい武尊、私あれから忙しくて預かった薬、薬箱に入れっぱなしにしておいたの。」
と言った。
「いえ、忙しかったのならしかたありません。では返して・・」
「それがね、その薬箱、剣さんにあげちゃったの。」
恵は武尊の目をみてにっ・・こり笑った。
「まさか・・剣さんって・・・、緋村さんの事!?神谷道場にあるってこと!?」
「ごめんなさいったら武尊、謝るわ。でもあの薬が何だか分からないはずだから早々には使われないと思うわよ。」
武尊は恵の言葉を聞いて顔を青くした。
確かに【兄】の話によればあの薬は自分にしか効かないという事だが薬の存在を公にするわけにはいかない。
(もう一つの用事が終わったらすぐ東京に帰らなくっちゃ・・しかも神谷道場だって・・最悪・・泣きたい気分・・。)
預けた薬を返してもらうために恵に会いに会津まで来た武尊。
恵がどこにいるのか知らなかったので会津に来てすぐに恵に再会出来た事は幸運だったがその落ちがこれだったとはと武尊は落ち込んだ。
が、そうしている間にも恵はテキパキと手当を終えた。
ともあれ武尊は二人の先生にお礼を言って、時尾に渡す薬を持った恵と診察室を出た。
診察室には山羊のように長いあごひげの男医者がいた。
「靴ずれって流行りなんですか?」
と思わず武尊が尋ねると、
「そうじゃ、どいつもこいつも異国の物を身につけおって。日本人の履物といえば桐下駄に決まっておる!」
と、気合の入った返事が返ってきた。
「気にしなくていいわよ武尊、先生の娘婿の所が桐下駄を作っているからちょっとぼやいているだけだから。先生、そんなことより時尾姉さんに渡す薬を準備してください。」
と、奥の薬部屋から出てきた恵に逆にすかさず突っ込まれ主治医はやれやれと言いながら入れ違いに奥の薬室へ行ってしまった。
恵は主治医の指示のもとに持って来た軟膏を武尊に塗った。
武尊は主治医に聞こえないように恵に小さな声で、
「あの・・恵さん。あの薬、どうなりましたか?分析終わりました?」
と尋ねた。
「あの薬?」
恵はごく普通の声で返事をしたので武尊はギャッと思い、思わず人差し指を立ててしっという合図をして更に小声で、
「恵さんに預けたじゃないですか、絶対秘密にしてくださいっていう薬。」
と言うと恵の目が一瞬固まった。
それを見て武尊は嫌な予感がした。
「ま・・・まさか無くしてしまったとか・・?」
「まさかそんな事あるわけないでしょ。」
そう答える恵の目はどこか泳いでいる。
「分析終わってなければ返してもらおうと思って、それで恵さんを追って会津に来たんですけど。」
恵は武尊の足首に包帯を巻きながらバツが悪そうに、
「ごめんなさい武尊、私あれから忙しくて預かった薬、薬箱に入れっぱなしにしておいたの。」
と言った。
「いえ、忙しかったのならしかたありません。では返して・・」
「それがね、その薬箱、剣さんにあげちゃったの。」
恵は武尊の目をみてにっ・・こり笑った。
「まさか・・剣さんって・・・、緋村さんの事!?神谷道場にあるってこと!?」
「ごめんなさいったら武尊、謝るわ。でもあの薬が何だか分からないはずだから早々には使われないと思うわよ。」
武尊は恵の言葉を聞いて顔を青くした。
確かに【兄】の話によればあの薬は自分にしか効かないという事だが薬の存在を公にするわけにはいかない。
(もう一つの用事が終わったらすぐ東京に帰らなくっちゃ・・しかも神谷道場だって・・最悪・・泣きたい気分・・。)
預けた薬を返してもらうために恵に会いに会津まで来た武尊。
恵がどこにいるのか知らなかったので会津に来てすぐに恵に再会出来た事は幸運だったがその落ちがこれだったとはと武尊は落ち込んだ。
が、そうしている間にも恵はテキパキと手当を終えた。
ともあれ武尊は二人の先生にお礼を言って、時尾に渡す薬を持った恵と診察室を出た。