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195.影宮の野望 (永倉・斎藤・影宮)
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函館港の漁師小屋の一角に残置していた【足】は夜中のうちに警官に回収させておいたので斎藤達はそちらはさておいて港での聞き込みに専念した。
すると一人の漁師から影宮だと思われる証言がようやく得られた。
それは昨晩どこかのお偉いさんらしい人間を函館湾沖で停泊中の神戸の商船に連れていったというもの。
きっとそれが影宮の事に間違いないと永倉と斎藤は顔を見合わせた。
「どれだ、その船は!」
と永倉が聞くとその漁師は、
「その船はもういないべ。その人を送り届けた後に沖でおら達が漁をしていたらそのでっけぇ船は出港していったべ。」
と、船が行った方向を指差した。
「しまった、やられた!」
永倉はそういう手があったのかと悔しさのあまり地団駄を踏んだ。
念のため斎藤が港の大型船管理事務所に聞いてみるとその商船は本来なら今朝出港のはずだったのだという。
沖に停泊している船は時折予定時間よりも早く出港してしまう事があるらしく、今回の事も管理事務所の人間も特に問題視していなかった。
まんまと逃げられた、に違いない。
永倉も斎藤もやりきれない思いでいっぱいだった。
絶対殺れると思っていた状況だけに雑魚ほどの弱さの敵一人逃した事は考えれば考えるほどため息が出る事だった。
「副長が存命だったら切腹を言いつかわされただろうな・・きっと。」
永倉はそうぼやいて座ったまま石を投げた。
斎藤は海岸からその船が出て行ったという方向を睨みつけたまま、その場で煙草を五本も吸い終わった。
五本目の煙草を下に落とし足で踏みつけているのを座って同じ方向をずっと見ていた永倉が斎藤に、
「斎藤・・そろそろ飯行かねぇか。」
と言った。
「・・そうだな。」
斎藤もそう答えて朝市の方へ足を向けようとしたがふとその足を止め、視界に入ったあるものを振り返った。
「どうした、斎藤。」
飯を食おうと立ち上がった永倉は斎藤が振り向いた方向を見た。
そこは函館港の大型船舶専用の場所。
「あれは外国船だな。」
斎藤は永倉に聞きながら何隻か並んで停泊している船を指差した。
「それがどうかしたか?ここは結構多いぜ外国船がよ。でも俺は目の青い奴らはいつ見ても慣れねぇ。けどそれも時代ってやつなんだろうな、こういう風景も。」
外国船を見て何か言いたそうだった斎藤を永倉は飯だ飯だと言いつつその背中を押して朝市へと向かったのだった。
すると一人の漁師から影宮だと思われる証言がようやく得られた。
それは昨晩どこかのお偉いさんらしい人間を函館湾沖で停泊中の神戸の商船に連れていったというもの。
きっとそれが影宮の事に間違いないと永倉と斎藤は顔を見合わせた。
「どれだ、その船は!」
と永倉が聞くとその漁師は、
「その船はもういないべ。その人を送り届けた後に沖でおら達が漁をしていたらそのでっけぇ船は出港していったべ。」
と、船が行った方向を指差した。
「しまった、やられた!」
永倉はそういう手があったのかと悔しさのあまり地団駄を踏んだ。
念のため斎藤が港の大型船管理事務所に聞いてみるとその商船は本来なら今朝出港のはずだったのだという。
沖に停泊している船は時折予定時間よりも早く出港してしまう事があるらしく、今回の事も管理事務所の人間も特に問題視していなかった。
まんまと逃げられた、に違いない。
永倉も斎藤もやりきれない思いでいっぱいだった。
絶対殺れると思っていた状況だけに雑魚ほどの弱さの敵一人逃した事は考えれば考えるほどため息が出る事だった。
「副長が存命だったら切腹を言いつかわされただろうな・・きっと。」
永倉はそうぼやいて座ったまま石を投げた。
斎藤は海岸からその船が出て行ったという方向を睨みつけたまま、その場で煙草を五本も吸い終わった。
五本目の煙草を下に落とし足で踏みつけているのを座って同じ方向をずっと見ていた永倉が斎藤に、
「斎藤・・そろそろ飯行かねぇか。」
と言った。
「・・そうだな。」
斎藤もそう答えて朝市の方へ足を向けようとしたがふとその足を止め、視界に入ったあるものを振り返った。
「どうした、斎藤。」
飯を食おうと立ち上がった永倉は斎藤が振り向いた方向を見た。
そこは函館港の大型船舶専用の場所。
「あれは外国船だな。」
斎藤は永倉に聞きながら何隻か並んで停泊している船を指差した。
「それがどうかしたか?ここは結構多いぜ外国船がよ。でも俺は目の青い奴らはいつ見ても慣れねぇ。けどそれも時代ってやつなんだろうな、こういう風景も。」
外国船を見て何か言いたそうだった斎藤を永倉は飯だ飯だと言いつつその背中を押して朝市へと向かったのだった。