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198.黄金色(こがねいろ)の約束 (タエ・サエ・弥彦・剣心・薫・夢主・蒼紫)
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薫を気づかい歩みをゆっくり歩く剣心。
神谷道場近くの一本道を歩くころには日は西に傾いていた。
赤く染まりかけた空に薄青色の雲。
時折吹く冷たい風のせいか薫の酔いもいつの間にか冷めていた。
よろついていた足取りがすっかりもとに戻っても薫は剣心に俯きながら黙って寄り添って歩いていた。
剣心もそれが分かっていながら黙って家路に向かう。
「ねぇ・・剣心・・。」
やっと薫は赤べこからずっと引きずって来た胸の内を剣心に吐露することにした。
サエの言った『女も言いたいことを言わないと伝わらない』という言葉が赤べこからずっと頭の中で繰り返していたからだ。
縁との闘いが終わって、それから二人で京都へ巴の墓参りへ行って、ずっと剣心と二人でいたはずなのに薫の心の片隅の引っかかっている不安がずっとある。
自分の存在が剣心にとって生きる希望になってくれたならそれ以上の喜びはないと思っている。
だが、いつかまた、そう・・ある日剣心がまた自分の元からいなくなるかもという不安が薫の胸の内から離れない。
『人斬りの拙者なんかではなく、薫殿は薫殿の幸せな道をいくでござるよ。』
剣心が笑って道場を去っていく夢を見たのも一度や二度ではない。
京都からも一緒に戻って来た、巴さんとの絆よりも自分を選んでくれた。
(けれども・・・怖いの。・・聞きたいの、剣心の言葉を・・。)
ねぇ・・剣心・・
薫はそう呼びかけて心を決めた。
「どこへも行かないで・・ずっと私の傍にいて。」
やっとの思いで絞り出すように薫は言って剣心の袖を強く握りしめた。
「薫殿・・。」
剣心はそういうと立ち止まり薫を優しく見つめた。
「薫殿がそう言うなら・・拙者はどこにも行かぬでござるよ。」
そして自分の人生を振り返るようにいったん遠くへ視線をやった後再び薫を見つめ、
「拙者の我が儘が許されるなら・・残りの人生を薫殿と共に・・。」
剣心はそう言って薫の手を強く握りしめた。
「剣心・・。」
剣心を見上げた薫の目から嬉し涙が伝う。
やっと聞けた、ずっと待ち望んでいた幸せの言葉。
薫も剣心の手に自分の手を重ねたその上に自分の涙が零れ落ちた。
「薫殿・・。」
「ごめん剣心、嬉しくて涙が・・。」
感極まりなく言葉も詰まってしまう薫を剣心は一歩近づき両手を回して抱きしめた。
そのとき剣心は背後を一瞬見た。
神谷道場近くの一本道を歩くころには日は西に傾いていた。
赤く染まりかけた空に薄青色の雲。
時折吹く冷たい風のせいか薫の酔いもいつの間にか冷めていた。
よろついていた足取りがすっかりもとに戻っても薫は剣心に俯きながら黙って寄り添って歩いていた。
剣心もそれが分かっていながら黙って家路に向かう。
「ねぇ・・剣心・・。」
やっと薫は赤べこからずっと引きずって来た胸の内を剣心に吐露することにした。
サエの言った『女も言いたいことを言わないと伝わらない』という言葉が赤べこからずっと頭の中で繰り返していたからだ。
縁との闘いが終わって、それから二人で京都へ巴の墓参りへ行って、ずっと剣心と二人でいたはずなのに薫の心の片隅の引っかかっている不安がずっとある。
自分の存在が剣心にとって生きる希望になってくれたならそれ以上の喜びはないと思っている。
だが、いつかまた、そう・・ある日剣心がまた自分の元からいなくなるかもという不安が薫の胸の内から離れない。
『人斬りの拙者なんかではなく、薫殿は薫殿の幸せな道をいくでござるよ。』
剣心が笑って道場を去っていく夢を見たのも一度や二度ではない。
京都からも一緒に戻って来た、巴さんとの絆よりも自分を選んでくれた。
(けれども・・・怖いの。・・聞きたいの、剣心の言葉を・・。)
ねぇ・・剣心・・
薫はそう呼びかけて心を決めた。
「どこへも行かないで・・ずっと私の傍にいて。」
やっとの思いで絞り出すように薫は言って剣心の袖を強く握りしめた。
「薫殿・・。」
剣心はそういうと立ち止まり薫を優しく見つめた。
「薫殿がそう言うなら・・拙者はどこにも行かぬでござるよ。」
そして自分の人生を振り返るようにいったん遠くへ視線をやった後再び薫を見つめ、
「拙者の我が儘が許されるなら・・残りの人生を薫殿と共に・・。」
剣心はそう言って薫の手を強く握りしめた。
「剣心・・。」
剣心を見上げた薫の目から嬉し涙が伝う。
やっと聞けた、ずっと待ち望んでいた幸せの言葉。
薫も剣心の手に自分の手を重ねたその上に自分の涙が零れ落ちた。
「薫殿・・。」
「ごめん剣心、嬉しくて涙が・・。」
感極まりなく言葉も詰まってしまう薫を剣心は一歩近づき両手を回して抱きしめた。
そのとき剣心は背後を一瞬見た。