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184.秋の花 (斎藤・永倉・謎の警官・夢主・蒼紫)
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「ヒモパン持ってくるの忘れてた・・。」
武尊は露天風呂から上がって手ぬぐいで身体を拭いている最中、ヒモパンを持ってきていない事に気がついた。
「だって朝起きてすぐは動揺してたんだもん・・。」
自分に言い訳しながら浴衣を羽織る武尊。
温泉ですっきりするはずだったのに気持ち的には翁の言葉や昨晩の蒼紫の事でもんもんとしながら武尊は部屋へ戻った。
部屋が見えると廊下で蒼紫ははすでに忍び装束に着替えており、座禅を組んでいた。
(本当に座禅が趣味なんだな・・。)
武尊は変に感心しながら、
「ただいま戻りました。」
と瞑想中の蒼紫に一応声をかけた。
蒼紫は目をゆっくり開いて武尊を見た。
「どうした、湯あたりでもしたのか。」
露天風呂に行くときはもう少し元気があったようだと思った蒼紫は声のトーンが低い武尊に気づいて声をかけた。
「ううん、大丈夫だよ、私も着替えるね。」
武尊はそう返事をしながらふと床を見るとお盆にお茶が置いてあるのに気がついた。
のどが渇いていた武尊は急須を持ち上げてハッと固まった。
またもや変な薬が仕込んであるのではないかと勘ぐったからだ。
「心配ない、右近は二度と昨日のような真似はせん。」
と蒼紫の声が聞こえたので武尊は振りむいて蒼紫を見たが、蒼紫は庭をむいて座禅をしたままだった。
まるで自分が見えているかのようなタイミングだったので武尊は驚いたが気を取り直して、
「そうなんだ、よかった。」
とそれでも内心ちょっと動揺しながら武尊は湯呑にお茶を注ぎ二杯飲んだ。
そして急須の横に置いてあったガラスの入れ物に目がいった。
「何だろうこれ。」
と、言いつつ武尊が蓋を取ると白い飴玉のようなものが入っていた。
「飴玉?」
武尊が独り言のように言うと蒼紫がまた、
「嗚呼、右近手作りの大根飴だそうだ。のどに良い。」
とまたもやタイミングよく蒼紫が答えた。
武尊は思わずまたさっと蒼紫の方を振り返ったが蒼紫は前を向いて座禅をしたままだった。
「のどって・・。」
タイミングよすぎるなぁ、と武尊は首を傾げながら蒼紫の言葉にのどを詰まらせた。
確かに昨晩あれほど懇願したせいか、武尊は喉が少し痛いとは思っていた所だったのだ。
それが蒼紫に分かっていると思われるとやはり恥ずかしいと武尊が思っていると、
「高荷の所に入院した時に比べれば微々たるものだが武尊の声は少し掠れている。痛むようであれば舐めておいて損はない。」
と、これまた武尊の方を向くことなく蒼紫は言った。
なんとなく恥ずかしく耳が少し熱くなるのを感じながら武尊は、
「へぇ・・そうなんだ・・。じゃぁ・・一つ・・。」
と言いつつ、もしかして御庭番衆御用達ののど飴かなと、武尊は人差し指と親指で摘まんだ親指ほどのだいこん飴を一通り眺めてから武尊はそれをぱくりと口に入れた。
やはり甘い物には目がない自分だと武尊は思いつつも、
「ん・・おいしい。」
と柔らかな甘さに武尊の機嫌は急によくなった。
武尊は飴を口の中で転がしつつ、起きたら置いてあった洋服一式を手に取りあっと小さく声を上げた。
泥が綺麗に落としてあり、シャツなんか洗濯もされてあった。超特急のクリーニングだ。
「翁さんにお礼言わなくちゃ。洋服とてもきれいになってる。」
そして洋服に突っ込んだヒモパンもろとも着替えを一式取ると奥の部屋の襖の陰で蒼紫が自分の方を見てないかちらちら確認しながら急いで着替えた。
「お待たせ。」
と、武尊も洋服に着替え、貴重品を入れた頭陀袋を肩にかけ蒼紫の側に立った。
「嗚呼。」
蒼紫は立ち上がる時に武尊がいる方の反対の手に包みを持っていた。
「あれ?蒼紫も何か持っていくの?」
と武尊が聞いてみると、
「嗚呼、握り飯と水を頼んだ。いちいち此処へ戻って来るもの面倒だからな。」
蒼紫はそう言って武尊をじっと見た。
「ど、どうしたの急に。」
急にというか突然間が開くというか、こういうのは今に始まった事ではないとは思いつつ、武尊は今度は何と身構えた。
「いや・・洋装が似合うなと思っただけだ。気を害するかもしれないがその姿、武尊は女だと分かっていても凛々しいと、そう思っただけだ。行くか。」
