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176.高木盛之輔 (夢主・恵・時尾・盛之輔)
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会津に帰省した恵は此処、渡部診療所に雇われた。
時尾の実家からほど近いこの診療所は時尾が前よりよく診てもらっていた診療所だった。
恵は幼少の時に裁縫を時尾の祖母より習っていたことがあり、時尾とは顔見知りで十一も歳の離れた時尾の事をいつも【時尾姉さん】といって慕っていたのであった。
先日実家へ帰って来た時尾が体調を診てもらおうと診療所を訪れた際、恵と偶然再会したのだった。
*******
「私達、ついこの間まで一緒に東京に住んでたんですよ。」
と時尾は恵に説明した。
「そっ・・そうなの・・全然知らなかったわ。」
会津を離れてもう何年になるのか、恵はまさか時尾が同じ東京の空の下で住んでたということに驚いたが、驚くと同時に浮かんだ一つの仮定の所為で恵の心は動揺した。
時尾が結婚していて苗字が【高木】から【藤田】になっていたのを恵は先程知った。
そして時尾の夫が警官だともその時に聞いた。
【藤田】というのが時尾の母方の苗字なのでその時は特に不思議に思わなかったのだが時尾と武尊が一緒に住んでいたというのなら話は別だ。
恵は東京にいる【藤田】という警官に心当たりがある。
恵の大事な人にいつも冷たく剣心組にとってはいつも嫌味ばかりのヤな警官・・と、思い出したくないスダレ男を思いながら恵の視線は武尊へ。
人から美人女医と言われ少なからず自覚する恵であったが、その恵でさえ時尾の女性らしさと美しさは認めるものがある。
きっとその夫という人は優しく出来た夫であるとその時は想像していたのだが・・。
武尊の入院、見舞いに来た斎藤の姿が恵の脳裏をよぎった。
己の物が如く武尊を大事にする斎藤。
恵はあの斎藤が時尾の夫である可能性を否定したくて時尾に質問をした。
「確かさっき・・時尾姉さんの旦那様は北海道って言いましたよね。」
「ええ、この間転勤になったばかりなのだけど。」
時尾は微笑をたたえて答えた。
(そんな事って!)
恵の今までの想像が確信に変わって恵は更に動揺した。
(間違いない、自分の慕う時尾の夫は自分の愛する人を付け狙っているあの斎藤。)
※警視庁に剣心と斎藤の決闘が知られると止めに入られるので果し状の事は剣心・斎藤・蒼紫・武尊・張しか知らない。
だがそんな事は口が裂けても時尾に言えるわけがなく、まして斎藤が武尊に特別な感情を持っているというのは絶対に知られてはいけないと思い、恵は自分と斎藤が顔見知りだというのを黙っていることにした。
もちろん恵は時尾が彼女の夫である斎藤が武尊を愛しているというのを知っている、とは露ほどにも思ってはいない。
恵が険しい顔になりそうなのを頑張っていつもの顔をしようと努力していると、時尾は武尊の方を向いたので恵はとりあえずホッとした。
「武尊さんはいつ会津に?」
「え?あっ・・今です。つ・・着いたばっかりです。」
武尊も恵が斎藤が自分をどう思っているのか知っているというのを知っているのでこの女三人の鉢合わせははっきり言ってどう対処していいのか悩んでいた。
そこに時尾から話しかけられ、思わずドモリがちに返事をした。
「そうですか。あの・・夫は無事に出発しましたか?」
「ええ、藤田警部補はちゃんと船で北海道に向かわれました。」
夫の無事の出発を聞いて時尾はホッと安心した。
そして武尊の手荷物を見て、変わった袋だと思いながらそこに夫が長年大事にしてきた脇差があるのを見てふっと微笑んだ。
時尾は斎藤から事前にその脇差を武尊に渡すという事を聞かされた時に夫の気持ちを察して心よく了承していたのだった。
と、その時時尾はその袋の布地に見覚えがあることに気が付いた。
「ねぇ武尊さん、もしかしてその袋って武尊さんのお着物でなくて?」
突然意外な事を言う時尾に、やっぱりナップサックは変かなぁと思う武尊であった。
「え、ええ。少しでも荷物を減らしたかったので自分流で作ってみました。・・変ですか?」
「いえ、そうではなく・・。」
確かに変わった袋だと時尾は思ったがそれよりも、
「武尊さん・・そのお着物西陣だと思ったのですけど、あ、いえごめんなさい。武尊さんのお着物ですから私がどうのと言える立場ではないのですけど・・。」
と、慌てて弁解する時尾だったが武尊はそれよりも【西陣】という言葉に引っかかった。
「え・・それってもしかして高い着物っていう事ですか?」
武尊は恐る恐る時尾に聞くと、
「ええ、多分・・縫製もしっかりしてましたし・・。」
武尊は時尾と顔を見合わせて沈黙した。
時尾の様子からするとあの着物はかなりの高級品だと武尊は推測した。
(い、今はそのことについては考えないぞ・・。作っちゃったものは仕方がない。・・これはやっぱり翁さんにバレたらヤバいかなぁ。)
今更ながら武尊が心で大汗をかいていると診療所に誰かが来た音してすぐに待合室の扉が開かれた。
扉を開けたのは武尊と同じぐらいの歳の青年。
