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112.おにぎりと土下座 (斎藤・夢主・時尾)
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武尊は冷たい水を汲んで腫れ目を冷やすように顔を洗ってから居間へ向かった。
居間ではすでに制服に着替えた斎藤が煙草を吸っており、そこへ丁度時尾が夫の朝餉を運んできたところだった。
「おはようございますー。」
普段通りの武尊の挨拶だったが斎藤と時尾はその顔を見て驚いた。
「ちょっと泣いちゃたから酷い顔になってしまいました。あっ・・・大丈夫ですよ、ただ腫れてるだけですから、あはっ。」
と、ちょっと照れながら武尊は素直に言い訳をした。
「ま、ま、まぁ・・・・武尊さん・・・。」
時尾はいったい何があったのかと・・・、その原因は思い当たるとしたら夫しかないとちらっと夫を見るが斎藤は特に変わったようすでもなく、
「武尊、おはよう。具合はどうだ?」
と、武尊に聞いたりするぐらいだ。
「あ、大分いいです。昨日あれだけ食べたお陰か、もうそんなにクラクラはしないです。ちょっとだるさは残ってますけど。」
「そうか、よかったな。」
と、短い言葉だったが自然に笑みを返しながら答えた。
そんな自然な二人のやりとりを見て、
(五郎さんが原因じゃなかったみたいね・・・、よかったわ。)
と、時尾は安心し武尊に、
「武尊さんも朝餉にしましょうね。」
と、話しかけると、
「あ・・・すみません、あまり食欲がなくて・・・たぶん食べ過ぎの胸やけですけど。でも、お味噌汁いただいてもいいですか?時尾さんのお味噌汁とてもおいしいから。あ、心配しないでください、具合は悪くないので。もしよかったら御飯のほうはおにぎりにしたいんですけど。」
と、時尾に申し出た。
食欲がないなんてここに来て一度もなかったことなのでその事に対して少々時尾は驚いたが、涙を流すほどの事があった後の武尊を気持ちを推し測り、
「わかりました。でもあまり御無理はなさらないでくださいね。」
と、心配して言った時尾に、
「ありがとうございます、時尾さん。でも今日は午前中は藤田警部補の許可を得て診療所へ行ってきますのでちょっと気が楽にできます。」
と、へへっと武尊は笑った。
と、言った。
「まぁ、それはよかったですね。お医者様に見ていただけたら安心出来ますもの。」
「はい。」
と、武尊はもう一度にこっと笑った。
あまりにも可愛かったその笑顔に時尾の方がどきっとして、
「え、ええ・・・ではおみおつけを持って参りますね。武尊さんは座っててくださいな。」
と、台所へ戻ろうとすると、武尊が、
「あ、私も行きます。おにぎり自分で握らせて下さい!」
と、時尾を追いかけた。
ポリッ。
斎藤は浅漬けをかじりながら台所へ向かう二人を目で見送った。
(握り飯か・・・。)
武尊がおにぎりとお味噌汁をお膳に乗せて戻って来たとき斎藤は食べ終わって丁度立ち上がった時だった。
竹の葉でつつまれたおにぎりを斎藤は横目でちらっと見た。
(武尊の握り飯か・・・。)
武尊の作った物を食べたのはそう言えば、この間のカボチャが初めてだった。
あれはなかなか美味かった。
握り飯の方はどんな味がするのだろうか。
斎藤はふとそんな事を考えながら縁側に出て煙草に火を点けた。
武尊はその視線に気が付いて、
「あれ?斎藤さんおにぎりが食べたいんですか?だったらこれ、持ってってください。ただし塩おにぎりですけど。」
と言ってみた。
斎藤は本当はかなり食べてみたいという好奇心があったものの、
「いや・・・、いい。武尊が食べろ。腹が減ったと倒れられてもかなわんからな。」
と、言った。
そこへ武尊の後ろから夫のお膳をさげにきた時尾が、
「すみません五郎さん、丁度お米が切れて今朝の御飯がこれだけしかなかったんです。おにぎりがよろしければ明日作りますが如何いたしますか?」
とのこと。
「いや・・、いつも通り蕎麦でいい。では俺はそろそろ行くとするか。」