「うん、行こうか。この服は動きやすいし気に入ってる。特に蒼紫にもらったシャツはとても重宝してるよ。」
笑顔でそう答えた武尊の言葉、蒼紫はそれを聞いて嬉しく思った。
武尊は露天風呂から上がって手ぬぐいで身体を拭いている最中、ヒモパンを持ってきていない事に気がついた。
「だって朝起きてすぐは動揺してたんだもん・・。」
自分に言い訳しながら浴衣を羽織る武尊。
温泉ですっきりするはずだったのに気持ち的には翁の言葉や昨晩の蒼紫の事でもんもんとしながら武尊は部屋へ戻った。
部屋が見えると廊下で蒼紫ははすでに忍び装束に着替えており、座禅を組んでいた。
(本当に座禅が趣味なんだな・・。)
武尊は変に感心しながら、
「ただいま戻りました。」
と瞑想中の蒼紫に一応声をかけた。
蒼紫は目をゆっくり開いて武尊を見た。
「どうした、湯あたりでもしたのか。」
露天風呂に行くときはもう少し元気があったようだと思った蒼紫は声のトーンが低い武尊に気づいて声をかけた。
「ううん、大丈夫だよ、私も着替えるね。」
武尊はそう返事をしながらふと床を見るとお盆にお茶が置いてあるのに気がついた。
のどが渇いていた武尊は急須を持ち上げてハッと固まった。
またもや変な薬が仕込んであるのではないかと勘ぐったからだ。
「心配ない、右近は二度と昨日のような真似はせん。」
と蒼紫の声が聞こえたので武尊は振りむいて蒼紫を見たが、蒼紫は庭をむいて座禅をしたままだった。
まるで自分が見えているかのようなタイミングだったので武尊は驚いたが気を取り直して、
「そうなんだ、よかった。」
とそれでも内心ちょっと動揺しながら武尊は湯呑にお茶を注ぎ二杯飲んだ。
そして急須の横に置いてあったガラスの入れ物に目がいった。
「何だろうこれ。」
と、言いつつ武尊が蓋を取ると白い飴玉のようなものが入っていた。
「飴玉?」
武尊が独り言のように言うと蒼紫がまた、
「嗚呼、右近手作りの大根飴だそうだ。のどに良い。」
とまたもやタイミングよく蒼紫が答えた。
武尊は思わずまたさっと蒼紫の方を振り返ったが蒼紫は前を向いて座禅をしたままだった。
「のどって・・。」
タイミングよすぎるなぁ、と武尊は首を傾げながら蒼紫の言葉にのどを詰まらせた。
確かに昨晩あれほど懇願したせいか、武尊は喉が少し痛いとは思っていた所だったのだ。
それが蒼紫に分かっていると思われるとやはり恥ずかしいと武尊が思っていると、
「高荷の所に入院した時に比べれば微々たるものだが武尊の声は少し掠れている。痛むようであれば舐めておいて損はない。」
と、これまた武尊の方を向くことなく蒼紫は言った。
なんとなく恥ずかしく耳が少し熱くなるのを感じながら武尊は、
「へぇ・・そうなんだ・・。じゃぁ・・一つ・・。」
と言いつつ、もしかして御庭番衆御用達ののど飴かなと、武尊は人差し指と親指で摘まんだ親指ほどのだいこん飴を一通り眺めてから武尊はそれをぱくりと口に入れた。
やはり甘い物には目がない自分だと武尊は思いつつも、
「ん・・おいしい。」
と柔らかな甘さに武尊の機嫌は急によくなった。
武尊は飴を口の中で転がしつつ、起きたら置いてあった洋服一式を手に取りあっと小さく声を上げた。
泥が綺麗に落としてあり、シャツなんか洗濯もされてあった。超特急のクリーニングだ。
「翁さんにお礼言わなくちゃ。洋服とてもきれいになってる。」
そして洋服に突っ込んだヒモパンもろとも着替えを一式取ると奥の部屋の襖の陰で蒼紫が自分の方を見てないかちらちら確認しながら急いで着替えた。
「お待たせ。」
と、武尊も洋服に着替え、貴重品を入れた頭陀袋を肩にかけ蒼紫の側に立った。
「嗚呼。」
蒼紫は立ち上がる時に武尊がいる方の反対の手に包みを持っていた。
「あれ?蒼紫も何か持っていくの?」
と武尊が聞いてみると、
「嗚呼、握り飯と水を頼んだ。いちいち此処へ戻って来るもの面倒だからな。」
蒼紫はそう言って武尊をじっと見た。
「ど、どうしたの急に。」
急にというか突然間が開くというか、こういうのは今に始まった事ではないとは思いつつ、武尊は今度は何と身構えた。
「いや・・洋装が似合うなと思っただけだ。気を害するかもしれないがその姿、武尊は女だと分かっていても凛々しいと、そう思っただけだ。行くか。」
「うん、行こうか。この服は動きやすいし気に入ってる。特に蒼紫にもらったシャツはとても重宝してるよ。」
笑顔でそう答えた武尊の言葉、蒼紫はそれを聞いて嬉しく思った。