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176.高木盛之輔 (夢主・恵・時尾・盛之輔)
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「姉さん!?」
思わず上ずった声を出してしまった武尊だったが、そう言えばここは時尾の実家があるんだったという事を思い出しその青年をじっと見た。
時尾とよく似た優しそうな青年。
間違いなく時尾の弟だろうと武尊は推測した。
そして身内が迎えに来るほどに具合でも悪いのだろうかと武尊は心配して聞いた。
「時尾さんは何処か具合が悪いんですか?」
すると予想外にも今度は時尾の方が少し滑舌悪く、
「ちょっと体調を崩しただけみたいでしたの。ね、恵。」
「え、ええ・・。」
時尾から同意を求められて恵は思わず相槌を打った。
(確かに疲れの所為だと思うのだけど・・。)
と診察した恵はそう思ったが時尾が今日診療所を訪れた理由は別にあるのを恵は知っている。
「長旅で疲れが出たんじゃありませんか?折角御実家に帰られたんですから少しはゆっくりしてください。」
武尊は時尾を心配してそう言った。
「なんだ、違ったのか残念だったなぁ。」
青年はそう言ってため息をついた。
「残念?」
青年の言っている意味が分からなくて武尊は思わず聞き返した。
「てっきり家族が増えるかと喜んでたんだけどね、というか君は誰だい?」
彼が部屋に入って来た時三人はほぼ固まって話をしていた。
恵の事は面識もあったし何より医者なので姉との距離が近くても許せることだったが、知らぬ男がそんなに近くにいることに彼は不快感を持ちそれを顔に表した。
それをいち早く時尾は察知して、
「盛之輔、武尊さんは東京で五郎さんの下で働いていらっしゃったのよ。武尊さん、こちらは弟の盛之輔です。」
と、盛之輔を武尊に紹介した。
「土岐武尊です、今はもう警官をやめましたがその節は藤田警部補にお世話になりました。」
と武尊は立ち上がって盛之輔に会釈をした。
盛之輔は姉から紹介されたというのもあるが、絶大な信頼を置いている義兄の部下というのを聞いて武尊に対する態度をコロッと変えた。
「義兄さんの部下の方でしたか。私は高木盛之輔と言います、よろしくお願いします。」
と会釈をした。
(一の影響力ってすごい・・。)
と驚く一方、先ほどの盛之輔の言葉が武尊は気になった。
「時尾さん、家族ってもしかして・・。」
武尊は目を大きくして時尾を見つめた。
時尾は、確かに自分は藤田の妻であるという事に間違いはないが自分だけ愛されたというのが武尊にあからさまなのが心苦しかった。
しかし言わざるを得なかった。
「ええ、そう思ったのですけど違いましたの。少し体調を崩しただけみたいでしたわ。」
武尊をなるべく傷つけまいと思った時尾だった。
「そうですか・・でもお正月にはきっと時尾さんの所に帰って来ると思いますから次はきっと授かりますよ。」
武尊はそう言った後、時尾を元気づけようと微笑んだ。
「武尊さん・・。」
時尾は少し言葉に詰まった。
そして横でそれを聞いていた恵もまた武尊を複雑な気持ちを持って見た。
(武尊・・。)
武尊が笑う事が返って恵にとっては辛かった。
想いを寄せてもかなわない事。
武尊の斎藤への想いをかつての自分の剣心への想いを重ねて恵はやるせない気持ちになった。
恵はこの気持ちを吹っ切るように白衣をたたいて立ち上がった。
「さ、武尊。今の内に診察しましょうか。見た感じからすると靴ずれね。時尾姉さんは少し待ってて。武尊の処置が終わったら薬を出すわ。」
と、言って武尊を診察室へ来るように促した。
「あ、はい。」
先に診察室に戻った恵を追いかけるように武尊は時尾に一礼して診察室へ向かった。
待合室の中、二人を見送った時尾とその横に座った盛之輔。
「もうしばらくかかるわね。」
と盛之輔に話しかけた時尾だったが盛之輔は少し難しい顔をして考え込んでいた。
「盛之輔?」
時尾に話しかけられてハッとした盛之輔は時尾に真剣な顔で、
「姉さん、・・俺、あの人に会った事あるよ。」
と言った。
「あの人って・・武尊さんの事?・・いつ、どこでなの盛之輔?」
