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184.秋の花 (斎藤・永倉・謎の警官・夢主・蒼紫)
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「その話・・歩きながらでいい?」
「嗚呼・・。」
沢へ下りた急な道を逆に上る。
その道は細く武尊が蒼紫の前に立って歩いた。
一歩一歩足を進めながら武尊は今何故ここで新撰組の名前を蒼紫はだすのだろうかと思いつつ昔の記憶へと思いを馳せた。
武尊の記憶が十年前に飛ぶ。
忘れもしない、何度も思い出した沖田さんとの出会い、そしてその後すぐに出会った斎藤との出会いを。
もとの山道へ着くと、過去の記憶をフェードアウトしつつ現実の景色をフェードインさせて横に並んで歩き出した蒼紫に武尊は言った。
「蒼紫はもう知っているから・・私が十六夜丸だという事を・・・だから言うけど私、新選組に少しの間居たの。はじ・・斎藤さんから聞いてなかった?」
「いや、斎藤からは最初に横浜で会った時に『十六夜丸とやり合った』とは聞いたが詳しい経緯は聞いていない。」
「そうなんだ・・、もとはと言えば京都の街中で新選組に十六夜丸に似ているっていう事で捕まったというか・・それからお世話になって・・。」
武尊の話にさすがの蒼紫も首を傾げた。
「待て、捕まったのと世話になったのではかなり違うぞ。」
「ん~~、話せば複雑なんだけど・・。」
と武尊は口ごもった。
「別人にしては似すぎているって・・・あの時は私自身もあの薬が原因で十六夜丸になるなんて確信なかったから・・斎藤さんの提案で半月ばかり新撰組の下にいて私が本当に十六夜丸かどうか確かめる事になって
・・それで少しお手伝い(蕎麦屋)しながら監視させられてたってわけ。でもその半月が経つ頃逃げ出したんだけどね・・・。」
と、武尊は逃げ出した日の事をまぶたに浮かべて俯いた。
「なぜ半月という期限付きだったんだ。」
蒼紫は武尊の話の細かな所も聞き逃さなかった。
「それは・・。」
そこを突っ込まれると思わなくて武尊は蒼紫の顔を見てまた前を向き声を詰まらせた。
斎藤以外に十六夜丸の事について話すことが果たして良い事なのだろうかと武尊は少し考えた。
が、結局月の満ち欠けの半分の話は蒼紫にしても大した事はないと武尊は判断し、
「十六夜丸は満月の後から新月の間にしか出て来れないみたい、それは何故だか私は知らないけど・・。
あの頃京の街では毎月のように月が欠けていく頃に十六夜丸が出るからって・・それでその期間私を監視して十六夜丸が現れるか見ていたって訳。」
「それで十六夜丸は現れなかった・・という訳か。」
「うん・・。」
「だから身の危険を感じて逃げ出したという事か。」
「うん・・。」
「そうか・・。」
若し幕末に自分が新撰組と同じように武尊を捕らえていたらどうしていたのか、それを考えると武尊は逃げ出して正解だと蒼紫は思わざるを得なかった。
そう思いながら蒼紫は話を本題へ向けた。
「ならば土方や近藤は知っているだろう。」
「知っているというか・・まあ、近藤さんは遠目に見たことあるだけで、土方さんは・・まぁ・・ちょっと話した事があるくらい。蒼紫は土方さんや近藤さんを知っているの?」
もし面識があるのだったらどうして斎藤とあれほど仲が悪いのかと不思議に思いつつ武尊は聞いた。
「いや、局長と副長の名前ぐらいは耳にしていた。新撰組は幕府軍の勢力の一つだったからな。」
「では、どうして今新撰組の名前を出したの?」
面識がないならなぜかと武尊は思ってそう聞いた。
「近藤の墓がこの温泉より会津の街に近い寺にある。もし武尊に行く気があるならそこへ行っても良いと思っただけだ。」
蒼紫がそう言ったのは般若達を京都へ連れ帰り弔う事が出来た武尊への礼だったのかもしれない。
「近藤さんの?え・・ちょっと待って、近藤さんは確か東京で斬首されたって・・(テレビの新撰組特集でやってたような・・)。どうしてお墓が会津にあるの?」
「どうやら土方が近藤斬首後、会津で先の戦で受けた傷を治しにこの温泉に通った際に近藤を弔う為に近くの寺で墓をたてたらしい。」
「え!土方さんがここに来ていたの!?」
「嗚呼、新選組は生き残りを引き連れて会津藩と共に戦っていたというからな。」
武尊は横浜の別荘地で斎藤が新撰組について語った時に会津の事も少し話していた事を思い出していた。
「そう・・そうだったね。って・・それも翁さんの話?」
「嗚呼、ただ右近は武尊と新撰組の関係は知らない。無論言うつもりはないが。それでどうする、行くのか、近藤の墓へ。」
武尊は少し考えて、
「私・・行きたい、近藤さんのお墓。・・顔を見た事があるというだけだけど・・それでもやっぱり・・行っておかないと後悔しそうだから・・。」
