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110.【生まれ】は (斎藤・夢主・時尾)
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斎藤は灯りを持たずに廊下を歩いた。
今夜は星明りが明るい。
武尊のいる部屋の障子は開いていた。
斎藤が開いている障子の中央に立った時武尊は斎藤と丁度向い合せになるような恰好で座禅を組んでいた。
「起きているか。」
斎藤の呼びかけに武尊は静かに目を開けて斎藤を見た。
黒いシルエットの斎藤を見ながら武尊は、
「もう少し座禅をしてから寝ます。」
と言った。
「疲れないか。」
との斎藤の問いかけに武尊は、
「う・・・ん、なんか普通にしているとつい兄の事を考えてしまって・・・座禅をした方がいいです。無心になれますから。」
「そうか・・・。そんなところを邪魔をして悪いが悪いが先に薬らせてもらうぞ。薬はどこだ。」
と言って斎藤は部屋に入って来た。
「え、斎藤さんが塗るんですか!?ちょ・・・っ、時尾さんに見られたらやばいですって!座禅終わったら時尾さんに塗ってもらうからいいですっ!」
と、武尊は焦るが、
「時尾が俺に塗って来いと言ったんだ。」
と斎藤の言葉に、
「え?時尾さんが?それってどういう意味ですか?包帯を取るっていうことは・・・。」
「武尊に傷がついたのは任務を命じた俺の責任で、上司の俺は傷について把握しなければならないんだとさ。」
「そんな・・・、普通仕事で怪我しても上司に怪我なんか見せないし触らせたりはしませんよ。」
「・・・いいから傷を見せろ。薬を塗らないと俺が時尾に怒られる。」
「でも・・・。」
「武尊。」
「・・・はい・・。」
斎藤の穏やかに呼ぶ自分の名前に逆らえず武尊は頷いた。
武尊は立ち上がって部屋の隅に置いてある風呂敷を開いて一番上に置いてある貝の入れ物を持って縁側近くに立った。
「ここなら星明りで見えると思います。それとも灯りつけましょうか。」
「いや、これを塗るぐらいならこのままで十分だ、座れ。」
「はい。」
武尊は斎藤に薬を手渡すと着物から両肩を抜いて正座をした。
「ほら、手を横にあげろ。」
斎藤にそう言われて武尊は黙って腕を横にあげた。
斎藤は武尊のさらしを取っていく。
研究所の検査では医者に囲まれて全裸でいろいろ調べられた時は検査だからしかたがないと、別に羞恥心は感じなかったのに今日は違う。
別にこれからお楽しみというわけではないのにサラシを取られると言う行為だけで武尊は恥ずかしさで目腺を下に落とした。
「包帯も取るぞ。」
「はい・・・。」
ひとまき、ひとまき、包帯が胴の周りを回るたびに武尊の肌が露わになっていく。
(医者でもないのに自分の家で夫に居候の女の裸を見ろって・・・時尾さんって何を考えてるのかなぁ・・・。)
と、思いつつも恥ずかしさでますます俯きがちになる武尊とは反対に斎藤の眉間の皺は深くなっていく。
「四乃森の奴・・・・。」
斎藤はすっかり露わになった武尊の背中の大きな×印の傷を見て思わず唸るように言った声が口から漏れた。
そして自分が串刺しにした刀傷も確認した。
「・・・・。」
薬を塗る気配がないので武尊は、
「斎藤さん?」
と、斎藤が何をしているのか確認しようと振り向こうとすると、
「こっちを向け。」
と言われた。
「え?薬は背中に・・・。」
と言いかけたところで片腕を掴まれ、引っ張り上げられ立たされたと思ったら、くるっと回され前に向けさせられた。
武尊は思わず両手で胸を隠すが、
「手は下ろして前も良く見せろ。」
と、斎藤は言った。
武尊が斎藤を見ると斎藤はおおいに真面目な顔なので武尊も仕方なしに手を下ろした。
星灯りの下、胸が青い光に包まれる。
乳首がツンと立っていくのが分かるが幸いにも斎藤は本当に傷に集中してくれていた。
斎藤は武尊の牙突の侵入先、つまり武尊の腹部の丁度、刀の一回りほど大きいみみずばれのような瘢痕組織を触れ指先で何度もなぞった。