「いってらっしゃい藤田警部補。(診察)終わったら行きますから。」
「いってらっしゃい、五郎さん。」
と、二人は斎藤が出勤するのを玄関まで見送った。
居間ではすでに制服に着替えた斎藤が煙草を吸っており、そこへ丁度時尾が夫の朝餉を運んできたところだった。
「おはようございますー。」
普段通りの武尊の挨拶だったが斎藤と時尾はその顔を見て驚いた。
「ちょっと泣いちゃたから酷い顔になってしまいました。あっ・・・大丈夫ですよ、ただ腫れてるだけですから、あはっ。」
と、ちょっと照れながら武尊は素直に言い訳をした。
「ま、ま、まぁ・・・・武尊さん・・・。」
時尾はいったい何があったのかと・・・、その原因は思い当たるとしたら夫しかないとちらっと夫を見るが斎藤は特に変わったようすでもなく、
「武尊、おはよう。具合はどうだ?」
と、武尊に聞いたりするぐらいだ。
「あ、大分いいです。昨日あれだけ食べたお陰か、もうそんなにクラクラはしないです。ちょっとだるさは残ってますけど。」
「そうか、よかったな。」
と、短い言葉だったが自然に笑みを返しながら答えた。
そんな自然な二人のやりとりを見て、
(五郎さんが原因じゃなかったみたいね・・・、よかったわ。)
と、時尾は安心し武尊に、
「武尊さんも朝餉にしましょうね。」
と、話しかけると、
「あ・・・すみません、あまり食欲がなくて・・・たぶん食べ過ぎの胸やけですけど。でも、お味噌汁いただいてもいいですか?時尾さんのお味噌汁とてもおいしいから。あ、心配しないでください、具合は悪くないので。もしよかったら御飯のほうはおにぎりにしたいんですけど。」
と、時尾に申し出た。
食欲がないなんてここに来て一度もなかったことなのでその事に対して少々時尾は驚いたが、涙を流すほどの事があった後の武尊を気持ちを推し測り、
「わかりました。でもあまり御無理はなさらないでくださいね。」
と、心配して言った時尾に、
「ありがとうございます、時尾さん。でも今日は午前中は藤田警部補の許可を得て診療所へ行ってきますのでちょっと気が楽にできます。」
と、へへっと武尊は笑った。
と、言った。
「まぁ、それはよかったですね。お医者様に見ていただけたら安心出来ますもの。」
「はい。」
と、武尊はもう一度にこっと笑った。
あまりにも可愛かったその笑顔に時尾の方がどきっとして、
「え、ええ・・・ではおみおつけを持って参りますね。武尊さんは座っててくださいな。」
と、台所へ戻ろうとすると、武尊が、
「あ、私も行きます。おにぎり自分で握らせて下さい!」
と、時尾を追いかけた。
ポリッ。
斎藤は浅漬けをかじりながら台所へ向かう二人を目で見送った。
(握り飯か・・・。)
武尊がおにぎりとお味噌汁をお膳に乗せて戻って来たとき斎藤は食べ終わって丁度立ち上がった時だった。
竹の葉でつつまれたおにぎりを斎藤は横目でちらっと見た。
(武尊の握り飯か・・・。)
武尊の作った物を食べたのはそう言えば、この間のカボチャが初めてだった。
あれはなかなか美味かった。
握り飯の方はどんな味がするのだろうか。
斎藤はふとそんな事を考えながら縁側に出て煙草に火を点けた。
武尊はその視線に気が付いて、
「あれ?斎藤さんおにぎりが食べたいんですか?だったらこれ、持ってってください。ただし塩おにぎりですけど。」
と言ってみた。
斎藤は本当はかなり食べてみたいという好奇心があったものの、
「いや・・・、いい。武尊が食べろ。腹が減ったと倒れられてもかなわんからな。」
と、言った。
そこへ武尊の後ろから夫のお膳をさげにきた時尾が、
「すみません五郎さん、丁度お米が切れて今朝の御飯がこれだけしかなかったんです。おにぎりがよろしければ明日作りますが如何いたしますか?」
とのこと。
「いや・・、いつも通り蕎麦でいい。では俺はそろそろ行くとするか。」
「いってらっしゃい藤田警部補。(診察)終わったら行きますから。」
「いってらっしゃい、五郎さん。」
と、二人は斎藤が出勤するのを玄関まで見送った。