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192.弥彦ショック! (蒼紫・夢主・剣心・薫・弥彦)
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(やはり緋村は武尊に何も言わないのか・・。)
確かに詫びを強制しに来たとは言わなかったがな、と思いつつ蒼紫は武尊の方を見た。
武尊も蒼紫の方を見て、
「汗を拭いてきたいんだけど・・緋村さんや薫さんが来ないように見ててもらっていい?」
と言った。
蒼紫は武尊に合わせて歩いているというのもあり汗一つかかないでここまで来たが武尊は蒼紫に急がないでいいと言われつつも迷惑をかけまいと一生懸命歩くので結構汗だくなのだ。
武尊は昨晩の宿は東京に近いせいもあり満員御礼で、大部屋の中汗を拭くことが出来ず今日は出来ればお風呂に入りたいと思っていたのだった。
お風呂がだめならせめて汗を拭きたい、そんな武尊の要望に蒼紫は答えて剣心達がいる部屋の近くの廊下で座禅を組んだ。
それはもちろん言わずもがな、武尊の裸を剣心や薫に見られるのを防ぐためだ。
上弦の月が南中を越え、月明かりの下武尊は井戸の鶴瓶を落とした。
夜風はもう冷たくなっていた。
寒いよりも汗を拭きたい気持ちが勝った武尊は素早く上着を脱ぎだした。
その頃神谷道場へ向かう小さな影一つ。
「ぶえっくしょい!・・きっと薫だな、噂してやがんの。」
小さな体格に似合わず大きなくしゃみの音を一つ周りに響かせながら弥彦は歩いていた。
最近三日に一度は赤べこの方に昼から助っ人として手伝いに行っている。
それは譲り受けた左之助の長屋の家賃を払う為でもあるが将来燕と暮す資金を少しづつでいいから貯めようとしていたのだった。
剣心は弥彦にとって文句なしの憧れではあるがただ一つだけ不満な所がある。
生き方は人それぞれという言葉の意味が分からない歳ではないが男として女の面倒は男がみるという信条は譲れないと身近な主夫剣心を見てそう思うのだった。
そして今日の赤べこは夕方から相撲取りの団体が入りあっという間に店の在庫の食糧を平らげられ早期店じまいとなった。
いつもはまかないを食べさせてもらっているが今日に限って店にはその分の食材もなかった。
という訳で弥彦は夕食の残りでも、と、神谷道場でありつこうとしていたのだった。
「ま、飯ぐらい残ってるだろう。明日は朝稽古もあるし剣心の所で泊めてもらうとするか。」
そうして門をくぐるといつものように中庭の方へ向かった。
剣心達のいる母屋の勝手口は中庭から行くようになっている。
井戸のある手前の木を左に曲がるのが勝手口へと続く道である。
だがその時弥彦の耳に井戸の水をくむ音がした。
弥彦はそれが剣心か薫だと思い井戸の方へ足を向けた。
「わりぃ、ちょっと遅いけど飯残ってない・・か・・
武尊はなんとなく近づいてくる足音が蒼紫だと思い込んで油断していた。
弥彦はそう言いながら井戸が見えた時、剣心でもない薫でもない誰かが・・・上半身裸な武尊とばっちり目が合った。
「・・・。」
「・・・。」
二人は互いに言葉が出なくて固まった。
一呼吸おいたのち、ひと筋の悲鳴が沈黙を切り裂いた。
確かに詫びを強制しに来たとは言わなかったがな、と思いつつ蒼紫は武尊の方を見た。
武尊も蒼紫の方を見て、
「汗を拭いてきたいんだけど・・緋村さんや薫さんが来ないように見ててもらっていい?」
と言った。
蒼紫は武尊に合わせて歩いているというのもあり汗一つかかないでここまで来たが武尊は蒼紫に急がないでいいと言われつつも迷惑をかけまいと一生懸命歩くので結構汗だくなのだ。
武尊は昨晩の宿は東京に近いせいもあり満員御礼で、大部屋の中汗を拭くことが出来ず今日は出来ればお風呂に入りたいと思っていたのだった。
お風呂がだめならせめて汗を拭きたい、そんな武尊の要望に蒼紫は答えて剣心達がいる部屋の近くの廊下で座禅を組んだ。
それはもちろん言わずもがな、武尊の裸を剣心や薫に見られるのを防ぐためだ。
上弦の月が南中を越え、月明かりの下武尊は井戸の鶴瓶を落とした。
夜風はもう冷たくなっていた。
寒いよりも汗を拭きたい気持ちが勝った武尊は素早く上着を脱ぎだした。
その頃神谷道場へ向かう小さな影一つ。
「ぶえっくしょい!・・きっと薫だな、噂してやがんの。」
小さな体格に似合わず大きなくしゃみの音を一つ周りに響かせながら弥彦は歩いていた。
最近三日に一度は赤べこの方に昼から助っ人として手伝いに行っている。
それは譲り受けた左之助の長屋の家賃を払う為でもあるが将来燕と暮す資金を少しづつでいいから貯めようとしていたのだった。
剣心は弥彦にとって文句なしの憧れではあるがただ一つだけ不満な所がある。
生き方は人それぞれという言葉の意味が分からない歳ではないが男として女の面倒は男がみるという信条は譲れないと身近な主夫剣心を見てそう思うのだった。
そして今日の赤べこは夕方から相撲取りの団体が入りあっという間に店の在庫の食糧を平らげられ早期店じまいとなった。
いつもはまかないを食べさせてもらっているが今日に限って店にはその分の食材もなかった。
という訳で弥彦は夕食の残りでも、と、神谷道場でありつこうとしていたのだった。
「ま、飯ぐらい残ってるだろう。明日は朝稽古もあるし剣心の所で泊めてもらうとするか。」
そうして門をくぐるといつものように中庭の方へ向かった。
剣心達のいる母屋の勝手口は中庭から行くようになっている。
井戸のある手前の木を左に曲がるのが勝手口へと続く道である。
だがその時弥彦の耳に井戸の水をくむ音がした。
弥彦はそれが剣心か薫だと思い井戸の方へ足を向けた。
「わりぃ、ちょっと遅いけど飯残ってない・・か・・
武尊はなんとなく近づいてくる足音が蒼紫だと思い込んで油断していた。
弥彦はそう言いながら井戸が見えた時、剣心でもない薫でもない誰かが・・・上半身裸な武尊とばっちり目が合った。
「・・・。」
「・・・。」
二人は互いに言葉が出なくて固まった。
一呼吸おいたのち、ひと筋の悲鳴が沈黙を切り裂いた。