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199.夜のお茶の誘い (夢主・蒼紫・薫・剣心)
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夜風が冷たいので武尊は障子を閉めて碁に集中力していた。
するとしばらくして廊下で女の声がした。
神谷薫だった。
「武尊さん、まだ起きていますか?」
「あ、はい、何でしょう。」
こんな時間に何の用かと、腕を組んで悩んでいた武尊は意外な声の主に碁盤から顔をあげた。
そんな所にいては寒いのに、と武尊が障子を開けると薫は武尊を見て、少しモジモジとしながら
「少し遅いけどお茶でもいかがかな・・と思って・・。かすていらもあるし。」
と、遠慮がちに言った。
かすていらの言葉にぐっと引き寄せられる、と武尊は思ったがいったい突然自分になんでお茶のお誘いなのかと武尊は蒼紫を振り返った。
薫はそれを見て、
「あ、蒼紫さんはちょっと遠慮していただけませんか。」
と慌てた。
武尊が『ん?』という顔をしたら蒼紫が、
「武尊、誘われてくるといい。どうやら神谷薫は武尊に話があるようだ。」
と言った。
「え、私に?」
武尊が思わず薫に聞き返すと薫は、
「え、ええ・・。」
とちょっと曖昧な返事をした。
蒼紫は辺りを見回し、
「緋村の姿が見えないようだが緋村は承知しているのか?」
と訪ねた。
「十六夜丸のことだったら私心配してませんので。武尊さんの様子を見てましたけど私、今の武尊さんを信じます。剣心も大丈夫だろうって。」
と言った。
「別に碁をしていただけだからいいけど・・。」
だが結構碁を始めて結構時間は経っている。
話があるのならもっと早い時間でもよかったんじゃないかと思っていると蒼紫が、
「夜も更ける頃だ。行くなら早く行った方が良い。」
と言ったので武尊は、
「う、うん。じゃぁちょっといってくるね。」
と碁を中断し、薫の後についていった。
連れて行かれたのは薫の寝所、というか自室だった。
まさかお茶を女主人の部屋で飲むとは思っていなくて武尊は早速薬箱がどこかと胸が高鳴った。
「どうぞ座布団に座って。」
という薫の言葉もあまり耳に入らず武尊の目は室内を素早く物色する。
部屋は家具を置いても布団三枚は余裕で敷けるぐらいの広い部屋だった。
そして部屋にはすでにお盆に急須と湯呑、かすていらが準備されてあった。
武尊はそれには目もくれずに箪笥、鏡台、そして先程たたんだと思われる少ししわの寄った布団の向こうなど一つ一つ確認する。
すると床の間の横に、上に持ち手がついた木の小さな箪笥があるのを見つけた。
武尊が想像する薬箱とは違うものだったが持ち運びができるようになって小さな引き出しが沢山あるそれなら薬箱として使用出来そうだと目を光らせた。
武尊がそんな目で部屋を見ているとは露ほど思わず薫は、
「こんなところでお茶?と思うかもしれないけれど、私どうしても寝れなくて・・。」
と、言いながら急須から湯気が立ち上る熱々のお茶を湯呑みにいれて武尊に渡した。
「ありがとう・・。」
碁の休憩として一息いれるのもいいなとお茶をすすろうとしていた武尊だったが湯呑が熱すぎるため羽織っていたコートの袖で湯呑を持つとジンワリと温かかった。
薫は自分用にもお茶を注ぎ一口すすってうつむいた。
「あのぅ、あまり面識がない武尊さんにこんなことお伺いするのって迷惑かもしれないけど・・誰にも聞けないからこんなこと・・。」
と、武尊の目を見ないで薫は言った。
「誰にも聞けないって言いながら私に聞きたい事って?」
武尊は思わず直球で聞き返した。
蒼紫はあの緋村が何故に今回はすんなり武尊と神谷薫を二人っきりにすることを了承したのか気になっていた。
が、先程の神谷薫の態度から何を武尊に聞かんとしているか蒼紫には想像がついた。
とりあえず緋村の様子を・・と蒼紫が薫の部屋の方へ廊下を歩いていると、薫の部屋の障子の向こうに剣心がおり、蒼紫の姿を見つけるとし~~っと口に指を当て合図をした。
そんな事をしなくても蒼紫は足音を立てずに歩くのだが蒼紫は思わず立ち止まった。
緋村も本当は神谷薫と武尊を二人きりにするのが心配なんじゃないのか、と蒼紫はため息をつくと自分もその場に留まる事にした。
そして男二人、廊下で息をひそめ薫の部屋に聞き耳を立てていた。
「あの・・赤ん坊を作る時ってどうすればいいのかと思って・・。」
薫は武尊の問いに少し戸惑った後、何かを言おうとしていたが声が出ず、ようやく武尊に聞こえた内容がこんな質問だったため、武尊は薬の事など頭からぶっ飛び湯呑も落としそうになった。
「べべべべべつに全くしらないってわけじゃないわ、ただ・・その・・どうしたらいいのか具体的に・・知っておいた方がいいことってあるんじゃないかと思って・・そこの所を武尊さんに少し教えてもらおうかなっと思って・・。」
薫は顔を真っ赤にしてバツが悪そうに言った。
しかしそんな事を聞かれてバツが悪いのは武尊も同じだった。
(何でそんな事を私に聞く!)
