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182.薬草茶の謎はいかに (蒼紫・夢主・右近)
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「お待たせしました。朝餉冷めちゃったかな。」
顔を洗い厠を済ませて戻って来た武尊は景色の良い側に御膳を運び、蒼紫と向かい合って朝餉を取り始めた。
武尊が汁物の御椀を取るとまだふわんと湯気が立ち上った。
「よかったまだ暖ったかいや。・・・ん・・おいしい、お腹に沁みるぅ。」
汁を飲み、次にワカメを口にした武尊だったがふと目の前の蒼紫を見てしまった。
そして目が合う。
途端に気まずくなって、
「おいしいね、蒼紫・・。」
と言ったものの今日は蒼紫を直視できなくて武尊は耳を赤くした。
それを見て蒼紫は、
「昨晩の事が気になるならは忘れろ。武尊は悪くない。」
と言い漬物を食べた。
(気になるなら忘れろって言われても・・。)
そう言われてきれいさっぱり忘れる事が出来るならこんなに気まずくないよと武尊は庭を眺めた。
自分の中に蒼紫のモノが入っていたのである。
「・・・。」
いかされずに事を終えた事を思い出せば武尊のあそこがヒクリと動いた。
(ばっ・・馬鹿・・。)
自分の意志とは無関係に動いたあそこを叱りつけ濡れなきゃいいけど・・と、武尊は股間をモジモジした。
蒼紫はそんな武尊を見て見ぬふりをして粛々と朝餉を口に運んだ。
武尊は何だか間がもたなくて朝からするような話題ではないと思ったが昨日の疑問を口にした。
そうでもしないととてもじゃないが蒼紫の前に座って朝餉を食べていられないと武尊は思ったからである。
「ねぇ・・聞いていい?」
「何だ・・。」
蒼紫は箸を止めて武尊を見た。
「昨日のお茶って何だったの?」
「嗚呼・・あれは。」
と蒼紫は説明し始めた。
「あれは御庭番衆秘伝のしびれ薬だ。何を使用しているかは言うわけにはいかないが特徴は飲んで分かるように足元から痺れをもたらす。濃さを調整することで程度や症状が現れる時間を調整することが出来る。もちろん媚薬など他の薬と混ぜる事も可能だ。」
蒼紫の話にそんな薬の存在など昨晩の自分の体験がなければそう簡単に信じられないと武尊は思った。
けれどもそれはまぎれもなく事実で、しかもそれはしびれといった生易しいものではなくむしろ麻痺といってもよかったほどだと武尊は思った。
蒼紫の説明は更に続く。
「使用方法は多岐にわたる。大勢の敵の戦力を奪う為に茶として飲ませれば足取りを押さえる事も出来る。が、もっとも右近が得意としたのは褥で相手に用いる使い方だ。少量だと痺れは翌日に自然にとれるが多飲すれば秘孔を突かなければその効果を消す事は出来ない。しかもそれには飲用後直ちに行わないと神経を阻害しもう二度と戻ることはなくなる。武尊を二度と歩けない身体にするわけにはいかなかったからな。」
「その秘孔というのが・・・。」
「嗚呼・・。女の奥にある。武尊の場合はかなりの濃いやつを飲まされていたようで感覚を取り戻すまでにかなり時間がかかってしまった。」
「そ、そうだったんだ・・・。」
「通常は飲ませておいて脅し、治すという交換条件でこちらの必要な情報を得る。そうやって使うものだ。」
「・・・。」
蒼紫の言葉に武尊はしばし口をつぐんだ。
二度と歩けなくなるなんてそれは困る、と武尊は強く思った。
(まだ兄様の行方の手がかりもつかんでいない・・いや、兄様どころか何も・・何も私はつかんでいない・・。)
不意に武尊の脳裏に比古の言葉がよぎった。
『・・一つはお前の出生。そしてもう一つはもう一人のお前がしでかしたという何か。これらから自由にならない限り、お前は決してお前自身を取り戻せない。』
そう言った比古の姿を思いだし後ろめたさを感じながらも武尊は、
(そう・・たとえ一に偶然に出会ってその結果身も心も比古さんを裏切ったとしても・・・私は比古さんのもとへ戻るまでの間、あの二つの【枷】を外すための努力をしなければならない・・そうすると自分で決めたんだ・・。)
と思い、小さく息を吐いて庭を見た。
庭には手入れのされた木々には色づく葉があり、空は青く高かった。
(季節は巡る・・秋だなぁ・・。)
自然に目を向け感じれば自分のことなどちっぽけに感じると武尊はいつも思う。
(自分など、自分の存在などこの世にあってはならないもの・・。)
そう思ってしまって、ああ・・いつもこんな風に思うから枷の一つを外せないんだと思いつつも自分の出生を思うと武尊はそう思わざるを得ない。
そしてそんなどうでもいい存在の為に逆に蒼紫を翻弄させているのではないかと思うと逆に蒼紫に申し訳ない気になって来た。
(こんな私の為に・・。)
徳川幕府さえ崩壊しなければこの人の立場なら女なんて選り取り見取りなのではと思うと何を勘違いしたのか自分がいいという蒼紫が気のどくになって来た。
微妙な武尊の表情の変化を感じ取り蒼紫が声をかけた。
「どうした。」
「ん・・ううん・・何でもない。私は・・大丈夫だから・・あっ、このおひたしおいしいよ!」
