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189.小さな懐かしい思い出 (蒼紫・夢主)

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「蒼紫、お帰り。」



武尊がまた手帳をながめていたら蒼紫が帰って来た。



結局蒼紫は半日以上帰って来なかった。



「遅かったね。どこかいい所でもあった?」



蒼紫も会津は初めてだと言った。



それが嘘か本当か、そこの所は追及しないと武尊は思ったが蒼紫にも何かこの地に興味魅かれる物でもあったのかもしれない、そう思って武尊は聞いたのだった。



「埋蔵金をちょっとな・・見に行って来た。」



「え?」



何でまたそんな予想外の事を・・と武尊は思い目を点にしていると蒼紫は、



「右近に地図をもらい話を聞いてどの程度の謎解きなのか探しに行ってきた。」



と言いながら武尊に折った紙を手渡して座った。



武尊がそれを開くと数行の文字と地図が描かれており筆で印がしてあった。



武尊はその場所を指差しながら、



「埋蔵金ってこの印の所?・・ここからけっこう東・・猪苗代湖の西まで行って来たの!?」



と驚いて蒼紫に尋ねた。



正直言って歩くには遠いこの場所、一緒に行こうと誘われなくてよかったと武尊が心底思った瞬間でもあった。



「嗚呼、埋蔵金の場所はすぐわかったがそれ以上に面白い事が分かった。」



「埋蔵金より面白い?」



武尊は埋蔵金の方が面白いんじゃないかと突っ込みを入れたかったがそこはぐっと我慢した。



蒼紫は、



「埋蔵金などどうせ右近が埋めた物だ、むしろ開けぬ方がよいかもしれん。」



と、涼しい顔で言った。



(えー、いったい何が入っているんだ・・。)



と、これまた突っ込みたい気持ちになった武尊に蒼紫は、



武尊は物部守屋を知っているか。」



と聞いてきた。



唐突にそんな事を聞かれ武尊は反射的に、



「蘇我氏に滅ぼされた物部氏の?」



と聞き返した。



「嗚呼そうだ。流石に三国志に興味があるだけの事はある、日本書紀もよく知っているな。」



と蒼紫に言いかえされ武尊はしまったと思った。



この時代の本もロクに読めないのに日本書紀の話を知っていること自体怪しまれると武尊は焦った。



未来ではほぼ常識とされる知識が、たとえもっと過去の事に置いても知っている事の方が珍しい時代なのだという事を武尊はうっかりしていた。



むろん蒼紫がその違和感に気がつかないわけがない。



だが蒼紫はそのまま話を続けた。



「その守屋の子孫達なんだが丁未(ていび)の変(※1)の後に蘇我氏から逃れ、この地に流れ着いたらしい。守屋神社というのがあった。」



「え!こんな所に!?」



まさか飛鳥時代のその話がこんな所まで続いてたなんて武尊にとってもそれは驚きの話だった。



(あの時代に福島までって・・本当に地の果てっていう感じじゃないのかな。)



武尊は自分の目で見たわけではないので、ちょっと眉唾ものの話じゃないかなと思ったがそれが本当なら確かに右近が仕組んだ埋蔵金伝説なんかよりもよっぽど興味深いと思った。



「へぇぇ・・。」



と感心する武尊に蒼紫は少し満足し、話を続けた。



「更に興味深いのは隣村に聖徳太子を祭った寺があるという事だ。」



「えー!」



これには武尊も声をあげて驚いた。



「聖徳太子・・って当時まだ厩戸皇子だったと思うけど守屋と敵対してたんじゃないの?どうしてそんなものが近くにあるの?」



「俺も早足で回ったからそこまでは調べられなかった。が、しかし・・興味深い。かの古の時代の真実はいかにあったか、決して歴史の表に出てこない事実・・それを推測するのは面白い。」



蒼紫の表情はそれほどいつもと変わらないがその口調は確かに楽しそうだと武尊は蒼紫の顔をながめていた・・・そして胸を押さえた。



蒼紫はすぐそれに気がついた。



「また胸が痛むのか?」



「ん・・大丈夫、大したことない。痛いと言うより・・。」



「というより?」



「というより【悲しい】・・悲しくて胸がいたむような・・?」



武尊も自分で言っておきながら何というたとえ方だと首をひねった。



蒼紫も武尊の痛みの表現を理解不能だと首を傾けた。



たとえ悲しくて胸がつぶれそうだという表現があるとしても今自分達が話しているのは埋蔵金から派生した話であってどこにも悲しい要素はない。



「よくわからんな。」

「うん、よくわからない。」



武尊と蒼紫は顔を見合わせてそう言った。






(※1):丁未(ていび)の変、俗にいう蘇我氏と物部氏が一族の存亡をかけて戦った変。丁未(ていび)というのはその時の干支で、壬申の乱の壬申(じんしん)と同じような使い方です。
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