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185.我が傀儡人形 (蒼紫・夢主・右近・怪しい政府の役人)
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宿へ戻って来た二人は直ぐに荷物をまとめて部屋を移動することになった。
昨晩泊まった豪華な部屋はよほどの客でないと使わないという特別の部屋だそうで、今日と明日は明治政府の役人が泊まるということだった。
武尊達が案内されたのは六畳一間の一番小さな部屋だった。
「すんませんなぁ、丁度紅葉の時期で他の部屋は空いてないんですわ。」
と言って仲居は食事と温泉の説明を簡単にして戻って行った。
床の間はあるものの、窓もないこの一室に二人分の布団を敷くのかと武尊は思わずその図を想像してみて心の中でため息をついた。
(でも、まぁ・・仕方ないよね。温泉があるだけいいか・・・「あ。」
思わず現実問題に直面して武尊は声を上げた。
「どうした。」
蒼紫が何か戸惑っている武尊に聞いた。
「温泉・・昨日はあの部屋専用の露天風呂だったから他のお客さんの事は考えてなかったけど、今日は他のお客さんと一緒だ。」
傷を見られるのは嫌だなぁと、武尊が気を落としていると、蒼紫が夜中に見張ってやるからその間に入れば良いと提案しようとした矢先、
「その点でしたら良い案がございます。」
と、部屋の入口の障子がすすーと開いて右近が廊下に座っていた。
「お、翁さん!」
うわっ、なんというタイミングたと武尊はびっくりして思わず飛び上がってしまいそうになった。
「他の皆様にお食事をお出ししている間にお入りなさいませ。」
疲れているのでなるべく早く温泉に入りたいと思っていた武尊は右近の提案は実にナイスであった。
「お心使いありがとうございます。」
たまには良い事言うじゃんと、武尊は嬉しくなってハキハキと御礼を言った。
「でもどうして翁さんはここに・・?」
まさかタイミングよくそんな案を言いに来たわけではないでしょうと武尊がその訳を聞くと、
「お預かりしたコートをお持ちいたしましたので。」
と、右近は乱れ箱にのせた蒼紫と武尊のコートを差し出した。
「では他の方のお食事の時間になりましたらまた御案内にあがります、ではごゆっくり・・。」
と言い一礼すると右近も帰って行った。
何か含みがあるような言い方のようだと思いながらも武尊は部屋でようやくゆっくりできると喜んだ。
武尊は今日もよく歩いて疲れたと自分のコートをつかみそれを枕がわりにして畳に突っ伏した。
「疲れたァー、明日はどこにも行きたくない~、一日休むからね~。」
と、コートに顔を押し付けてごにょごにょと武尊は言った。
「体力がないな武尊は。」
疲れるような距離ではないだろう、と蒼紫は少し呆れるように言いつつも武尊を見る蒼紫の目は優しかった。
まったくそんなにひ弱でよく会津まで来れたものだと蒼紫はため息をつきながらもそんなひ弱な武尊に増々愛おしさを感じる蒼紫であった。
昨晩泊まった豪華な部屋はよほどの客でないと使わないという特別の部屋だそうで、今日と明日は明治政府の役人が泊まるということだった。
武尊達が案内されたのは六畳一間の一番小さな部屋だった。
「すんませんなぁ、丁度紅葉の時期で他の部屋は空いてないんですわ。」
と言って仲居は食事と温泉の説明を簡単にして戻って行った。
床の間はあるものの、窓もないこの一室に二人分の布団を敷くのかと武尊は思わずその図を想像してみて心の中でため息をついた。
(でも、まぁ・・仕方ないよね。温泉があるだけいいか・・・「あ。」
思わず現実問題に直面して武尊は声を上げた。
「どうした。」
蒼紫が何か戸惑っている武尊に聞いた。
「温泉・・昨日はあの部屋専用の露天風呂だったから他のお客さんの事は考えてなかったけど、今日は他のお客さんと一緒だ。」
傷を見られるのは嫌だなぁと、武尊が気を落としていると、蒼紫が夜中に見張ってやるからその間に入れば良いと提案しようとした矢先、
「その点でしたら良い案がございます。」
と、部屋の入口の障子がすすーと開いて右近が廊下に座っていた。
「お、翁さん!」
うわっ、なんというタイミングたと武尊はびっくりして思わず飛び上がってしまいそうになった。
「他の皆様にお食事をお出ししている間にお入りなさいませ。」
疲れているのでなるべく早く温泉に入りたいと思っていた武尊は右近の提案は実にナイスであった。
「お心使いありがとうございます。」
たまには良い事言うじゃんと、武尊は嬉しくなってハキハキと御礼を言った。
「でもどうして翁さんはここに・・?」
まさかタイミングよくそんな案を言いに来たわけではないでしょうと武尊がその訳を聞くと、
「お預かりしたコートをお持ちいたしましたので。」
と、右近は乱れ箱にのせた蒼紫と武尊のコートを差し出した。
「では他の方のお食事の時間になりましたらまた御案内にあがります、ではごゆっくり・・。」
と言い一礼すると右近も帰って行った。
何か含みがあるような言い方のようだと思いながらも武尊は部屋でようやくゆっくりできると喜んだ。
武尊は今日もよく歩いて疲れたと自分のコートをつかみそれを枕がわりにして畳に突っ伏した。
「疲れたァー、明日はどこにも行きたくない~、一日休むからね~。」
と、コートに顔を押し付けてごにょごにょと武尊は言った。
「体力がないな武尊は。」
疲れるような距離ではないだろう、と蒼紫は少し呆れるように言いつつも武尊を見る蒼紫の目は優しかった。
まったくそんなにひ弱でよく会津まで来れたものだと蒼紫はため息をつきながらもそんなひ弱な武尊に増々愛おしさを感じる蒼紫であった。