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171.神谷道場再び (夢主・剣心・薫・弥彦・海軍少尉・比古・翁)
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「おい。」
武尊が大八車から荷物を降ろしている所にに弥彦が来た。
(ん?)
自分を呼んだのがちびっこだった事に武尊はなんだろうと思った。
「『おい。』って子供から『おい』扱いされるのは好きじゃないんだけど。」
「俺は子供じゃなくて東京府士族、明神弥彦だ。」
「士族・・って元侍?にしては口が悪くない?・・まあ私も人の事いえないからどうでもいいか。」
お子様のことだからあまり真面目に向き合わない方がいいと武尊はまた積み荷を降ろし始めた。
「おい!人が話してる時に余所見すんな!」
武尊はまたもや竹刀の先を向けられた。
構うべきなのか無視するべきなのか、考える前に武尊の目玉だけが反応し弥彦へ向いた。
「話っていうけど私には君は初対面、話しをするならもう少し言い方っていうのがあると思うけど。」
武尊は弥彦に向き直ってそう言うと、弥彦はちょっと考えて竹刀を下ろした。
「悪かったな、けどお前を相手に俺だって怖いんだこれくらい気合入れなきゃやってられねぇよ。」
と今度は普通の口調で弥彦は答えた。
ちょっとかわいい弥彦の言い草に武尊も少し心が穏やかになった。
「怖い?私が?」
まさか自分が怖いなどと言われるなんて思わなくて武尊はその理由が気になった。
「だってお前も人を斬って喜ぶ性質(たち)なんだろ?」
率直な弥彦の質問に武尊は困ったように笑った。
「そっか・・そう言われたんだ。(十六夜丸はそんな風に人を斬ってたのね)」
武尊は肩を落として大八車に寄り掛かり腕を組んで空を見上げた。
「なんだよ、急に気抜きやがって。」
「いや、・・別に。で、他には何て聞いたの?」
「他にはって、そりゃお前の事についてにきまってるだろ。凄腕の剣の腕の持ち主で剣心ともやり合ったとかいろいろだ。」
「『いろいろ』ねぇ・・。」
まったく十六夜丸はある意味大したものだと武尊は思った。
この間斎藤に薬を飲まされたのを別とすると、十六夜丸になったのは戊辰戦争が最後。
十年経つのにまだ十六夜丸の名前は見も知らぬ少年の記憶に残るのかと武尊は思った。
いや、十年だろうが二十年だろうが自分が生きている限りはきっとその名はついてまわる。
やはり十六夜丸と自分は切り離し出来ないのだと武尊は弥彦を見てそう思った。
「少なくとも【私】は好んで人を殺したりはしない。ましてそれが嬉しいだなんて。教えてくれてありがとう。」
「ありがとうって、どういう事なんだよ。お前自身のことなんだろ。」
武尊の返事に弥彦は面食らった。
その時剣心と薫が弥彦のところへ駆けつけて来た。
「大丈夫でござったか弥彦。」
「見ての通り何でもねぇよ。こいつ話普通に出来るじゃんか。」
「弥彦油断しちゃダメ。左之助でさえ斎藤に仕込み刀でやられたんだから。」
武尊の耳が【斎藤】という名にピクリと反応した。
(一と左之助・・・左之助ってこないだの惡一文字だよね・・。)
聞いていなかったけど斎藤と左之助の間に何かあったんだと武尊は気になった。
「でもよぉ」
と何か言いかけた弥彦に、
「二人の言うとおりだよ。私がもし君に危害を加えようと考えていたなら君は危険な状況にあったかもしれない。でも、話しかけてくれた勇気は嬉しいものだった。君には相手が善人悪人どちらにしても対応できる大人になって欲しいと思うよ。」
と言ってフッと笑った。
「おい・・。」
思わず微笑まれて弥彦は口ごもった。
思わず頭の中に燕の『よかったね、弥彦君』とにっこり微笑まれたような印象と重なった。
その微笑みをついでに見てしまった剣心と薫は固まった。
武尊が微笑んだのは一瞬で、すぐさま元の顔に戻ると剣心に視線を移した。
「私は大八車を返しに行かなくてはいけないのでここにお米とか置いていきますね。私からは受け取りたくないかもしれませんがもったいないのでよろしくお願いします。」
武尊は積荷を下ろし始めたが誰かが神谷道場にやって来た。
その気配に武尊と剣心が門の方を振り向くと一人の男が姿を現した。
(海軍少尉・・!?)
