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108.幻の名刀 (斎藤・夢主・張)
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「ぬ・・・抜けおった。」
と張が声を震わして刀に近寄ってきた。
武尊は刀身をゆっくり全部鞘から出すと、
「はい。」
と、張に渡した。
「あ、おおきに・・。」
張は自分があれほどやっても抜けなかった刀が武尊があまりにも自然に抜いたことが悔しかったが、不意に武尊から刀を渡されそれどころではなくたった。
張はすぐに刀に夢中になった。
「鎬造(しのぎづくり)に庵棟(いおりむね)・・・幅広の刀身に薄い重ね(厚み)ちゅうことでこの軽さ・・・高い腰反りに猪首か・・・」
ぶつぶつと特徴を確認しながら鋭い眼でしばらく刀を見分していた張だったが、折角抜いたもらった刀身を鞘に納めて今度は、
「武尊、目釘も抜いてくれへんか。銘も確認したいんや。」
と道具を武尊に渡した。
武尊は張のジェスチャーを見ながら
「こう・・・かな。」
と、目釘抜を二カ所に刺すと、無駄なく目釘が外れた。
「後はちょいとコツがいるねん、貸してみ。」
と張は刀を武尊から受け取った後は不思議なことに張にも鞘が取れた。
そして柄を持った片手をもう片方の手でコンコンコンと叩くと、クラっと刀身が揺れ、柄から抜けた。
「来た!」
と張が待ちかねた銘を見ると
【備前国包平作】
と彫ってあった。
「思うた通りや!【大包平(おおかねひら)】や!」
と、張が叫んだ。
「大包平か・・・。すごい物が出て来たな・・・まさか本物か?」
流石の斎藤も少し興奮気味で言った。
「おおかねひら?って、すごいの?」
一人だけ部外者っぽい感じがするなと思いつつ、武尊は聞いた。
「凄いも何も、健全無比の豪刀として収集家の伝説となっている刀や。池田輝政がその価値を 『一国に替え難い』 ちゅうたって言われてんねん。」
「へぇ・・・。(池田輝政ってそもそも誰!?)」
頭上に?マークを浮かべている武尊に斎藤が少し大包平について説明をする。
「物は平安時代の古備前派の刀工、包平(かねひら)の作と言われている。通常、包平の作った刀の銘は【包平】としか彫られていないが大包平だけは【備前国包平作】と長銘が刻まれている。だが【大包平】は池田輝政以来岡山藩主が代々家宝として持っていると言われている・・・。幕末に武尊の兄が持っていたというのはのは腑に落ちん。」
「せやけど、銘は【備前国包平作】やで。ちゅうことはこれも【大包平】ちゅうことになるんやないか。刀の特徴も間違いあらへんで。」
「そうだ。だとすると、この世に少なくとも二本は【大包平】が存在するということになるな。これほどの刀だ、最初から二本作られたと考えてもいいかもしれん。」
「真打か!?ほな、どっちが・・・。」
「それはわからん。だが実際これは人の手に渡って血に濡れた刀だ。奉納されていたとは思えんな。」
「せやけど旦那、池田輝政が手に入れた方も真打とは考えにくいで。普通真打ちゅうのは人には渡さへんもんやろ?」
「普通はな。ともかくこれが【大包平】であることは間違いないだろう。」
「えらいもんが出てきおったのぉ~。やっぱり久しぶりにええ刀見たわ~。」
と張が改めて刀身を惚れ惚れ見ていると斎藤が、
「もういいだろう、早く元に戻せ。」
「え~、もっと見ていたいねんけど・・・。」
と張が名残惜しそうに刀身を見る。
「貴様は小田原へ行くんだろう。ぐだぐだして汽車に乗り遅れるなよ。」
「しもうた!そうやったー!せやけど刀がわいに言いよるねん、『張と離れとうない』ちゅうて。」
と、刀にチュウをしようとする仕草に斎藤が、
「阿呆。」
と片手で刀を取り、片手で張の顔を押しのけると、
「後は俺がやっておく。とっとと行け。」
と、斎藤は張の方も見ないで道具箱から手入れ紙を取り出しにかかった。
「あうー。」
張は本当に名残惜しそうに刀を見ていた。
「張、総務の方に預かっててもらうからまた帰って来たら見せてもらえばいいんじゃない?ね、だからとりあえず行ってきて。汽車の時間もあるから。」
と武尊が言うと、
「しゃあない、ほんましゃあないけど武尊がそう言うなら行って来るわ・・・ほな。」
と張は後ろ髪を引かれながら出かけて行った。
メモ:
【大包平】
サイズ的には、刃長89.2cm、反り3.5cm、元幅3.7cm。
身長が160cmぐらいの夢主に持たせるにはちょっと長めなのですが何より魅力なのはその重量!
通常の太刀だとこれくらいの長さで2kgを超えるそうなのですが、【大包平】は重ね(厚さ)が薄いのでその重量は1.35kgほどです。
これなら細腕の夢主にもぴったりです。(重さは!)
ちなみに斎藤さんの今の刀は剣心に言わせれば、三尺七寸(112.11cm)。
【大包平】の89.2cmというのは刃長なので柄の長さを考えれば斎藤さんと同じぐらいの長さになるのかなぁ・・・。
・・・ちょっと長いですね。^^;
ちなみに【大包平】は現存します。
国宝です!
