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113.おにぎりとかくれんぼ (夢主・蒼紫)
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久しぶりの制服。
やっぱりこれを着ると気が引き締まる。
と、藤田家を一歩出た瞬間から武尊から笑顔が消えた。
そして全身にアンテナをめぐらせ周囲の状況に気を配りながら歩き出した。
それは万が一にでも自分が狙われて斎藤さんに迷惑をかけない為。
今日の体調なら背中の傷が開くことさえ考えなかったら武尊は男数名ぐらいとは手合せできると確信していた。
斎藤と一緒の時はある程度お喋りしていても斎藤がいるからと安心している武尊だが、こうやって一人の時は気が抜けない。
先回のように誰かにつけられ追われた場合を想定しておかないと。
ぼけっと歩いてて捕まりましたなんてことになった日には本当に阿呆になってしまう。
捕まって、もし殺されてしまったら・・・・。
斎藤さんは悲しんでくれるだろうか・・・それとも『阿呆が。』、と言われてそのまま捨て置かれてしまうのだろうか。
武尊は歩きながら気を抜くことはなかったが、今日はそんな不安な気持ちが胸から離れない。
たとえひと月たって別れるとしても嫌われて別れたくない。
明治での奇跡の再会を、たった一つ、これだけでいい、大好きな人の思い出を自分の心の中に美しいままに残しておきたい。
そう思うから・・・。
と、武尊はおにぎりを包んだ布の結び目をぎゅっと握った。
おにぎりがその力でブラブラと揺れる。
武尊はそのおにぎりをどこで食べようかと考えた。
(あまり食欲はないけど・・・、食べておかなくっちゃね。そう言えば丁度途中に川があって眺めがよさそうな土手があったっけ。)
と、そこで食べようと計画した。
カラ元気を出したところで心が晴れるわけでもない。
けれども、やはり身体の栄養を考えると少しでもいろいろな栄養素を摂っておいた方がいい、早く治して残り少ない警官としての仕事に何か貢献をするためには。
と考えた時、
(誰かいる!)
と武尊は自分をつけている気配に気が付いた。
相手はどうやら一人・・・。
武尊は気を緩めないでそのまま歩くのを続けたがその気配はどうやら自分を監視するだけのようで一定の距離を保ちつつずっと武尊についてきた。
そのうちおにぎりを食べようと考えていた土手にの近くまで来てしまった。
(勝負にでようか・・・いつまでもついてこられるのもいやだし・・・おにぎりを食べる前に追っ払いたいよね。)
と決めると、武尊は走り出し土手の中の草むらの中を草に隠れるように登って行った。
初秋にはいるこの季節、丁度ススキやイタドリ、草が生い茂っていて武尊の身体を隠すには丁度良かった。
「!」
かなり遠くから武尊をつけていた男は、武尊の突然の行動にすぐ対応して武尊の後を追い、風のように走って来た。
目で追えたところまでは直進し、その後注意深く草むらを見渡し、耳を澄ませた。
そしてそこだと目星をつけた場所にまっすぐ歩いて行った。
やっぱりこれを着ると気が引き締まる。
と、藤田家を一歩出た瞬間から武尊から笑顔が消えた。
そして全身にアンテナをめぐらせ周囲の状況に気を配りながら歩き出した。
それは万が一にでも自分が狙われて斎藤さんに迷惑をかけない為。
今日の体調なら背中の傷が開くことさえ考えなかったら武尊は男数名ぐらいとは手合せできると確信していた。
斎藤と一緒の時はある程度お喋りしていても斎藤がいるからと安心している武尊だが、こうやって一人の時は気が抜けない。
先回のように誰かにつけられ追われた場合を想定しておかないと。
ぼけっと歩いてて捕まりましたなんてことになった日には本当に阿呆になってしまう。
捕まって、もし殺されてしまったら・・・・。
斎藤さんは悲しんでくれるだろうか・・・それとも『阿呆が。』、と言われてそのまま捨て置かれてしまうのだろうか。
武尊は歩きながら気を抜くことはなかったが、今日はそんな不安な気持ちが胸から離れない。
たとえひと月たって別れるとしても嫌われて別れたくない。
明治での奇跡の再会を、たった一つ、これだけでいい、大好きな人の思い出を自分の心の中に美しいままに残しておきたい。
そう思うから・・・。
と、武尊はおにぎりを包んだ布の結び目をぎゅっと握った。
おにぎりがその力でブラブラと揺れる。
武尊はそのおにぎりをどこで食べようかと考えた。
(あまり食欲はないけど・・・、食べておかなくっちゃね。そう言えば丁度途中に川があって眺めがよさそうな土手があったっけ。)
と、そこで食べようと計画した。
カラ元気を出したところで心が晴れるわけでもない。
けれども、やはり身体の栄養を考えると少しでもいろいろな栄養素を摂っておいた方がいい、早く治して残り少ない警官としての仕事に何か貢献をするためには。
と考えた時、
(誰かいる!)
と武尊は自分をつけている気配に気が付いた。
相手はどうやら一人・・・。
武尊は気を緩めないでそのまま歩くのを続けたがその気配はどうやら自分を監視するだけのようで一定の距離を保ちつつずっと武尊についてきた。
そのうちおにぎりを食べようと考えていた土手にの近くまで来てしまった。
(勝負にでようか・・・いつまでもついてこられるのもいやだし・・・おにぎりを食べる前に追っ払いたいよね。)
と決めると、武尊は走り出し土手の中の草むらの中を草に隠れるように登って行った。
初秋にはいるこの季節、丁度ススキやイタドリ、草が生い茂っていて武尊の身体を隠すには丁度良かった。
「!」
かなり遠くから武尊をつけていた男は、武尊の突然の行動にすぐ対応して武尊の後を追い、風のように走って来た。
目で追えたところまでは直進し、その後注意深く草むらを見渡し、耳を澄ませた。
そしてそこだと目星をつけた場所にまっすぐ歩いて行った。