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195.影宮の野望 (永倉・斎藤・影宮)
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斎藤と永倉が【影宮】だと目星をつけた九条道明が函館に到着したその日は内務省から来た彼等を歓迎する宴が催された。
その中には警察署長や開拓使の役人が大勢おり斎藤達の【悪・即・斬】は決行する機会がなかった。
翌日、二人は遠巻きに護衛の手伝いをしながら九条達の行動を再度確認していた。
「今晩は特に何もないようだな。」
「嗚呼・・夜間の護衛の警官も数人だ。これくらいなら隙をつくれる。多少の無理をしてでも今夜決行だな。」
斎藤と永倉は綿密に打ち合わせて夜を迎えた。
東京に新型阿片の蜘蛛の巣の改良版を出回らせるわけには絶対にいかない。
むろん殺る前に阿片の製造工場も吐かせられるなら吐かせるつもりでいる二人だが最悪それが無理でも悪の組織の頭は潰すつもりでいた。
深夜、彼等の寝所となっていた元町の開拓使の官吏の家から人影がこっそり辺りをうかがう様に出てきた。
「おい斎藤、アイツは影宮か?」
「被り物をしていてここからは区別がつかん。だがこんな夜更けにどこへ行くのか。」
「怪しいな。奴等確か新型蜘蛛の巣効果を見に行くとか言ってなかったか?」
「どちらにせよつけていくしかないな。」
斎藤はそう言って煙草を地面に落とし踏み消した。
「どこかにブツを隠していやがるのか・・だったらついでにそれも押収してやるぜ。」
永倉は両手の握りこぶしをつき合わせて影宮が闇に消えて行った方を睨んだ。
「行くぞ永倉さん。」
「おう!」
周囲に響かないように低い声で気合いを入れた永倉達はすぐさま影宮を追った。
函館の元町は開国により外国の領事館や教会が立ち、開拓使という辺境にもかかわらず異国情緒豊かな地だ。
斎藤は影宮を追いながらこの街に武尊と過ごした横浜の町を一瞬思い出し眉を寄せた。
深夜も深夜、丑三つも過ぎたこの時間は酔っ払いも寝込む時間だ。
人影はほとんどない。
影宮はガス灯の灯りを避けるようにある方向へと向かっていた。
「おい、ここは・・。」
「函館八幡宮か。」
丁度この街の真ん中に鬱蒼と茂る神社の杜。
灯りを避けるには好都合な場所だと永倉と斎藤は納得した。
署長の話によれば影宮・・いや九条道明は内務省社寺局の役人だという。
ならば開拓において霊験あらたかとの呼び名も高いこの神社に来るのはまんざら理由がないわけでもないだろうが問題は今の時間だ。
用事があるなら何もこんな時間に来なくてもいいだろうに、と永倉も斎藤も影宮を怪しんでいた。
影宮の目的地はここに間違いない。
都合の良い事に部外者の気配もない。
今こそ悪・即・斬の決行の時だと二人は息をひそめて鳥居の奥へと姿を消した。
その中には警察署長や開拓使の役人が大勢おり斎藤達の【悪・即・斬】は決行する機会がなかった。
翌日、二人は遠巻きに護衛の手伝いをしながら九条達の行動を再度確認していた。
「今晩は特に何もないようだな。」
「嗚呼・・夜間の護衛の警官も数人だ。これくらいなら隙をつくれる。多少の無理をしてでも今夜決行だな。」
斎藤と永倉は綿密に打ち合わせて夜を迎えた。
東京に新型阿片の蜘蛛の巣の改良版を出回らせるわけには絶対にいかない。
むろん殺る前に阿片の製造工場も吐かせられるなら吐かせるつもりでいる二人だが最悪それが無理でも悪の組織の頭は潰すつもりでいた。
深夜、彼等の寝所となっていた元町の開拓使の官吏の家から人影がこっそり辺りをうかがう様に出てきた。
「おい斎藤、アイツは影宮か?」
「被り物をしていてここからは区別がつかん。だがこんな夜更けにどこへ行くのか。」
「怪しいな。奴等確か新型蜘蛛の巣効果を見に行くとか言ってなかったか?」
「どちらにせよつけていくしかないな。」
斎藤はそう言って煙草を地面に落とし踏み消した。
「どこかにブツを隠していやがるのか・・だったらついでにそれも押収してやるぜ。」
永倉は両手の握りこぶしをつき合わせて影宮が闇に消えて行った方を睨んだ。
「行くぞ永倉さん。」
「おう!」
周囲に響かないように低い声で気合いを入れた永倉達はすぐさま影宮を追った。
函館の元町は開国により外国の領事館や教会が立ち、開拓使という辺境にもかかわらず異国情緒豊かな地だ。
斎藤は影宮を追いながらこの街に武尊と過ごした横浜の町を一瞬思い出し眉を寄せた。
深夜も深夜、丑三つも過ぎたこの時間は酔っ払いも寝込む時間だ。
人影はほとんどない。
影宮はガス灯の灯りを避けるようにある方向へと向かっていた。
「おい、ここは・・。」
「函館八幡宮か。」
丁度この街の真ん中に鬱蒼と茂る神社の杜。
灯りを避けるには好都合な場所だと永倉と斎藤は納得した。
署長の話によれば影宮・・いや九条道明は内務省社寺局の役人だという。
ならば開拓において霊験あらたかとの呼び名も高いこの神社に来るのはまんざら理由がないわけでもないだろうが問題は今の時間だ。
用事があるなら何もこんな時間に来なくてもいいだろうに、と永倉も斎藤も影宮を怪しんでいた。
影宮の目的地はここに間違いない。
都合の良い事に部外者の気配もない。
今こそ悪・即・斬の決行の時だと二人は息をひそめて鳥居の奥へと姿を消した。