「くっ・・・。」
武尊の身体がピクっと反応し、くいしばっていた声が漏れた。
「・・・・武尊、ここは我慢しろ。」
人よりもずっと感じやすい武尊の身体。
斎藤も武尊の身体の反応に気が付き、低い声で武尊に言った。
「うん・・・。」
辛そうな声で武尊はスイッチが入らないように唇をぎゅっと噛んだ。
そして再び武尊の肩を持ち、反対に向けさせると刀が突き出た方の傷も何度も触れた。
「俺の方の傷は塞がっている・・・。」
「そうなんですよ・・・私も不思議に思っているんですけど・・・って・・座ってもいいですか斎藤さん・・・。」
武尊は限界だった。
カクンと膝を折ると、手を畳につけた。
違うと分かっていても肌を見られて斎藤の手に触れられるとどうしても感じてしまう。
武尊は、ハァと大きく息を吐くと、
「すみません・・・。」
(なんでこんなに感じやすいんだろうと武尊は自分の身体を恨めしく思った。)
そんな事を考えている武尊に斎藤は、
「腹が痛むことはないか。」
と尋ねた。
「え?(いきなりお腹の話ですか?)・・・お腹ですか?何ともないです、大丈夫です。」
と、武尊はちょっと面食らいながら答えた。
「一応確認の為の質問だ。腹の傷は臓腑が腐って死ぬことが多い。だが、傷痕が残ったとしても今日のようにたくさん食えるようならば大丈夫だな。」
「そうですね・・・、死ぬほどの傷がたった三日ぐらいでこうなるって、十六夜丸ってすごいですね。だけど、蒼紫に斬られた方はまだ、汁が出ているってお昼は時尾さんがいってましたけど、今はどうなってますか?」
「そうだな・・・傷口はまだ汁が滲んでいるな。だが、斬撃を喰らって瀕死だった事を考えればたかだか三日ぐらいでこの傷の状態はかなりいい方だと思うが。」
「そうですよね・・・それを考えたらこれくらいの痛みは我慢しなくちゃですよね。」
「そうだな。ちゃんと大人しくして早く傷を治せよ。」
「はいはい、大人しくしてますょぉ・・・。」
斎藤はちょっとすねるように言う武尊にふっと、笑い、
「ほら、薬を縫ってやる。」
と、丁寧に傷に薬を塗って包帯を巻いてやった。
今夜は星明りが明るい。
武尊のいる部屋の障子は開いていた。
斎藤が開いている障子の中央に立った時武尊は斎藤と丁度向い合せになるような恰好で座禅を組んでいた。
「起きているか。」
斎藤の呼びかけに武尊は静かに目を開けて斎藤を見た。
黒いシルエットの斎藤を見ながら武尊は、
「もう少し座禅をしてから寝ます。」
と言った。
「疲れないか。」
との斎藤の問いかけに武尊は、
「う・・・ん、なんか普通にしているとつい兄の事を考えてしまって・・・座禅をした方がいいです。無心になれますから。」
「そうか・・・。そんなところを邪魔をして悪いが悪いが先に薬らせてもらうぞ。薬はどこだ。」
と言って斎藤は部屋に入って来た。
「え、斎藤さんが塗るんですか!?ちょ・・・っ、時尾さんに見られたらやばいですって!座禅終わったら時尾さんに塗ってもらうからいいですっ!」
と、武尊は焦るが、
「時尾が俺に塗って来いと言ったんだ。」
と斎藤の言葉に、
「え?時尾さんが?それってどういう意味ですか?包帯を取るっていうことは・・・。」
「武尊に傷がついたのは任務を命じた俺の責任で、上司の俺は傷について把握しなければならないんだとさ。」
「そんな・・・、普通仕事で怪我しても上司に怪我なんか見せないし触らせたりはしませんよ。」
「・・・いいから傷を見せろ。薬を塗らないと俺が時尾に怒られる。」
「でも・・・。」
「武尊。」
「・・・はい・・。」
斎藤の穏やかに呼ぶ自分の名前に逆らえず武尊は頷いた。
武尊は立ち上がって部屋の隅に置いてある風呂敷を開いて一番上に置いてある貝の入れ物を持って縁側近くに立った。
「ここなら星明りで見えると思います。それとも灯りつけましょうか。」
「いや、これを塗るぐらいならこのままで十分だ、座れ。」
「はい。」