武尊は目を丸くしたまま、何と言うべきか困って固まっていた。
なにせ自分の初体験だってたかが二年ほど前なのだ。
経験といっても、こないだその初体験相手としこたまやったおかげでSE×なるものが何なのか分かってきた程度なのだ。
突然そんなことを聞かれてもそんな事を指南できるほど武尊は熟達しているとはとてもいえないと思った。
武尊が戸惑って沈黙している間、薫はじっと武尊の顔を凝視してその言葉を待っていた。
武尊はたまらずに、
「何も・・薫さんだったら他に女のお友達がいるでしょう・・私なんかに聞かなくても。」
と言うと薫は肩を落とし、
「私は母を子供の頃に亡くし、父も西南の役で戦死して・・で、うちはこんなでしょ?周りは男ばかりで他に誰にも聞く人がいないの。(妙さんは結婚どころかいい人も全然いないし、恵さんがいたとしてもきっと怒られるだろうし、他に知ってる女の人って町内の農家のお婆ばかりだし・・)。」
と言い、今度は目を潤ませて泣きそうな顔になっていた。
武尊も両親がいないこの一人娘が少し気の毒になり、
「あのね・・薫さん、相手は緋村さんでしょ。」
と聞くと薫は、
「え、え!どうしてそれを!」
と、そんな事武尊には話していないのにと慌てた。
「見れば分かるよ・・薫さんが緋村さんの事を好きな事くらい。(もちろん最初の情報ははじめから聞いた事だけど。)それに今日二人が帰る様子を見れば緋村さんもその気なんでしょ?」
廊下で薫と武尊の会話に聞き耳をたてていた蒼紫と剣心。
今の薫の言葉に蒼紫の視線は剣心に注がれていた。
剣心は目尻を下げて、
『いやー、これはまいったでござるな。』
と言わんばかりの顔を蒼紫に向けた。
薫はやだわとばかりに手を口に当てながらも嬉しさが顔から溢れていた。
「わかるんですか!」
「いやぁ・・好きでもない女の人にあんなことしないと思うけど・・。」
そりゃこの時代にあそこまでくっついていればかなりのものではないのかと武尊は剣心の意外な大胆さに内心驚いていた。
(この時代の男の人ってやっぱり男なんだなぁ・・見かけは優男(やさ男)なのにね。)
と武尊は剣心のへらへら顔を思いだし、同じへらへら顔でも現代の草食系とは大違いだと変に感心した。
そこへ薫が、
「だから武尊さん、お願い、初めての夜ってどうすれば上手くいくか教えて!」
と、ひとこぶし分武尊ににじり寄った。
武尊が何と言うのか蒼紫は真剣な顔つきで更に聞き耳を立てた。
秋の夜の沈黙。
ただの数秒が武尊には一分以上に思えた。
そして武尊が何か言おうとまさに言葉を発しようとした時、
「待って!」
と薫が突然叫び、バッと障子を開き左右を見回した。
今までリリリリ・・と鳴いていた虫もパタと鳴き止みシン・・とした庭。
「・・どうやら誰もいないようね。」
薫はそう呟くと唖然と驚いている武尊に向かって照れ笑いをした。
「ごめんなさい、つい、癖で・・。今まで何かと左之助や弥彦に聞き耳立てられたからつい・・。」
と言いながら武尊の前に更に距離を詰めて座り直した。
するとしばらくして廊下で女の声がした。
神谷薫だった。
「武尊さん、まだ起きていますか?」
「あ、はい、何でしょう。」
こんな時間に何の用かと、腕を組んで悩んでいた武尊は意外な声の主に碁盤から顔をあげた。
そんな所にいては寒いのに、と武尊が障子を開けると薫は武尊を見て、少しモジモジとしながら
「少し遅いけどお茶でもいかがかな・・と思って・・。かすていらもあるし。」
と、遠慮がちに言った。
かすていらの言葉にぐっと引き寄せられる、と武尊は思ったがいったい突然自分になんでお茶のお誘いなのかと武尊は蒼紫を振り返った。
薫はそれを見て、
「あ、蒼紫さんはちょっと遠慮していただけませんか。」
と慌てた。
武尊が『ん?』という顔をしたら蒼紫が、
「武尊、誘われてくるといい。どうやら神谷薫は武尊に話があるようだ。」
