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165.満月 (剣心・薫・弥彦・夢主)
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一方武尊はというと、藤田の家に戻って来た翌日、日が昇る頃にようやく寝付いて起きた時は夕方だった。
「お腹すいた・・・。」
なんとなく頭はぼーっとするし調子が悪いと思いつつも御飯の用意は自分でしなくてはいけない現実がうすうすわかっており、ぼーっとしたまま台所へ行ってご飯を炊いた。
日が落ちる前に作ってしまわねばとパタパタを破れ団扇でかまどの火をあおいだ。
パチパチと薪がはぜる音、お湯がくつくつと湧く音、周りが静かな分だけそんな微かな音がよく聞こえた。
「インスタントカレーでもないかな・・・。」
そんなものがこの時代にあるはずもない、そう分かっているけど呟かずにはいられない。
炊きたてごはんを御椀に山盛りに盛って、日の当たる縁側に腰掛け武尊は御飯を口にした。
「ハッ、フッ、湯気がすごいや。やっぱ炊きたては美味しいよね。」
とハフハフ言いながら武尊は感謝して食べた。
御飯だけという簡単すぎる食事を終え、しかしながら満足した武尊は縁側で足をぶらぶらさせて夕日を眺めた。
「一・・今頃どこまで行ったのかな・・。あれからもう一日経っちゃったよ。」
秋の夜はつるべ落とし。
あっという間も日は落ち、月が昇った。
武尊はその間、ずっと縁側でぼーっとしていた。
そしてふと明るい月の方を見て驚いた。
庭先に昇った大きな満月。
「スーパームーンだ!」
と、武尊は目を丸くして驚いた。
約130年後の汚れた東京の空とは違う、澄んだ秋の夜空にある意味恐ろしいほどくっきりと巨大な月の姿。
影までくっきりとうつすその光源に武尊はぶるると一度身震いすると、怖くなって月明かりの直接射さない畳の間まで逃げ出したくなった。
けれども何故かもう一度だけ振り返って満月を見ると脳内に、
(明日は十六夜・・)
と誰かが囁く感じがして、己の内のどこかに潜む十六夜丸の事をふっと思い出した。
「十六夜丸・・・・。」
武尊が思わずその名を口にすると今まで記憶の奥で眠っていた幕末の記憶が一つ浮かび上がってきた。
そういえば武尊は明治になって長らく一人になった事がなかった。
いつも何かに悩み、また何かに一生懸命で、こんなに何もせずにある意味時間をもて遊んでいる日はなかった。
(忙しかったから思い出している暇がなかったのかもしれない。)
そう思いながらも武尊は忘れてしまっていた夢の記憶が断片を追った。
「お腹すいた・・・。」
なんとなく頭はぼーっとするし調子が悪いと思いつつも御飯の用意は自分でしなくてはいけない現実がうすうすわかっており、ぼーっとしたまま台所へ行ってご飯を炊いた。
日が落ちる前に作ってしまわねばとパタパタを破れ団扇でかまどの火をあおいだ。
パチパチと薪がはぜる音、お湯がくつくつと湧く音、周りが静かな分だけそんな微かな音がよく聞こえた。
「インスタントカレーでもないかな・・・。」
そんなものがこの時代にあるはずもない、そう分かっているけど呟かずにはいられない。
炊きたてごはんを御椀に山盛りに盛って、日の当たる縁側に腰掛け武尊は御飯を口にした。
「ハッ、フッ、湯気がすごいや。やっぱ炊きたては美味しいよね。」
とハフハフ言いながら武尊は感謝して食べた。
御飯だけという簡単すぎる食事を終え、しかしながら満足した武尊は縁側で足をぶらぶらさせて夕日を眺めた。
「一・・今頃どこまで行ったのかな・・。あれからもう一日経っちゃったよ。」
秋の夜はつるべ落とし。
あっという間も日は落ち、月が昇った。
武尊はその間、ずっと縁側でぼーっとしていた。
そしてふと明るい月の方を見て驚いた。
庭先に昇った大きな満月。
「スーパームーンだ!」
と、武尊は目を丸くして驚いた。
約130年後の汚れた東京の空とは違う、澄んだ秋の夜空にある意味恐ろしいほどくっきりと巨大な月の姿。
影までくっきりとうつすその光源に武尊はぶるると一度身震いすると、怖くなって月明かりの直接射さない畳の間まで逃げ出したくなった。
けれども何故かもう一度だけ振り返って満月を見ると脳内に、
(明日は十六夜・・)
と誰かが囁く感じがして、己の内のどこかに潜む十六夜丸の事をふっと思い出した。
「十六夜丸・・・・。」
武尊が思わずその名を口にすると今まで記憶の奥で眠っていた幕末の記憶が一つ浮かび上がってきた。
そういえば武尊は明治になって長らく一人になった事がなかった。
いつも何かに悩み、また何かに一生懸命で、こんなに何もせずにある意味時間をもて遊んでいる日はなかった。
(忙しかったから思い出している暇がなかったのかもしれない。)
そう思いながらも武尊は忘れてしまっていた夢の記憶が断片を追った。