武尊は斎藤に薬を手渡すと着物から両肩を抜いて正座をした。
「ほら、手を横にあげろ。」
斎藤にそう言われて武尊は黙って腕を横にあげた。
斎藤は武尊のさらしを取っていく。
研究所の検査では医者に囲まれて全裸でいろいろ調べられた時は検査だからしかたがないと、別に羞恥心は感じなかったのに今日は違う。
別にこれからお楽しみというわけではないのにサラシを取られると言う行為だけで武尊は恥ずかしさで目腺を下に落とした。
「包帯も取るぞ。」
「はい・・・。」
ひとまき、ひとまき、包帯が胴の周りを回るたびに武尊の肌が露わになっていく。
(医者でもないのに自分の家で夫に居候の女の裸を見ろって・・・時尾さんって何を考えてるのかなぁ・・・。)
と、思いつつも恥ずかしさでますます俯きがちになる武尊とは反対に斎藤の眉間の皺は深くなっていく。
「四乃森の奴・・・・。」
斎藤はすっかり露わになった武尊の背中の大きな×印の傷を見て思わず唸るように言った声が口から漏れた。
そして自分が串刺しにした刀傷も確認した。
「・・・・。」
薬を塗る気配がないので武尊は、
「斎藤さん?」
と、斎藤が何をしているのか確認しようと振り向こうとすると、
「こっちを向け。」
と言われた。
「え?薬は背中に・・・。」
と言いかけたところで片腕を掴まれ、引っ張り上げられ立たされたと思ったら、くるっと回され前に向けさせられた。
武尊は思わず両手で胸を隠すが、
「手は下ろして前も良く見せろ。」
と、斎藤は言った。
武尊が斎藤を見ると斎藤はおおいに真面目な顔なので武尊も仕方なしに手を下ろした。
星灯りの下、胸が青い光に包まれる。
乳首がツンと立っていくのが分かるが幸いにも斎藤は本当に傷に集中してくれていた。
斎藤は武尊の牙突の侵入先、つまり武尊の腹部の丁度、刀の一回りほど大きいみみずばれのような瘢痕組織を触れ指先で何度もなぞった。
「くっ・・・。」
武尊の身体がピクっと反応し、くいしばっていた声が漏れた。
「・・・・武尊、ここは我慢しろ。」
人よりもずっと感じやすい武尊の身体。
斎藤も武尊の身体の反応に気が付き、低い声で武尊に言った。
「うん・・・。」
辛そうな声で武尊はスイッチが入らないように唇をぎゅっと噛んだ。
そして再び武尊の肩を持ち、反対に向けさせると刀が突き出た方の傷も何度も触れた。
「俺の方の傷は塞がっている・・・。」
「そうなんですよ・・・私も不思議に思っているんですけど・・・って・・座ってもいいですか斎藤さん・・・。」
武尊は限界だった。
カクンと膝を折ると、手を畳につけた。
違うと分かっていても肌を見られて斎藤の手に触れられるとどうしても感じてしまう。
武尊は、ハァと大きく息を吐くと、
「すみません・・・。」
(なんでこんなに感じやすいんだろうと武尊は自分の身体を恨めしく思った。)
そんな事を考えている武尊に斎藤は、
「腹が痛むことはないか。」
と尋ねた。
「え?(いきなりお腹の話ですか?)・・・お腹ですか?何ともないです、大丈夫です。」
と、武尊はちょっと面食らいながら答えた。
「一応確認の為の質問だ。腹の傷は臓腑が腐って死ぬことが多い。だが、傷痕が残ったとしても今日のようにたくさん食えるようならば大丈夫だな。」
「そうですね・・・、死ぬほどの傷がたった三日ぐらいでこうなるって、十六夜丸ってすごいですね。だけど、蒼紫に斬られた方はまだ、汁が出ているってお昼は時尾さんがいってましたけど、今はどうなってますか?」
「そうだな・・・傷口はまだ汁が滲んでいるな。だが、斬撃を喰らって瀕死だった事を考えればたかだか三日ぐらいでこの傷の状態はかなりいい方だと思うが。」
「そうですよね・・・それを考えたらこれくらいの痛みは我慢しなくちゃですよね。」
「そうだな。ちゃんと大人しくして早く傷を治せよ。」
「はいはい、大人しくしてますょぉ・・・。」
斎藤はちょっとすねるように言う武尊にふっと、笑い、
「ほら、薬を縫ってやる。」
と、丁寧に傷に薬を塗って包帯を巻いてやった。