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195.影宮の野望 (永倉・斎藤・影宮)
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斎藤は影宮を追った。
だが体力には自信がある斎藤がかなり走ってもまるで追いつく気配がない。
斎藤が一瞬見た影は確かに影宮を背負っていた。
(大人一人を背負った奴にこれだけ追いつけないとは・・どこへ行った・・。)
神社の森を出るとそこはまた市街地。
ガス灯が輝く道の上に点々と新しい血のあとがついている事に斎藤は気がついた。
どうやら永倉の放った南蛮千鳥鉄が敵のどこかに当ったらしい。
血痕を追いながら斎藤はある事に気がついた。
(この方向は港か・・船で逃げる気か。)
酔っ払いは酔いつぶれて寝る時間だが漁師は今からが仕事の時間だ。
港は出港する漁船が沢山いる。
今から一人で捜索しても間に合わない。
斎藤は焦りを感じた。
あそこまで追いつめておきながら逃がしてなるものかと思う気持ちは永倉と同じだった。
やがて斎藤は港についた。
予想通り港は出港する船が忙しくしていた。
そして血痕も途中で分からなくなった。
だが斎藤の勘はこんな時ほどよく働く。
手負いの輩が入り込みそうな場所といえば・・と斎藤はある小屋の陰に目をつけた。
船場から少し離れた小屋が数棟密集している所に斎藤は進む。
すると自分とは違う煙草の臭いが漂ってきた。
斎藤はその臭いがする小屋と小屋の隙間の一つに立った。
暗い小屋陰の奥、煙草の先端が赤く光っていた。
そこに黒い服を着た大柄な男が片手に煙草を持ちしゃがみ込んでいた。
斎藤はその男を見下ろし言った。
「何処の組織の者だ、影宮をどこへやった。」
その男は黙って斎藤を見上げて口元をゆがめた。
その時斎藤は影宮が先程発した言葉を思いだしはっとして言った。
「そうか・・【足】・・なるほど、【足】か。貴様はそれほどまでに【足】に特化した能力を持つ奴というという事か。」
「・・もはや俺は【足】ではなくなった・・筋を傷つけられ全力で走ったからな。もうこの左足は使い物にならん。」
そう、【足】の左足首の腱は酷使したことで断裂しもう歩く事が出来なかったのだ。
【足】は言葉を続けた。
「・・俺は存在自体を知られてはならないただの影。その俺がその禁を破ってまでお前の前にこうやって姿を現している。何故だと思う。」
「さあな・・。」
この時すでに斎藤はこの男のもくろみに見当がついていた。
「お前を確実に呼び寄せるためだ!」
そう言って【足】は戸板の隙間に挟んで置いた爆薬の導火線に煙草の火を点けようとした。
自分もろとも斎藤を吹き飛ばす為だ。
だが斎藤がそんな動きを見逃すはずがない。
ヒュン
空気を切った音とともに【足】の右手が地面に落ちた。
「ぐおおおぉぉ。」
【足】は斬られた右手から噴き出る血を押さえ唸りながら地にうずくまった。
斎藤はそんな【足】を更に奥へと蹴り飛ばすと【足】が手を伸ばした方向の戸板を探った。
すると導線のついた筒状の物体が挟まっていた。
斎藤はその形状に見覚えがあった。
まぎれもない、張がろうそくと間違え船を一隻沈めたあれであった。
(武尊が確か『ダイナマイト』と言っていたあれか・・これが爆発したら確かに俺は御陀仏だったな。)
斎藤はダイナマイトをポケットに突っ込むと【足】に近づいた。
「阿呆が、小悪党の考える事ぐらいお見通しなんだよ。観念してとっとと吐け、影宮はどこだ。」
「・・そんな奴は知らん。」
【足】はそう言うと素早く何かを飲み込んだ。
しまったと斎藤が思った時は遅かった。