この数分の間に武尊の心情に変化があったのは確かだと蒼紫は思いつつもそれが何か蒼紫には計りかねるものがあった。
その後二人は朝餉を無言で完食した。
顔を洗い厠を済ませて戻って来た武尊は景色の良い側に御膳を運び、蒼紫と向かい合って朝餉を取り始めた。
武尊が汁物の御椀を取るとまだふわんと湯気が立ち上った。
「よかったまだ暖ったかいや。・・・ん・・おいしい、お腹に沁みるぅ。」
汁を飲み、次にワカメを口にした武尊だったがふと目の前の蒼紫を見てしまった。
そして目が合う。
途端に気まずくなって、
「おいしいね、蒼紫・・。」
と言ったものの今日は蒼紫を直視できなくて武尊は耳を赤くした。
それを見て蒼紫は、
「昨晩の事が気になるならは忘れろ。武尊は悪くない。」
と言い漬物を食べた。
(気になるなら忘れろって言われても・・。)
そう言われてきれいさっぱり忘れる事が出来るならこんなに気まずくないよと武尊は庭を眺めた。
自分の中に蒼紫のモノが入っていたのである。
「・・・。」
いかされずに事を終えた事を思い出せば武尊のあそこがヒクリと動いた。
(ばっ・・馬鹿・・。)
自分の意志とは無関係に動いたあそこを叱りつけ濡れなきゃいいけど・・と、武尊は股間をモジモジした。
蒼紫はそんな武尊を見て見ぬふりをして粛々と朝餉を口に運んだ。
武尊は何だか間がもたなくて朝からするような話題ではないと思ったが昨日の疑問を口にした。
そうでもしないととてもじゃないが蒼紫の前に座って朝餉を食べていられないと武尊は思ったからである。
「ねぇ・・聞いていい?」
「何だ・・。」
蒼紫は箸を止めて武尊を見た。
「昨日のお茶って何だったの?」
「嗚呼・・あれは。」
と蒼紫は説明し始めた。
「あれは御庭番衆秘伝のしびれ薬だ。何を使用しているかは言うわけにはいかないが特徴は飲んで分かるように足元から痺れをもたらす。濃さを調整することで程度や症状が現れる時間を調整することが出来る。もちろん媚薬など他の薬と混ぜる事も可能だ。」
蒼紫の話にそんな薬の存在など昨晩の自分の体験がなければそう簡単に信じられないと武尊は思った。
けれどもそれはまぎれもなく事実で、しかもそれはしびれといった生易しいものではなくむしろ麻痺といってもよかったほどだと武尊は思った。
蒼紫の説明は更に続く。
「使用方法は多岐にわたる。大勢の敵の戦力を奪う為に茶として飲ませれば足取りを押さえる事も出来る。が、もっとも右近が得意としたのは褥で相手に用いる使い方だ。少量だと痺れは翌日に自然にとれるが多飲すれば秘孔を突かなければその効果を消す事は出来ない。しかもそれには飲用後直ちに行わないと神経を阻害しもう二度と戻ることはなくなる。武尊を二度と歩けない身体にするわけにはいかなかったからな。」
「その秘孔というのが・・・。」
「嗚呼・・。女の奥にある。武尊の場合はかなりの濃いやつを飲まされていたようで感覚を取り戻すまでにかなり時間がかかってしまった。」
「そ、そうだったんだ・・・。」
「通常は飲ませておいて脅し、治すという交換条件でこちらの必要な情報を得る。そうやって使うものだ。」
「・・・。」
蒼紫の言葉に武尊はしばし口をつぐんだ。
二度と歩けなくなるなんてそれは困る、と武尊は強く思った。
(まだ兄様の行方の手がかりもつかんでいない・・いや、兄様どころか何も・・何も私はつかんでいない・・。)
不意に武尊の脳裏に比古の言葉がよぎった。
『・・一つはお前の出生。そしてもう一つはもう一人のお前がしでかしたという何か。これらから自由にならない限り、お前は決してお前自身を取り戻せない。』
そう言った比古の姿を思いだし後ろめたさを感じながらも武尊は、
(そう・・たとえ一に偶然に出会ってその結果身も心も比古さんを裏切ったとしても・・・私は比古さんのもとへ戻るまでの間、あの二つの【枷】を外すための努力をしなければならない・・そうすると自分で決めたんだ・・。)
と思い、小さく息を吐いて庭を見た。
庭には手入れのされた木々には色づく葉があり、空は青く高かった。
(季節は巡る・・秋だなぁ・・。)
自然に目を向け感じれば自分のことなどちっぽけに感じると武尊はいつも思う。
(自分など、自分の存在などこの世にあってはならないもの・・。)
そう思ってしまって、ああ・・いつもこんな風に思うから枷の一つを外せないんだと思いつつも自分の出生を思うと武尊はそう思わざるを得ない。
そしてそんなどうでもいい存在の為に逆に蒼紫を翻弄させているのではないかと思うと逆に蒼紫に申し訳ない気になって来た。
(こんな私の為に・・。)
徳川幕府さえ崩壊しなければこの人の立場なら女なんて選り取り見取りなのではと思うと何を勘違いしたのか自分がいいという蒼紫が気のどくになって来た。
微妙な武尊の表情の変化を感じ取り蒼紫が声をかけた。
「どうした。」
「ん・・ううん・・何でもない。私は・・大丈夫だから・・あっ、このおひたしおいしいよ!」
この数分の間に武尊の心情に変化があったのは確かだと蒼紫は思いつつもそれが何か蒼紫には計りかねるものがあった。
その後二人は朝餉を無言で完食した。