武尊は突然姿を現したその制服の男に驚いた。
武尊が大八車から荷物を降ろしている所にに弥彦が来た。
(ん?)
自分を呼んだのがちびっこだった事に武尊はなんだろうと思った。
「『おい。』って子供から『おい』扱いされるのは好きじゃないんだけど。」
「俺は子供じゃなくて東京府士族、明神弥彦だ。」
「士族・・って元侍?にしては口が悪くない?・・まあ私も人の事いえないからどうでもいいか。」
お子様のことだからあまり真面目に向き合わない方がいいと武尊はまた積み荷を降ろし始めた。
「おい!人が話してる時に余所見すんな!」
武尊はまたもや竹刀の先を向けられた。
構うべきなのか無視するべきなのか、考える前に武尊の目玉だけが反応し弥彦へ向いた。
「話っていうけど私には君は初対面、話しをするならもう少し言い方っていうのがあると思うけど。」
武尊は弥彦に向き直ってそう言うと、弥彦はちょっと考えて竹刀を下ろした。
「悪かったな、けどお前を相手に俺だって怖いんだこれくらい気合入れなきゃやってられねぇよ。」
と今度は普通の口調で弥彦は答えた。
ちょっとかわいい弥彦の言い草に武尊も少し心が穏やかになった。
「怖い?私が?」
まさか自分が怖いなどと言われるなんて思わなくて武尊はその理由が気になった。
「だってお前も人を斬って喜ぶ性質(たち)なんだろ?」
率直な弥彦の質問に武尊は困ったように笑った。
「そっか・・そう言われたんだ。(十六夜丸はそんな風に人を斬ってたのね)」
武尊は肩を落として大八車に寄り掛かり腕を組んで空を見上げた。
「なんだよ、急に気抜きやがって。」
「いや、・・別に。で、他には何て聞いたの?」
「他にはって、そりゃお前の事についてにきまってるだろ。凄腕の剣の腕の持ち主で剣心ともやり合ったとかいろいろだ。」
「『いろいろ』ねぇ・・。」
まったく十六夜丸はある意味大したものだと武尊は思った。
この間斎藤に薬を飲まされたのを別とすると、十六夜丸になったのは戊辰戦争が最後。
十年経つのにまだ十六夜丸の名前は見も知らぬ少年の記憶に残るのかと武尊は思った。
いや、十年だろうが二十年だろうが自分が生きている限りはきっとその名はついてまわる。
やはり十六夜丸と自分は切り離し出来ないのだと武尊は弥彦を見てそう思った。
「少なくとも【私】は好んで人を殺したりはしない。ましてそれが嬉しいだなんて。教えてくれてありがとう。」
「ありがとうって、どういう事なんだよ。お前自身のことなんだろ。」
武尊の返事に弥彦は面食らった。
その時剣心と薫が弥彦のところへ駆けつけて来た。
「大丈夫でござったか弥彦。」
「見ての通り何でもねぇよ。こいつ話普通に出来るじゃんか。」
「弥彦油断しちゃダメ。左之助でさえ斎藤に仕込み刀でやられたんだから。」
武尊の耳が【斎藤】という名にピクリと反応した。
(一と左之助・・・左之助ってこないだの惡一文字だよね・・。)
聞いていなかったけど斎藤と左之助の間に何かあったんだと武尊は気になった。
「でもよぉ」
と何か言いかけた弥彦に、
「二人の言うとおりだよ。私がもし君に危害を加えようと考えていたなら君は危険な状況にあったかもしれない。でも、話しかけてくれた勇気は嬉しいものだった。君には相手が善人悪人どちらにしても対応できる大人になって欲しいと思うよ。」
と言ってフッと笑った。
「おい・・。」
思わず微笑まれて弥彦は口ごもった。
思わず頭の中に燕の『よかったね、弥彦君』とにっこり微笑まれたような印象と重なった。
その微笑みをついでに見てしまった剣心と薫は固まった。
武尊が微笑んだのは一瞬で、すぐさま元の顔に戻ると剣心に視線を移した。
「私は大八車を返しに行かなくてはいけないのでここにお米とか置いていきますね。私からは受け取りたくないかもしれませんがもったいないのでよろしくお願いします。」
武尊は積荷を下ろし始めたが誰かが神谷道場にやって来た。
その気配に武尊と剣心が門の方を振り向くと一人の男が姿を現した。
(海軍少尉・・!?)
武尊は突然姿を現したその制服の男に驚いた。