驚いて矢継ぎ早に盛之輔に聞く時尾だったが盛之輔は、
「いや・・その前に確かめなきゃ。」
と、診察室の扉をじっと見た。
思わず上ずった声を出してしまった武尊だったが、そう言えばここは時尾の実家があるんだったという事を思い出しその青年をじっと見た。
時尾とよく似た優しそうな青年。
間違いなく時尾の弟だろうと武尊は推測した。
そして身内が迎えに来るほどに具合でも悪いのだろうかと武尊は心配して聞いた。
「時尾さんは何処か具合が悪いんですか?」
すると予想外にも今度は時尾の方が少し滑舌悪く、
「ちょっと体調を崩しただけみたいでしたの。ね、恵。」
「え、ええ・・。」
時尾から同意を求められて恵は思わず相槌を打った。
(確かに疲れの所為だと思うのだけど・・。)
と診察した恵はそう思ったが時尾が今日診療所を訪れた理由は別にあるのを恵は知っている。
「長旅で疲れが出たんじゃありませんか?折角御実家に帰られたんですから少しはゆっくりしてください。」
武尊は時尾を心配してそう言った。
「なんだ、違ったのか残念だったなぁ。」
青年はそう言ってため息をついた。
「残念?」
青年の言っている意味が分からなくて武尊は思わず聞き返した。
「てっきり家族が増えるかと喜んでたんだけどね、というか君は誰だい?」
彼が部屋に入って来た時三人はほぼ固まって話をしていた。
恵の事は面識もあったし何より医者なので姉との距離が近くても許せることだったが、知らぬ男がそんなに近くにいることに彼は不快感を持ちそれを顔に表した。
それをいち早く時尾は察知して、
「盛之輔、武尊さんは東京で五郎さんの下で働いていらっしゃったのよ。武尊さん、こちらは弟の盛之輔です。」
と、盛之輔を武尊に紹介した。
「土岐武尊です、今はもう警官をやめましたがその節は藤田警部補にお世話になりました。」
と武尊は立ち上がって盛之輔に会釈をした。
盛之輔は姉から紹介されたというのもあるが、絶大な信頼を置いている義兄の部下というのを聞いて武尊に対する態度をコロッと変えた。
「義兄さんの部下の方でしたか。私は高木盛之輔と言います、よろしくお願いします。」
と会釈をした。
(一の影響力ってすごい・・。)
と驚く一方、先ほどの盛之輔の言葉が武尊は気になった。
「時尾さん、家族ってもしかして・・。」
武尊は目を大きくして時尾を見つめた。
時尾は、確かに自分は藤田の妻であるという事に間違いはないが自分だけ愛されたというのが武尊にあからさまなのが心苦しかった。
しかし言わざるを得なかった。
「ええ、そう思ったのですけど違いましたの。少し体調を崩しただけみたいでしたわ。」
武尊をなるべく傷つけまいと思った時尾だった。
「そうですか・・でもお正月にはきっと時尾さんの所に帰って来ると思いますから次はきっと授かりますよ。」
武尊はそう言った後、時尾を元気づけようと微笑んだ。
「武尊さん・・。」
時尾は少し言葉に詰まった。
そして横でそれを聞いていた恵もまた武尊を複雑な気持ちを持って見た。
(武尊・・。)
武尊が笑う事が返って恵にとっては辛かった。
想いを寄せてもかなわない事。
武尊の斎藤への想いをかつての自分の剣心への想いを重ねて恵はやるせない気持ちになった。
恵はこの気持ちを吹っ切るように白衣をたたいて立ち上がった。
「さ、武尊。今の内に診察しましょうか。見た感じからすると靴ずれね。時尾姉さんは少し待ってて。武尊の処置が終わったら薬を出すわ。」
と、言って武尊を診察室へ来るように促した。
「あ、はい。」
先に診察室に戻った恵を追いかけるように武尊は時尾に一礼して診察室へ向かった。
待合室の中、二人を見送った時尾とその横に座った盛之輔。
「もうしばらくかかるわね。」
と盛之輔に話しかけた時尾だったが盛之輔は少し難しい顔をして考え込んでいた。
「盛之輔?」
時尾に話しかけられてハッとした盛之輔は時尾に真剣な顔で、
「姉さん、・・俺、あの人に会った事あるよ。」
と言った。
「あの人って・・武尊さんの事?・・いつ、どこでなの盛之輔?」
驚いて矢継ぎ早に盛之輔に聞く時尾だったが盛之輔は、
「いや・・その前に確かめなきゃ。」
と、診察室の扉をじっと見た。