と言った。
「え、私に?」
武尊が思わず薫に聞き返すと薫は、
「え、ええ・・。」
とちょっと曖昧な返事をした。
蒼紫は辺りを見回し、
「緋村の姿が見えないようだが緋村は承知しているのか?」
と訪ねた。
「十六夜丸のことだったら私心配してませんので。武尊さんの様子を見てましたけど私、今の武尊さんを信じます。剣心も大丈夫だろうって。」
と言った。
「別に碁をしていただけだからいいけど・・。」
だが結構碁を始めて結構時間は経っている。
話があるのならもっと早い時間でもよかったんじゃないかと思っていると蒼紫が、
「夜も更ける頃だ。行くなら早く行った方が良い。」
と言ったので武尊は、
「う、うん。じゃぁちょっといってくるね。」
と碁を中断し、薫の後についていった。
連れて行かれたのは薫の寝所、というか自室だった。
まさかお茶を女主人の部屋で飲むとは思っていなくて武尊は早速薬箱がどこかと胸が高鳴った。
「どうぞ座布団に座って。」
という薫の言葉もあまり耳に入らず武尊の目は室内を素早く物色する。
部屋は家具を置いても布団三枚は余裕で敷けるぐらいの広い部屋だった。
そして部屋にはすでにお盆に急須と湯呑、かすていらが準備されてあった。
武尊はそれには目もくれずに箪笥、鏡台、そして先程たたんだと思われる少ししわの寄った布団の向こうなど一つ一つ確認する。
すると床の間の横に、上に持ち手がついた木の小さな箪笥があるのを見つけた。
武尊が想像する薬箱とは違うものだったが持ち運びができるようになって小さな引き出しが沢山あるそれなら薬箱として使用出来そうだと目を光らせた。
武尊がそんな目で部屋を見ているとは露ほど思わず薫は、
「こんなところでお茶?と思うかもしれないけれど、私どうしても寝れなくて・・。」
と、言いながら急須から湯気が立ち上る熱々のお茶を湯呑みにいれて武尊に渡した。
「ありがとう・・。」
碁の休憩として一息いれるのもいいなとお茶をすすろうとしていた武尊だったが湯呑が熱すぎるため羽織っていたコートの袖で湯呑を持つとジンワリと温かかった。
薫は自分用にもお茶を注ぎ一口すすってうつむいた。
「あのぅ、あまり面識がない武尊さんにこんなことお伺いするのって迷惑かもしれないけど・・誰にも聞けないからこんなこと・・。」
と、武尊の目を見ないで薫は言った。
「誰にも聞けないって言いながら私に聞きたい事って?」
武尊は思わず直球で聞き返した。
蒼紫はあの緋村が何故に今回はすんなり武尊と神谷薫を二人っきりにすることを了承したのか気になっていた。
が、先程の神谷薫の態度から何を武尊に聞かんとしているか蒼紫には想像がついた。
とりあえず緋村の様子を・・と蒼紫が薫の部屋の方へ廊下を歩いていると、薫の部屋の障子の向こうに剣心がおり、蒼紫の姿を見つけるとし~~っと口に指を当て合図をした。
そんな事をしなくても蒼紫は足音を立てずに歩くのだが蒼紫は思わず立ち止まった。
緋村も本当は神谷薫と武尊を二人きりにするのが心配なんじゃないのか、と蒼紫はため息をつくと自分もその場に留まる事にした。
そして男二人、廊下で息をひそめ薫の部屋に聞き耳を立てていた。
「あの・・赤ん坊を作る時ってどうすればいいのかと思って・・。」
薫は武尊の問いに少し戸惑った後、何かを言おうとしていたが声が出ず、ようやく武尊に聞こえた内容がこんな質問だったため、武尊は薬の事など頭からぶっ飛び湯呑も落としそうになった。
「べべべべべつに全くしらないってわけじゃないわ、ただ・・その・・どうしたらいいのか具体的に・・知っておいた方がいいことってあるんじゃないかと思って・・そこの所を武尊さんに少し教えてもらおうかなっと思って・・。」
薫は顔を真っ赤にしてバツが悪そうに言った。
しかしそんな事を聞かれてバツが悪いのは武尊も同じだった。
(何でそんな事を私に聞く!)
