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195.影宮の野望 (永倉・斎藤・影宮)
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「おーい、斎藤!」
函館港で聞き込みをしていた斎藤のところへようやく永倉が来た。
思ったよりも遅かったと斎藤が永倉の声に振り返ったとき斎藤は驚いた。
「永倉さん、どうしたんだその血は。」
斎藤が驚くのは無理ない。
永倉の服は何か所も切り裂かれ、かなりの血が染みついていたからだ。
「あ、嗚呼・・これか。大したことない、かすり傷だよ。あの後面倒な奴が現れてな。」
と、永倉は斎藤が影宮を追った後の話をした。
「とりあえず社務所に行ってよ、寝ている奴等をたたき起こして火消すのを手伝えっていうのと誰か警察呼んで来いと言ったあと俺は火元へ向かったんだがそこに黒ずくめの奴が一人いやがった。たぶん影宮を連れた男の仲間なんだろうが手に熊手(手鉤)をつけていてよ、ちょっと手こずっちまった。刀だったらもっと早く勝負がついたんだけどよ。」
「殺ったのか。」
「ま、半殺し程度にな。だけどそいつは俺に捕まると確信した時点で毒を飲んで死にやがった。」
「・・同じだな。」
斎藤は渋い顔をして煙草の煙を吐いた。
斎藤の反応に永倉が聞き返した。
「って事はお前の方もか?影宮はどうした!?」
「俺の方も途中で毒を飲まれた。影宮の方はわからん。だからこうして港を捜索している。」
「そうだな、海へ逃げられればこっちは手も足もでないからな。で、手がかりはあったのか?」
永倉は漁に出港していく多くの船を見ながらため息をついた。
「今のところなしだ。万が一漁船に乗ったとしてもどのみちここへ戻ってくるんだ、時間稼ぎにしかならん。船が戻って来る前に署長に警官を招集させてここで張るしかないだろう。【足】の回収もあるしな。」
「【足】?なんだそりゃ。」
「影宮が言っただろう、あの時【足】と。」
「そう言えばそうだったっけな。じゃ、俺と闘ったのは【手】とでもしておくか。俺の方は駆けつけた警官にすでに引き渡してある。」
「火事の方はどうなったんだ。」
「裏手がかなり焼けたがそこで食い止めた。もう少し遅ければ全焼だったな。」
「そうか・・火をつけたのは影宮の手下の可能性もあるな。」
「たぶんそうだろうな、死人は語らねえからどうやってでも影宮を探すしかねぇな。」
火事の理由も新型阿片の手がかりも何もつかめないまま影宮に逃げられてはと永倉の鼻息は荒かった。
「嗚呼、戻って署長に警官の出動命令を出してもらわねばな。」
「分かった、じゃあ俺は途中で署長を起してくるか。」
「永倉さん、頼んだぞ。」
「あいよ、引きずってでも連れてくぜ。」
そんな話をしながら二人は函館署へ戻った。
函館港で聞き込みをしていた斎藤のところへようやく永倉が来た。
思ったよりも遅かったと斎藤が永倉の声に振り返ったとき斎藤は驚いた。
「永倉さん、どうしたんだその血は。」
斎藤が驚くのは無理ない。
永倉の服は何か所も切り裂かれ、かなりの血が染みついていたからだ。
「あ、嗚呼・・これか。大したことない、かすり傷だよ。あの後面倒な奴が現れてな。」
と、永倉は斎藤が影宮を追った後の話をした。
「とりあえず社務所に行ってよ、寝ている奴等をたたき起こして火消すのを手伝えっていうのと誰か警察呼んで来いと言ったあと俺は火元へ向かったんだがそこに黒ずくめの奴が一人いやがった。たぶん影宮を連れた男の仲間なんだろうが手に熊手(手鉤)をつけていてよ、ちょっと手こずっちまった。刀だったらもっと早く勝負がついたんだけどよ。」
「殺ったのか。」
「ま、半殺し程度にな。だけどそいつは俺に捕まると確信した時点で毒を飲んで死にやがった。」
「・・同じだな。」
斎藤は渋い顔をして煙草の煙を吐いた。
斎藤の反応に永倉が聞き返した。
「って事はお前の方もか?影宮はどうした!?」
「俺の方も途中で毒を飲まれた。影宮の方はわからん。だからこうして港を捜索している。」
「そうだな、海へ逃げられればこっちは手も足もでないからな。で、手がかりはあったのか?」
永倉は漁に出港していく多くの船を見ながらため息をついた。
「今のところなしだ。万が一漁船に乗ったとしてもどのみちここへ戻ってくるんだ、時間稼ぎにしかならん。船が戻って来る前に署長に警官を招集させてここで張るしかないだろう。【足】の回収もあるしな。」
「【足】?なんだそりゃ。」
「影宮が言っただろう、あの時【足】と。」
「そう言えばそうだったっけな。じゃ、俺と闘ったのは【手】とでもしておくか。俺の方は駆けつけた警官にすでに引き渡してある。」
「火事の方はどうなったんだ。」
「裏手がかなり焼けたがそこで食い止めた。もう少し遅ければ全焼だったな。」
「そうか・・火をつけたのは影宮の手下の可能性もあるな。」
「たぶんそうだろうな、死人は語らねえからどうやってでも影宮を探すしかねぇな。」
火事の理由も新型阿片の手がかりも何もつかめないまま影宮に逃げられてはと永倉の鼻息は荒かった。
「嗚呼、戻って署長に警官の出動命令を出してもらわねばな。」
「分かった、じゃあ俺は途中で署長を起してくるか。」
「永倉さん、頼んだぞ。」
「あいよ、引きずってでも連れてくぜ。」
そんな話をしながら二人は函館署へ戻った。