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197.巫(かんなぎ) (剣心・薫・夢主・蒼紫)
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ビクっと動いた自分の手にハッと目を覚ました武尊はコートが自分にかけてあることに気がついた。
自分は寝てしまっていたのだと思いながら目の前にあったのは蒼紫の背中。
武尊が目覚めた事を気配で知り蒼紫が振り返った。
「起きたのか。」
「うん・・コートありがとう。私どれくらい寝てたの?」
「半時ぐらいか、頭はどうだ。」
「痛いけど仕方がないね、これは。」
あははと笑いながら武尊は起き上がってまた壁にもたれて座った。
コートから出た肩がひんやりした。
季節はもう十一月。
会津から戻った東京はもうすっかり秋だった。
そして今日も秋晴れ。
日に当らない部屋の中は肌寒かった。
「さて・・これからどうしようかな。」
薬ゲット作戦が失敗した今、次の手はどうしようかと考えた武尊はついポロっと言葉をもらした。
「近場を散策でもするか。」
この後の時間をどう過ごすのかを武尊は言ったのだと思った蒼紫はそう答えた。
「え?」
武尊は急に何を言い出すのだろうと武尊は思った。
「嫌か。」
と間髪入れずに聞かれた武尊だったが特に予定もなかったので、
「少しだったら別にいいけど・・。」
と言ってしまった武尊だった。
(いいや、薬の事はまた後で考えるとしよう。まだ海軍指定の日まで時間はあるし、薬箱は神谷薫が持っている事には間違いなさそうだから。)
武尊はそう割り切って蒼紫の提案につき合うことにした。
それに一日中この道場の一部屋にいるのは息苦しかったからだ。
そんな時・・
「蒼紫、良ければ拙者らと共に赤べこへ行かないか。」
剣心が庭から声をかけながら現れた。
剣心は武尊の姿を見ると武尊にも、
「武尊もどうでござるか。」
と言った。
蒼紫は斜め後ろに振り返りながら『どうする武尊』と言った視線で武尊を見つめた。
「何の為に?」
武尊は庭に立つ剣心に自分でも冷たい声だと思いながらも剣心にそう尋ねた。
「別に・・ただ皆で楽しく牛鍋を食べるだけでござる。固くならないで良いでござるよ。」
剣心はまた少し困った笑いをして武尊を見た。
「・・昨日までずっと私に殺気を向けていながら今日になったら笑って一緒にご飯を食べましょう・・ですか?いいえ、結構です。」
いったいこの人は何なんだと、武尊は剣心に対してだんだん腹が立ってきた。
自分に対して手の平を返したような真逆な対応をしている理由は全く分からないが何て都合のいいことばかり言う男だと武尊は憤りを感じていた。
武尊の態度に剣心は少しうつむいて、、
「・・拙者の態度に怒っているのでござるか武尊。」
と言った。
「ええ。」
武尊の返事に剣心は今度は蒼紫の方を見て、
「蒼紫は赤べこどうでござるか。」
と聞いた。
「俺は武尊が行かぬのなら俺も行かぬ。」
と蒼紫は言った。
「わかったでござる・・薫殿と拙者はこれから赤べこへ出かけてくるでござる。夕餉の時間までには戻ると思うでござるが若しかしたら遅くなるかも知れないでござる。」
剣心はそう言って薫の所へ戻ろうとしたその足を止めて今一度武尊を振り返った。
「武尊・・昨日まで拙者が武尊に対して警戒していたのは武尊が男だと思っていたからでござる。拙者は一度闘った者は決して忘れない。武尊は自分自身を十六夜丸だったと言うが・・十六夜丸は間違いなく男でござる。
・・だから武尊は十六夜丸ではない、が故に拙者は改めて武尊を兄弟弟子として接したいのだが・・。」
武尊は黙って剣心を見ていたが、