武尊は目を丸くしたまま、何と言うべきか困って固まっていた。
なにせ自分の初体験だってたかが二年ほど前なのだ。
経験といっても、こないだその初体験相手としこたまやったおかげでSE×なるものが何なのか分かってきた程度なのだ。
突然そんなことを聞かれてもそんな事を指南できるほど武尊は熟達しているとはとてもいえないと思った。
武尊が戸惑って沈黙している間、薫はじっと武尊の顔を凝視してその言葉を待っていた。
武尊はたまらずに、
「何も・・薫さんだったら他に女のお友達がいるでしょう・・私なんかに聞かなくても。」
と言うと薫は肩を落とし、
「私は母を子供の頃に亡くし、父も西南の役で戦死して・・で、うちはこんなでしょ?周りは男ばかりで他に誰にも聞く人がいないの。(妙さんは結婚どころかいい人も全然いないし、恵さんがいたとしてもきっと怒られるだろうし、他に知ってる女の人って町内の農家のお婆ばかりだし・・)。」
と言い、今度は目を潤ませて泣きそうな顔になっていた。
武尊も両親がいないこの一人娘が少し気の毒になり、
「あのね・・薫さん、相手は緋村さんでしょ。」
と聞くと薫は、
「え、え!どうしてそれを!」
と、そんな事武尊には話していないのにと慌てた。
「見れば分かるよ・・薫さんが緋村さんの事を好きな事くらい。(もちろん最初の情報ははじめから聞いた事だけど。)それに今日二人が帰る様子を見れば緋村さんもその気なんでしょ?」
廊下で薫と武尊の会話に聞き耳をたてていた蒼紫と剣心。
今の薫の言葉に蒼紫の視線は剣心に注がれていた。
剣心は目尻を下げて、
『いやー、これはまいったでござるな。』
と言わんばかりの顔を蒼紫に向けた。
薫はやだわとばかりに手を口に当てながらも嬉しさが顔から溢れていた。
「わかるんですか!」
「いやぁ・・好きでもない女の人にあんなことしないと思うけど・・。」
そりゃこの時代にあそこまでくっついていればかなりのものではないのかと武尊は剣心の意外な大胆さに内心驚いていた。
(この時代の男の人ってやっぱり男なんだなぁ・・見かけは優男(やさ男)なのにね。)
と武尊は剣心のへらへら顔を思いだし、同じへらへら顔でも現代の草食系とは大違いだと変に感心した。
そこへ薫が、
「だから武尊さん、お願い、初めての夜ってどうすれば上手くいくか教えて!」
と、ひとこぶし分武尊ににじり寄った。
武尊が何と言うのか蒼紫は真剣な顔つきで更に聞き耳を立てた。
秋の夜の沈黙。
ただの数秒が武尊には一分以上に思えた。
そして武尊が何か言おうとまさに言葉を発しようとした時、
「待って!」
と薫が突然叫び、バッと障子を開き左右を見回した。
今までリリリリ・・と鳴いていた虫もパタと鳴き止みシン・・とした庭。
「・・どうやら誰もいないようね。」
薫はそう呟くと唖然と驚いている武尊に向かって照れ笑いをした。
「ごめんなさい、つい、癖で・・。今まで何かと左之助や弥彦に聞き耳立てられたからつい・・。」
と言いながら武尊の前に更に距離を詰めて座り直した。