163.山の季節 (操・弥彦・蒼紫・かふぇおじさん・夢主・薫・剣心)
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マーティンは本当に武尊に驚いていた。
鎖国が終わってしばらく経っているとはいえ、一介の若い日本人女性がいきなり実家の生業を当てたからだ。
だが武尊の顔を見ているとそんな事よりもやはり死んだ娘に似ていると、少しでも面影のある武尊に親の思いを重ねてしまっていた。
その後武尊は更にコーヒーを二杯御馳走になって、ピアノまで聞かせてもらった。
どうやらマーティンは家業でドイツに行った時に聞いた音楽に感動して、どうしても音楽の道に進みたかったらしい。
武尊はコーヒーを飲みながらマーティンの話をいろいろ聞いてそういう事が分かった。
その音楽家の名前はベートーべン。
ベートーベンのピアノ協奏曲を何曲か聞かせてもらって武尊は夢のような気持ちになって築地を後にした。
もちろん、日曜の教会で歌うという約束はしっかりと念を押された武尊であった。