「無理です、今更・・それに私は飛天御剣流なんて知りませんのであなたとは兄弟弟子でも何でもありません。こちらに構わず行って下さい。」
と言って立ち上がり部屋の障子を閉めたのであった。
自分は寝てしまっていたのだと思いながら目の前にあったのは蒼紫の背中。
武尊が目覚めた事を気配で知り蒼紫が振り返った。
「起きたのか。」
「うん・・コートありがとう。私どれくらい寝てたの?」
「半時ぐらいか、頭はどうだ。」
「痛いけど仕方がないね、これは。」
あははと笑いながら武尊は起き上がってまた壁にもたれて座った。
コートから出た肩がひんやりした。
季節はもう十一月。
会津から戻った東京はもうすっかり秋だった。
そして今日も秋晴れ。
日に当らない部屋の中は肌寒かった。
「さて・・これからどうしようかな。」
薬ゲット作戦が失敗した今、次の手はどうしようかと考えた武尊はついポロっと言葉をもらした。
「近場を散策でもするか。」
この後の時間をどう過ごすのかを武尊は言ったのだと思った蒼紫はそう答えた。
「え?」
武尊は急に何を言い出すのだろうと武尊は思った。
「嫌か。」
と間髪入れずに聞かれた武尊だったが特に予定もなかったので、
「少しだったら別にいいけど・・。」
と言ってしまった武尊だった。
(いいや、薬の事はまた後で考えるとしよう。まだ海軍指定の日まで時間はあるし、薬箱は神谷薫が持っている事には間違いなさそうだから。)
武尊はそう割り切って蒼紫の提案につき合うことにした。
それに一日中この道場の一部屋にいるのは息苦しかったからだ。
そんな時・・
「蒼紫、良ければ拙者らと共に赤べこへ行かないか。」
剣心が庭から声をかけながら現れた。
剣心は武尊の姿を見ると武尊にも、
「武尊もどうでござるか。」
と言った。
蒼紫は斜め後ろに振り返りながら『どうする武尊』と言った視線で武尊を見つめた。
「何の為に?」
武尊は庭に立つ剣心に自分でも冷たい声だと思いながらも剣心にそう尋ねた。
「別に・・ただ皆で楽しく牛鍋を食べるだけでござる。固くならないで良いでござるよ。」
剣心はまた少し困った笑いをして武尊を見た。
「・・昨日までずっと私に殺気を向けていながら今日になったら笑って一緒にご飯を食べましょう・・ですか?いいえ、結構です。」
いったいこの人は何なんだと、武尊は剣心に対してだんだん腹が立ってきた。
自分に対して手の平を返したような真逆な対応をしている理由は全く分からないが何て都合のいいことばかり言う男だと武尊は憤りを感じていた。
武尊の態度に剣心は少しうつむいて、、
「・・拙者の態度に怒っているのでござるか武尊。」
と言った。
「ええ。」
武尊の返事に剣心は今度は蒼紫の方を見て、
「蒼紫は赤べこどうでござるか。」
と聞いた。
「俺は武尊が行かぬのなら俺も行かぬ。」
と蒼紫は言った。
「わかったでござる・・薫殿と拙者はこれから赤べこへ出かけてくるでござる。夕餉の時間までには戻ると思うでござるが若しかしたら遅くなるかも知れないでござる。」
剣心はそう言って薫の所へ戻ろうとしたその足を止めて今一度武尊を振り返った。
「武尊・・昨日まで拙者が武尊に対して警戒していたのは武尊が男だと思っていたからでござる。拙者は一度闘った者は決して忘れない。武尊は自分自身を十六夜丸だったと言うが・・十六夜丸は間違いなく男でござる。
・・だから武尊は十六夜丸ではない、が故に拙者は改めて武尊を兄弟弟子として接したいのだが・・。」
武尊は黙って剣心を見ていたが、
「無理です、今更・・それに私は飛天御剣流なんて知りませんのであなたとは兄弟弟子でも何でもありません。こちらに構わず行って下さい。」
と言って立ち上がり部屋の障子を閉めたのであった。