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165.満月 (剣心・薫・弥彦・夢主)
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「剣心!」
薫の声にはっとした剣心だった。
素早く視線を左右に動かすと、ここはいつもの場所・・神谷道場だった。
左之助の突然の逃亡。
若しかしたら左之助は一足先に神谷道場へ帰って来ているのではないかと思った三人だったが、神谷道場の周りには幾人かの警官がいて左之助を探しているということを考えればここには来ていないのは一目瞭然だった。
こういう状態で薫や弥彦がまた探しに出かけたとしても警官につけられるだけだと剣心達は道場にいることにした。
それにあの左之助のことだ、ほとぼりが冷めた頃を見計らって戻ってくるだろうという全員の意見が一致したこともあり、道場で薫が弥彦に稽古をつけているのを上座で座って見ていた剣心だった。
薫のかけ声のもと、弥彦が竹刀千本打ちをやっているまさにその最中に剣心の『笑うな!』という叫び声に薫も弥彦も驚いて剣心のところへ駆け寄った。
二人に覗きこまれて思わず、
「おろ?」
と言った剣心だったが
「大丈夫か剣心、いつから昼間っから寝言を言う様になったんだ?」
と弥彦に突っ込まれたが、薫は
「以前、出稽古でもこんな風に居眠りしていた事があったわよね・・また夢を見たの?」
と少し心配そうに聞いた。
「いや・・大丈夫でござる。」
「大丈夫じゃねぇだろう、剣心。そんな風に自分で抱え込んでるとまた薫が落ち込んでしまうじゃねぇか、俺達剣心組だろ、ちゃんと話せよ。」
口だけは大きいな、いや、頼もしいか・・と剣心はいつも前向きの弥彦に目を細めた。
そして薫を見ると大きな目で剣心を見つめていた。
「昔の夢でござるよ・・拙者が抜刀斎だったころの・・・・。蒼紫が先日言った言葉の所為だろう。夢の中でふと思い出したのかもしれんでござるな・・。」
「だから何なんだよ。剣心があんなに叫ぶなんて普通じゃないぜ。」
「そうよ、斎藤の時だって夢に見てから再会したんでしょ、剣心って何かそういう能力あるんじゃない?」
「つーか薫、あんな言われ方するような奴って斎藤以上にたちが悪い奴なんじゃねぇか。」
「えー!どうしよう、そんなのが家に来たらせっかく修理した道場がまた破壊されるの!?勘弁して!」
「たぶん心配ないでござろう・・・なにせ夢というのは武尊の夢でござったから。」
「え?」
「あ?」
薫と弥彦が声をそろえて驚いた。
「どういう意味だよ剣心。武尊ってこないだ来たっていう警官だろ、左之助がぶっとばしたっていう。そいつが人斬りだろうが剣心がいれば大丈夫、だろ!」
「そうでござるな。」
そう言って剣心は笑うが薫は作り笑顔の剣心を心配した。
武尊の姿を見ていない弥彦は勝手に凄い男を想像した。
「だが仮に武尊が十六夜丸としてその狂剣を振るっているのであれば師匠や蒼紫が見逃しはしないはずでござる。」
「じゃ、なんで剣心はそんなに武尊って奴を恐れてるんだよ!」
弥彦は剣心のもどかしい言い方に、ダンと竹刀で床を突いた。
「・・次に武尊が来れば分かるでござろう。だが一応薫殿も弥彦も注意だけはしておいて欲しいでござる。そして少しでも異変を感じたら拙者を呼ぶでござるよ。」
***********
結局、左之助はその日は神谷道場へ戻って来なかった。
次の日も、また次の日も戻って来なかった。
薫の声にはっとした剣心だった。
素早く視線を左右に動かすと、ここはいつもの場所・・神谷道場だった。
左之助の突然の逃亡。
若しかしたら左之助は一足先に神谷道場へ帰って来ているのではないかと思った三人だったが、神谷道場の周りには幾人かの警官がいて左之助を探しているということを考えればここには来ていないのは一目瞭然だった。
こういう状態で薫や弥彦がまた探しに出かけたとしても警官につけられるだけだと剣心達は道場にいることにした。
それにあの左之助のことだ、ほとぼりが冷めた頃を見計らって戻ってくるだろうという全員の意見が一致したこともあり、道場で薫が弥彦に稽古をつけているのを上座で座って見ていた剣心だった。
薫のかけ声のもと、弥彦が竹刀千本打ちをやっているまさにその最中に剣心の『笑うな!』という叫び声に薫も弥彦も驚いて剣心のところへ駆け寄った。
二人に覗きこまれて思わず、
「おろ?」
と言った剣心だったが
「大丈夫か剣心、いつから昼間っから寝言を言う様になったんだ?」
と弥彦に突っ込まれたが、薫は
「以前、出稽古でもこんな風に居眠りしていた事があったわよね・・また夢を見たの?」
と少し心配そうに聞いた。
「いや・・大丈夫でござる。」
「大丈夫じゃねぇだろう、剣心。そんな風に自分で抱え込んでるとまた薫が落ち込んでしまうじゃねぇか、俺達剣心組だろ、ちゃんと話せよ。」
口だけは大きいな、いや、頼もしいか・・と剣心はいつも前向きの弥彦に目を細めた。
そして薫を見ると大きな目で剣心を見つめていた。
「昔の夢でござるよ・・拙者が抜刀斎だったころの・・・・。蒼紫が先日言った言葉の所為だろう。夢の中でふと思い出したのかもしれんでござるな・・。」
「だから何なんだよ。剣心があんなに叫ぶなんて普通じゃないぜ。」
「そうよ、斎藤の時だって夢に見てから再会したんでしょ、剣心って何かそういう能力あるんじゃない?」
「つーか薫、あんな言われ方するような奴って斎藤以上にたちが悪い奴なんじゃねぇか。」
「えー!どうしよう、そんなのが家に来たらせっかく修理した道場がまた破壊されるの!?勘弁して!」
「たぶん心配ないでござろう・・・なにせ夢というのは武尊の夢でござったから。」
「え?」
「あ?」
薫と弥彦が声をそろえて驚いた。
「どういう意味だよ剣心。武尊ってこないだ来たっていう警官だろ、左之助がぶっとばしたっていう。そいつが人斬りだろうが剣心がいれば大丈夫、だろ!」
「そうでござるな。」
そう言って剣心は笑うが薫は作り笑顔の剣心を心配した。
武尊の姿を見ていない弥彦は勝手に凄い男を想像した。
「だが仮に武尊が十六夜丸としてその狂剣を振るっているのであれば師匠や蒼紫が見逃しはしないはずでござる。」
「じゃ、なんで剣心はそんなに武尊って奴を恐れてるんだよ!」
弥彦は剣心のもどかしい言い方に、ダンと竹刀で床を突いた。
「・・次に武尊が来れば分かるでござろう。だが一応薫殿も弥彦も注意だけはしておいて欲しいでござる。そして少しでも異変を感じたら拙者を呼ぶでござるよ。」
***********
結局、左之助はその日は神谷道場へ戻って来なかった。
次の日も、また次の日も戻って来なかった。