【足】は血を吐き息絶えた。
斎藤は苦々しく舌打ちすると煙草を取りだし火を点けた。
そして時間が惜しいと船が集まっている所へ聞き込みに向かった。
だが体力には自信がある斎藤がかなり走ってもまるで追いつく気配がない。
斎藤が一瞬見た影は確かに影宮を背負っていた。
(大人一人を背負った奴にこれだけ追いつけないとは・・どこへ行った・・。)
神社の森を出るとそこはまた市街地。
ガス灯が輝く道の上に点々と新しい血のあとがついている事に斎藤は気がついた。
どうやら永倉の放った南蛮千鳥鉄が敵のどこかに当ったらしい。
血痕を追いながら斎藤はある事に気がついた。
(この方向は港か・・船で逃げる気か。)
酔っ払いは酔いつぶれて寝る時間だが漁師は今からが仕事の時間だ。
港は出港する漁船が沢山いる。
今から一人で捜索しても間に合わない。
斎藤は焦りを感じた。
あそこまで追いつめておきながら逃がしてなるものかと思う気持ちは永倉と同じだった。
やがて斎藤は港についた。
予想通り港は出港する船が忙しくしていた。
そして血痕も途中で分からなくなった。
だが斎藤の勘はこんな時ほどよく働く。
手負いの輩が入り込みそうな場所といえば・・と斎藤はある小屋の陰に目をつけた。
船場から少し離れた小屋が数棟密集している所に斎藤は進む。
すると自分とは違う煙草の臭いが漂ってきた。
斎藤はその臭いがする小屋と小屋の隙間の一つに立った。
暗い小屋陰の奥、煙草の先端が赤く光っていた。
そこに黒い服を着た大柄な男が片手に煙草を持ちしゃがみ込んでいた。
斎藤はその男を見下ろし言った。
「何処の組織の者だ、影宮をどこへやった。」
その男は黙って斎藤を見上げて口元をゆがめた。
その時斎藤は影宮が先程発した言葉を思いだしはっとして言った。
「そうか・・【足】・・なるほど、【足】か。貴様はそれほどまでに【足】に特化した能力を持つ奴というという事か。」
「・・もはや俺は【足】ではなくなった・・筋を傷つけられ全力で走ったからな。もうこの左足は使い物にならん。」
そう、【足】の左足首の腱は酷使したことで断裂しもう歩く事が出来なかったのだ。
【足】は言葉を続けた。
「・・俺は存在自体を知られてはならないただの影。その俺がその禁を破ってまでお前の前にこうやって姿を現している。何故だと思う。」
「さあな・・。」
この時すでに斎藤はこの男のもくろみに見当がついていた。
「お前を確実に呼び寄せるためだ!」
そう言って【足】は戸板の隙間に挟んで置いた爆薬の導火線に煙草の火を点けようとした。
自分もろとも斎藤を吹き飛ばす為だ。
だが斎藤がそんな動きを見逃すはずがない。
ヒュン
空気を切った音とともに【足】の右手が地面に落ちた。
「ぐおおおぉぉ。」
【足】は斬られた右手から噴き出る血を押さえ唸りながら地にうずくまった。
斎藤はそんな【足】を更に奥へと蹴り飛ばすと【足】が手を伸ばした方向の戸板を探った。
すると導線のついた筒状の物体が挟まっていた。
斎藤はその形状に見覚えがあった。
まぎれもない、張がろうそくと間違え船を一隻沈めたあれであった。
(武尊が確か『ダイナマイト』と言っていたあれか・・これが爆発したら確かに俺は御陀仏だったな。)
斎藤はダイナマイトをポケットに突っ込むと【足】に近づいた。
「阿呆が、小悪党の考える事ぐらいお見通しなんだよ。観念してとっとと吐け、影宮はどこだ。」
「・・そんな奴は知らん。」
【足】はそう言うと素早く何かを飲み込んだ。
しまったと斎藤が思った時は遅かった。
【足】は血を吐き息絶えた。
斎藤は苦々しく舌打ちすると煙草を取りだし火を点けた。
そして時間が惜しいと船が集まっている所へ聞き込みに向かった。