現在は東京国立博物館の方で収蔵されているらしいです。
(いつも展示されているとは限らないようです。)
昭和42年に国が池田家から当時の6,500万円でお買い上げになったそうだとか・・・。
大包平 写真
で検索しますとたくさんの方が撮った写真の画像が出てきます。
良く撮れているものはネット越しでもため息が出るほどその美しさが感じられると思います。
と張が声を震わして刀に近寄ってきた。
武尊は刀身をゆっくり全部鞘から出すと、
「はい。」
と、張に渡した。
「あ、おおきに・・。」
張は自分があれほどやっても抜けなかった刀が武尊があまりにも自然に抜いたことが悔しかったが、不意に武尊から刀を渡されそれどころではなくたった。
張はすぐに刀に夢中になった。
「鎬造(しのぎづくり)に庵棟(いおりむね)・・・幅広の刀身に薄い重ね(厚み)ちゅうことでこの軽さ・・・高い腰反りに猪首か・・・」
ぶつぶつと特徴を確認しながら鋭い眼でしばらく刀を見分していた張だったが、折角抜いたもらった刀身を鞘に納めて今度は、
「武尊、目釘も抜いてくれへんか。銘も確認したいんや。」
と道具を武尊に渡した。
武尊は張のジェスチャーを見ながら
「こう・・・かな。」
と、目釘抜を二カ所に刺すと、無駄なく目釘が外れた。
「後はちょいとコツがいるねん、貸してみ。」
と張は刀を武尊から受け取った後は不思議なことに張にも鞘が取れた。
そして柄を持った片手をもう片方の手でコンコンコンと叩くと、クラっと刀身が揺れ、柄から抜けた。
「来た!」
と張が待ちかねた銘を見ると
【備前国包平作】
と彫ってあった。
「思うた通りや!【大包平(おおかねひら)】や!」
と、張が叫んだ。
「大包平か・・・。すごい物が出て来たな・・・まさか本物か?」
流石の斎藤も少し興奮気味で言った。
「おおかねひら?って、すごいの?」
一人だけ部外者っぽい感じがするなと思いつつ、武尊は聞いた。
「凄いも何も、健全無比の豪刀として収集家の伝説となっている刀や。池田輝政がその価値を 『一国に替え難い』 ちゅうたって言われてんねん。」
「へぇ・・・。(池田輝政ってそもそも誰!?)」
頭上に?マークを浮かべている武尊に斎藤が少し大包平について説明をする。
「物は平安時代の古備前派の刀工、包平(かねひら)の作と言われている。通常、包平の作った刀の銘は【包平】としか彫られていないが大包平だけは【備前国包平作】と長銘が刻まれている。だが【大包平】は池田輝政以来岡山藩主が代々家宝として持っていると言われている・・・。幕末に武尊の兄が持っていたというのはのは腑に落ちん。」
「せやけど、銘は【備前国包平作】やで。ちゅうことはこれも【大包平】ちゅうことになるんやないか。刀の特徴も間違いあらへんで。」
「そうだ。だとすると、この世に少なくとも二本は【大包平】が存在するということになるな。これほどの刀だ、最初から二本作られたと考えてもいいかもしれん。」
「真打か!?ほな、どっちが・・・。」
「それはわからん。だが実際これは人の手に渡って血に濡れた刀だ。奉納されていたとは思えんな。」
「せやけど旦那、池田輝政が手に入れた方も真打とは考えにくいで。普通真打ちゅうのは人には渡さへんもんやろ?」
「普通はな。ともかくこれが【大包平】であることは間違いないだろう。」
「えらいもんが出てきおったのぉ~。やっぱり久しぶりにええ刀見たわ~。」
と張が改めて刀身を惚れ惚れ見ていると斎藤が、
「もういいだろう、早く元に戻せ。」
「え~、もっと見ていたいねんけど・・・。」
と張が名残惜しそうに刀身を見る。
「貴様は小田原へ行くんだろう。ぐだぐだして汽車に乗り遅れるなよ。」
「しもうた!そうやったー!せやけど刀がわいに言いよるねん、『張と離れとうない』ちゅうて。」
と、刀にチュウをしようとする仕草に斎藤が、
「阿呆。」
と片手で刀を取り、片手で張の顔を押しのけると、
「後は俺がやっておく。とっとと行け。」
と、斎藤は張の方も見ないで道具箱から手入れ紙を取り出しにかかった。
「あうー。」
張は本当に名残惜しそうに刀を見ていた。
「張、総務の方に預かっててもらうからまた帰って来たら見せてもらえばいいんじゃない?ね、だからとりあえず行ってきて。汽車の時間もあるから。」
と武尊が言うと、
「しゃあない、ほんましゃあないけど武尊がそう言うなら行って来るわ・・・ほな。」
と張は後ろ髪を引かれながら出かけて行った。
メモ:
【大包平】
サイズ的には、刃長89.2cm、反り3.5cm、元幅3.7cm。
身長が160cmぐらいの夢主に持たせるにはちょっと長めなのですが何より魅力なのはその重量!
通常の太刀だとこれくらいの長さで2kgを超えるそうなのですが、【大包平】は重ね(厚さ)が薄いのでその重量は1.35kgほどです。
これなら細腕の夢主にもぴったりです。(重さは!)
ちなみに斎藤さんの今の刀は剣心に言わせれば、三尺七寸(112.11cm)。
【大包平】の89.2cmというのは刃長なので柄の長さを考えれば斎藤さんと同じぐらいの長さになるのかなぁ・・・。
・・・ちょっと長いですね。^^;
ちなみに【大包平】は現存します。
国宝です!
現在は東京国立博物館の方で収蔵されているらしいです。
(いつも展示されているとは限らないようです。)
昭和42年に国が池田家から当時の6,500万円でお買い上げになったそうだとか・・・。
大包平 写真
で検索しますとたくさんの方が撮った写真の画像が出てきます。
良く撮れているものはネット越しでもため息が出るほどその美しさが感じられると思います。