たぶん二度と会津へは来ない。
それだったら行っておくべきだと武尊はそう思った。
「そうか・・。」
「嗚呼・・。」
沢へ下りた急な道を逆に上る。
その道は細く武尊が蒼紫の前に立って歩いた。
一歩一歩足を進めながら武尊は今何故ここで新撰組の名前を蒼紫はだすのだろうかと思いつつ昔の記憶へと思いを馳せた。
武尊の記憶が十年前に飛ぶ。
忘れもしない、何度も思い出した沖田さんとの出会い、そしてその後すぐに出会った斎藤との出会いを。
もとの山道へ着くと、過去の記憶をフェードアウトしつつ現実の景色をフェードインさせて横に並んで歩き出した蒼紫に武尊は言った。
「蒼紫はもう知っているから・・私が十六夜丸だという事を・・・だから言うけど私、新選組に少しの間居たの。はじ・・斎藤さんから聞いてなかった?」
「いや、斎藤からは最初に横浜で会った時に『十六夜丸とやり合った』とは聞いたが詳しい経緯は聞いていない。」
「そうなんだ・・、もとはと言えば京都の街中で新選組に十六夜丸に似ているっていう事で捕まったというか・・それからお世話になって・・。」
武尊の話にさすがの蒼紫も首を傾げた。
「待て、捕まったのと世話になったのではかなり違うぞ。」
「ん~~、話せば複雑なんだけど・・。」
と武尊は口ごもった。
「別人にしては似すぎているって・・・あの時は私自身もあの薬が原因で十六夜丸になるなんて確信なかったから・・斎藤さんの提案で半月ばかり新撰組の下にいて私が本当に十六夜丸かどうか確かめる事になって
・・それで少しお手伝い(蕎麦屋)しながら監視させられてたってわけ。でもその半月が経つ頃逃げ出したんだけどね・・・。」
と、武尊は逃げ出した日の事をまぶたに浮かべて俯いた。
「なぜ半月という期限付きだったんだ。」
蒼紫は武尊の話の細かな所も聞き逃さなかった。
「それは・・。」
そこを突っ込まれると思わなくて武尊は蒼紫の顔を見てまた前を向き声を詰まらせた。
斎藤以外に十六夜丸の事について話すことが果たして良い事なのだろうかと武尊は少し考えた。
が、結局月の満ち欠けの半分の話は蒼紫にしても大した事はないと武尊は判断し、
「十六夜丸は満月の後から新月の間にしか出て来れないみたい、それは何故だか私は知らないけど・・。
あの頃京の街では毎月のように月が欠けていく頃に十六夜丸が出るからって・・それでその期間私を監視して十六夜丸が現れるか見ていたって訳。」
「それで十六夜丸は現れなかった・・という訳か。」
「うん・・。」
「だから身の危険を感じて逃げ出したという事か。」
「うん・・。」
「そうか・・。」
若し幕末に自分が新撰組と同じように武尊を捕らえていたらどうしていたのか、それを考えると武尊は逃げ出して正解だと蒼紫は思わざるを得なかった。
そう思いながら蒼紫は話を本題へ向けた。
「ならば土方や近藤は知っているだろう。」
「知っているというか・・まあ、近藤さんは遠目に見たことあるだけで、土方さんは・・まぁ・・ちょっと話した事があるくらい。蒼紫は土方さんや近藤さんを知っているの?」
もし面識があるのだったらどうして斎藤とあれほど仲が悪いのかと不思議に思いつつ武尊は聞いた。
「いや、局長と副長の名前ぐらいは耳にしていた。新撰組は幕府軍の勢力の一つだったからな。」
「では、どうして今新撰組の名前を出したの?」
面識がないならなぜかと武尊は思ってそう聞いた。
「近藤の墓がこの温泉より会津の街に近い寺にある。もし武尊に行く気があるならそこへ行っても良いと思っただけだ。」
蒼紫がそう言ったのは般若達を京都へ連れ帰り弔う事が出来た武尊への礼だったのかもしれない。
「近藤さんの?え・・ちょっと待って、近藤さんは確か東京で斬首されたって・・(テレビの新撰組特集でやってたような・・)。どうしてお墓が会津にあるの?」
「どうやら土方が近藤斬首後、会津で先の戦で受けた傷を治しにこの温泉に通った際に近藤を弔う為に近くの寺で墓をたてたらしい。」
「え!土方さんがここに来ていたの!?」
「嗚呼、新選組は生き残りを引き連れて会津藩と共に戦っていたというからな。」
武尊は横浜の別荘地で斎藤が新撰組について語った時に会津の事も少し話していた事を思い出していた。
「そう・・そうだったね。って・・それも翁さんの話?」
「嗚呼、ただ右近は武尊と新撰組の関係は知らない。無論言うつもりはないが。それでどうする、行くのか、近藤の墓へ。」
武尊は少し考えて、
「私・・行きたい、近藤さんのお墓。・・顔を見た事があるというだけだけど・・それでもやっぱり・・行っておかないと後悔しそうだから・・。」
たぶん二度と会津へは来ない。
それだったら行っておくべきだと武尊はそう思った。
「そうか・・。」