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190.友という名のもとに (蒼紫・夢主・右近)
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翌朝、何故か武尊はこの二日間ぐらいの蒼紫に対する違和感は感じず普通に蒼紫と向き合う事が出来ていた。
昨晩の妙な会話の所為かとも思ったが今朝の武尊はそれさえも別に考えようとする気がないぐらいに普通に清々しい会津の朝の空気を静かに吸って蒼紫と座禅を組んでいた。
坐禅の後は朝餉、朝餉も終わると二人は旅支度をしていた。
「今日は峠を二つ超えるが足の具合はどうだ。」
と蒼紫が武尊に聞いた。
「うん、靴ずれも捻挫も大丈夫。気にかけてくれてありがとう。」
武尊はにこっとしながら蒼紫に答えた。
蒼紫は小太刀二本を忍ばせたコートを軽々羽織りながら、
「海軍との約束の日までまだ十分日にちがある。無理に急ぐ必要はない、ゆっくり戻ればいい。」
と言った。
武尊はコートをたたみ着た時と同じようにナップサックに入れ、頭陀袋肩掛けにし、刀を入れたナップサックを背負った。
「いよいよ東京かぁ。」
長い道のり、されど蒼紫がいれば迷う事はないと武尊は安心して東京まで行けると思った。
忘れ物がないか確認した後二人は宿の玄関へ向かった。
勘定はいつの間にか蒼紫が済ませたらしい。
武尊が驚いて蒼紫に何か言おうとすると右近が見送りの為奥から出て来て、
「これは握り飯でございます。道中お気をつけて。」
と、武尊に包を持たせた。
武尊は右近を無視するわけにはいかず、、
「いろいろ・・お世話になりました。」
と頭を下げた。
右近も武尊に、
「蒼紫様を・・・どうかよろしくお願いいたします。」
と、深々と頭を下げた。
「いや・・私なんかそんな・・。(よろしくと言われても・・)」
とあたふたする武尊から右近は蒼紫の方を向いて小声で、
「蒼紫様、九条様は先程馬車でお立ちになられました。」
と報告した。
「何か変わった動きはあるか。」
と蒼紫が訪ねると、
「いえ、特にはありませんがこれから仙台を通り更に陸路で北上して函館へ向かうそうです。」
と、答えた。
「そうか。」
蒼紫がそう返事をすると、
「蒼紫様、どうか葵屋の皆・・西の翁によろしくお伝え下さいませ。」
と右近はまた一礼した。
「嗚呼、伝えよう。右近も息災でな。」
と言い武尊に、
「行くか。」
「うん。」
さようなら会津、こうして武尊の会津の旅は終わった。
武尊の次の目標は神谷道場にある恵の薬箱の中の例の薬の回収。
しかしそこに困難が一つ。
今の状況は行きと違って蒼紫がいる。
蒼紫に薬の存在を知られずに回収するのには何か手立てを考えなければと武尊は予感した。
今日も澄んだ青空の下、二人は東京へ向けて歩き出したのであった。
昨晩の妙な会話の所為かとも思ったが今朝の武尊はそれさえも別に考えようとする気がないぐらいに普通に清々しい会津の朝の空気を静かに吸って蒼紫と座禅を組んでいた。
坐禅の後は朝餉、朝餉も終わると二人は旅支度をしていた。
「今日は峠を二つ超えるが足の具合はどうだ。」
と蒼紫が武尊に聞いた。
「うん、靴ずれも捻挫も大丈夫。気にかけてくれてありがとう。」
武尊はにこっとしながら蒼紫に答えた。
蒼紫は小太刀二本を忍ばせたコートを軽々羽織りながら、
「海軍との約束の日までまだ十分日にちがある。無理に急ぐ必要はない、ゆっくり戻ればいい。」
と言った。
武尊はコートをたたみ着た時と同じようにナップサックに入れ、頭陀袋肩掛けにし、刀を入れたナップサックを背負った。
「いよいよ東京かぁ。」
長い道のり、されど蒼紫がいれば迷う事はないと武尊は安心して東京まで行けると思った。
忘れ物がないか確認した後二人は宿の玄関へ向かった。
勘定はいつの間にか蒼紫が済ませたらしい。
武尊が驚いて蒼紫に何か言おうとすると右近が見送りの為奥から出て来て、
「これは握り飯でございます。道中お気をつけて。」
と、武尊に包を持たせた。
武尊は右近を無視するわけにはいかず、、
「いろいろ・・お世話になりました。」
と頭を下げた。
右近も武尊に、
「蒼紫様を・・・どうかよろしくお願いいたします。」
と、深々と頭を下げた。
「いや・・私なんかそんな・・。(よろしくと言われても・・)」
とあたふたする武尊から右近は蒼紫の方を向いて小声で、
「蒼紫様、九条様は先程馬車でお立ちになられました。」
と報告した。
「何か変わった動きはあるか。」
と蒼紫が訪ねると、
「いえ、特にはありませんがこれから仙台を通り更に陸路で北上して函館へ向かうそうです。」
と、答えた。
「そうか。」
蒼紫がそう返事をすると、
「蒼紫様、どうか葵屋の皆・・西の翁によろしくお伝え下さいませ。」
と右近はまた一礼した。
「嗚呼、伝えよう。右近も息災でな。」
と言い武尊に、
「行くか。」
「うん。」
さようなら会津、こうして武尊の会津の旅は終わった。
武尊の次の目標は神谷道場にある恵の薬箱の中の例の薬の回収。
しかしそこに困難が一つ。
今の状況は行きと違って蒼紫がいる。
蒼紫に薬の存在を知られずに回収するのには何か手立てを考えなければと武尊は予感した。
今日も澄んだ青空の下、二人は東京へ向けて歩き出したのであった。