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191.またもや神谷道場へ (蒼紫・夢主・斎藤・永倉)
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一方函館では、灰色の空の下、函館桟橋に着いた汽船弘明丸から下船する到着予定の重要人物を開拓使函館支庁長と警察署長が出迎えていた。
「着いたか。」
「そうみたいだな。」
署長から十一月初旬に陸軍大将有栖川宮親王殿下・・の名代の九条道明の警護の支援を言いつけられた永倉と斎藤は他の警官とは少し離れた建物の陰からその男が函館の地を踏むのを見ていた。
署長から警護せよと命令されたのもあるが、二人には別の目的があった。
それは新型蜘蛛の巣の黒幕、影宮なるものが今回の来道する九条なのか永倉と斎藤は見極める為であった。
「おい・・。」
「嗚呼。」
永倉の呼びかけに斎藤は短く答え、煙草の灰をトントンと指で弾いて落とした。
二人とも動乱の京都を、そして幕末を駆け抜け生き抜いてきた人間だ。
人間の容姿を見ただけでおおよそどの様な人間なのか見定める眼力を持っている。
「当たりだな、奴が【影宮】だ。どうする斎藤。」
永倉が厳しい目で九条を見ながら言った。
「悪・即・斬・・・これで理由は十分だ。」
斎藤も永倉と同じように厳しい目で九条を睨んだ。
だがこの白昼、多勢の警護を打ち破るわけにはいかない。
そんな事をすれば同僚も多数切り捨てる事になってしまうからだ。
多少の犠牲は覚悟と思うも開拓が計画通り進まないこの地で官憲の人数を無下に減らすわけにはいかないという理由も二人には分かっている。
「これからの奴の行動はまず開拓使函館支庁での説明受け、それから歓迎会、明日は函館各地の視察だったな。明後日の札幌に出立の前までに片をつけるぞ。」
「嗚呼、居場所は分かってんだ。待つしかないな夜を。二晩のうちに蹴りをつけてやる。」
二匹の狼の眼が金色に光った。
余談雑談:
ネットで函館史を見ておりましたところ新たな発見がありました!
御存知の方がいらっしゃいましたらかなりの歴史通の方だとお見受けするぐらいのネタです。
長編で今回出迎えをしていた開拓使函館支庁の長の話ですが・・
明治10年(1877年)から明治15年(1882年)に開拓使が廃止になるまで第三代目の長を務めたのが薩摩藩士の長男として生まれた時任為基(ときとう ためもと)さんです。
ちなみに開拓使の長官は前にも川路がちらっと斎藤さんに言ってましたが黒田清隆でこの人も薩摩藩士。
次の長官も薩摩藩士(西郷従道であの西郷隆盛の弟)です。
(薩摩出身者派閥をきかせてますねぇ~。)
話しを戻しまして、現代で俳優さんの時任三郎さんって、時任為基さんの子孫なんだそうです!
いやぁ・・教科書には載っていない事とはいえ、何と言いますか・・、感慨深く思う管理人であります。
歴史は続いている・・。
2015/05/02