168.函館と待ち人 (夢主・小国先生・斎藤・永倉・新市巡査)
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「ここは?まさか今は漁師にでもなったのか、永倉さん。」
はっきり言えば漁師小屋のような場所に斎藤は率直に永倉に質問した。
永倉は囲炉裏に火を点けながら、
「まさか。だが後からなるんだよ、俺とお前と後数人でな。」
と言った。
「冗談か?永倉さん。」
「冗談を言ってどうする。ま、今晩は取りあえず再会の乾杯をしようぜ。酒と食い物ぐらい置いてある。」
一升瓶を高く掲げられ、それを見た斎藤はフッと笑った。
「永倉さん、一本で足りるのか?長い話になるんだろ?」
「まあな、心配すんな。酒ならまだまだあるぜ。」
と、永倉は入口付近の隅のムシロを親指で示した。
そしてたすき掛けにしていた自分のカバンを開き、
「斎藤、手空いてるならこれ焙れ。」
と斎藤にスルメの丸干しを手渡した。
「函館のスルメはうめぇぞ。」
永倉はそう言ってにやりと笑った。