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196.当りとはずれ (夢主・蒼紫・弥彦・薫・剣心)

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「あいつ思ったより大した事ないな。」



弥彦は武尊の姿が見えなくなってから剣心と薫に得意げにそう言った。

最初は武尊に全部かわされていたが最後にビシッと打ち込めた事が嬉しかったようだ。

葵屋での十本刀との戦闘に加えて先日の縁一派で相手一人を任された事実。

それらの事で弥彦は自分は確実に強くなっていると最近自分でもそう実感できるようになっていたのだ。

そしてまた今回も自分の強さは気のせいじゃなかったと、先程武尊に打った渾身の一撃を思い出して自己満足に浸っていのだった。



「弥彦、本当にそう思ってるの?」


と薫が戒めるように言った。


「んだと?」


さっきのどこが悪かったんだよと師範代に指摘され弥彦はむっとした。

すると剣心が、



「そうでござるよ弥彦、さっきのは武尊が自ら当たりにいったのござるよ。弥彦は一撃を入れようとそのことばかりに気が集中して相手の事がまるで見えてなかったでござる。」


「そ・・そうなのかよ・・。」


そんな事まったくわからなかったと薫に言われたのならともかく剣心にまで言われ弥彦はちょっとショックだった。

相手は幕末剣心と互角に闘ったという十六夜丸、仕留めたと思ったが実はそれが自分の実力じゃなかった事に弥彦の口はとんがった。

そして道理で上手くいきすぎた一本だったと弥彦は舌打ちした。



「そこまで気落ちしなくてもいいでござるよ弥彦。あの一本は今の弥彦の全てを出し切った見事な一本だったでござるよ。」



剣心はフォローも忘れない。



「だけど武尊さんも凄いわよね。私なら弥彦のあの一本を真っ向から無防備で受けるなんて考えもしないわよ。」

「拙者もでござるよ。しかしまた何で武尊はそんな事を・・。」

「そうね・・。」



剣心も薫も首を傾けた。



「薫!そんなのほっとけよ、いつもの稽古始めるぜ!」



もっと強くならなければまだまだ剣心や左之助の後ろ姿どころか影さえも見えないと弥彦は思った。



「はいはい、まったく自分の実力も分からないのにむやみに相手に絡まないのよ、いい?」


「わかってらぁ!」


「分かってないわよ、ほら行くわよ!」



パンパンパンと勢いのある竹刀の音を聞きながら剣心は穏やかに弥彦を見つめるのであった。
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