その男は扉を開けた瞬間から待合室にいる三人の中の一人だけしか目に入ってないようで、
「姉さん、どうだった。」
と少し興奮気味に尋ねた。
時尾の実家からほど近いこの診療所は時尾が前よりよく診てもらっていた診療所だった。
恵は幼少の時に裁縫を時尾の祖母より習っていたことがあり、時尾とは顔見知りで十一も歳の離れた時尾の事をいつも【時尾姉さん】といって慕っていたのであった。
先日実家へ帰って来た時尾が体調を診てもらおうと診療所を訪れた際、恵と偶然再会したのだった。
*******
「私達、ついこの間まで一緒に東京に住んでたんですよ。」
と時尾は恵に説明した。
「そっ・・そうなの・・全然知らなかったわ。」
会津を離れてもう何年になるのか、恵はまさか時尾が同じ東京の空の下で住んでたということに驚いたが、驚くと同時に浮かんだ一つの仮定の所為で恵の心は動揺した。
時尾が結婚していて苗字が【高木】から【藤田】になっていたのを恵は先程知った。
そして時尾の夫が警官だともその時に聞いた。
【藤田】というのが時尾の母方の苗字なのでその時は特に不思議に思わなかったのだが時尾と武尊が一緒に住んでいたというのなら話は別だ。
恵は東京にいる【藤田】という警官に心当たりがある。
恵の大事な人にいつも冷たく剣心組にとってはいつも嫌味ばかりのヤな警官・・と、思い出したくないスダレ男を思いながら恵の視線は武尊へ。
人から美人女医と言われ少なからず自覚する恵であったが、その恵でさえ時尾の女性らしさと美しさは認めるものがある。
きっとその夫という人は優しく出来た夫であるとその時は想像していたのだが・・。
武尊の入院、見舞いに来た斎藤の姿が恵の脳裏をよぎった。
己の物が如く武尊を大事にする斎藤。
恵はあの斎藤が時尾の夫である可能性を否定したくて時尾に質問をした。
「確かさっき・・時尾姉さんの旦那様は北海道って言いましたよね。」
「ええ、この間転勤になったばかりなのだけど。」
時尾は微笑をたたえて答えた。
(そんな事って!)
恵の今までの想像が確信に変わって恵は更に動揺した。
(間違いない、自分の慕う時尾の夫は自分の愛する人を付け狙っているあの斎藤。)
※警視庁に剣心と斎藤の決闘が知られると止めに入られるので果し状の事は剣心・斎藤・蒼紫・武尊・張しか知らない。
だがそんな事は口が裂けても時尾に言えるわけがなく、まして斎藤が武尊に特別な感情を持っているというのは絶対に知られてはいけないと思い、恵は自分と斎藤が顔見知りだというのを黙っていることにした。
もちろん恵は時尾が彼女の夫である斎藤が武尊を愛しているというのを知っている、とは露ほどにも思ってはいない。
恵が険しい顔になりそうなのを頑張っていつもの顔をしようと努力していると、時尾は武尊の方を向いたので恵はとりあえずホッとした。
「武尊さんはいつ会津に?」
「え?あっ・・今です。つ・・着いたばっかりです。」
武尊も恵が斎藤が自分をどう思っているのか知っているというのを知っているのでこの女三人の鉢合わせははっきり言ってどう対処していいのか悩んでいた。
そこに時尾から話しかけられ、思わずドモリがちに返事をした。
「そうですか。あの・・夫は無事に出発しましたか?」
「ええ、藤田警部補はちゃんと船で北海道に向かわれました。」
夫の無事の出発を聞いて時尾はホッと安心した。
そして武尊の手荷物を見て、変わった袋だと思いながらそこに夫が長年大事にしてきた脇差があるのを見てふっと微笑んだ。
時尾は斎藤から事前にその脇差を武尊に渡すという事を聞かされた時に夫の気持ちを察して心よく了承していたのだった。
と、その時時尾はその袋の布地に見覚えがあることに気が付いた。
「ねぇ武尊さん、もしかしてその袋って武尊さんのお着物でなくて?」
突然意外な事を言う時尾に、やっぱりナップサックは変かなぁと思う武尊であった。
「え、ええ。少しでも荷物を減らしたかったので自分流で作ってみました。・・変ですか?」
「いえ、そうではなく・・。」
確かに変わった袋だと時尾は思ったがそれよりも、
「武尊さん・・そのお着物西陣だと思ったのですけど、あ、いえごめんなさい。武尊さんのお着物ですから私がどうのと言える立場ではないのですけど・・。」
と、慌てて弁解する時尾だったが武尊はそれよりも【西陣】という言葉に引っかかった。
「え・・それってもしかして高い着物っていう事ですか?」
武尊は恐る恐る時尾に聞くと、
「ええ、多分・・縫製もしっかりしてましたし・・。」
武尊は時尾と顔を見合わせて沈黙した。
時尾の様子からするとあの着物はかなりの高級品だと武尊は推測した。
(い、今はそのことについては考えないぞ・・。作っちゃったものは仕方がない。・・これはやっぱり翁さんにバレたらヤバいかなぁ。)
今更ながら武尊が心で大汗をかいていると診療所に誰かが来た音してすぐに待合室の扉が開かれた。
扉を開けたのは武尊と同じぐらいの歳の青年。
その男は扉を開けた瞬間から待合室にいる三人の中の一人だけしか目に入ってないようで、
「姉さん、どうだった。」
と少し興奮気味に尋ねた。