※1 記憶を失っている時の名前は変換できません。
108.幻の名刀 (斎藤・夢主・張)
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「大丈夫か。」
「あ・・・、はい・・大丈夫です。」
武尊は斎藤に呼ばれ、現実の世界に戻って来た感じがした。
「・・・あれ、川路は?」
「帰ったぞ。」
「いつの間に・・・。」
川路が帰ったことに全く気が付いていたかった武尊は刀はどこかと部屋を見回した。
すると張が作業台に置いた刀を腕を組んで睨んでいるのが視界に入った。
そんな武尊に斎藤が、
「抜けないほどに酷使したのか?手入れはどうしていた。」
と、聞いた。
「手入れは兄が・・・。」
と斎藤の聞きようにビクっとしながらも武尊が答えると、張が、
「兄やて?川路の男の話、ちゅうのは武尊の兄さんのことなんか?!」
と、驚いて口を挟んだ。
さっきは川路に『そんな刀やったらそのまんま武尊にくれてやったらええんちゃうんか。』なんてつい、言ってしまったがそれはこの刀がちょっと凝った装飾の刀ぐらいにしか思っていなかったから。
「どこで手に入れたんや。」
とたたみかけるように言う張。
「・・・・。」
武尊は返答に困った。
「五月蝿い、黙れ。」
と斎藤が張に言う。
張はいろいろ刀について質問したかったが斎藤にそう言われ、口をパクパクしていた。
斎藤が張を制し、武尊の返事を待った。
武尊はゆっくりと思い出すように、
「手入れは兄がしてた・・・といっても実際にしていたところは二回ぐらいしか見たことないけど。・・・大抵は私が寝ている間に終わっちゃってたみたいだから。」
と言った。
「そうか・・・なら錆びているという訳でもなさそうだな。」
と言う斎藤に武尊は首をちょっと傾げた。
それを見て斎藤は、
「つまりだ、手入れが出来ていたということは兄も刀が抜くことが出来たということだ。供養に出す前にちゃんと手入れをしていたとすれば、十年そこらで錆びるということなどない。」
「ほんなら何で抜けんのや~。」
と、張はどないしてもわからん、という風にお手上げのポーズをとった。
「抜けない?全然?」
と、武尊が張に聞いた。
「なんや武尊もさっき見とったやろ、わいが思いっきりこれ抜こうとしとったのを。」
「ごめん、ちょっと考え事していて見てなかった・・・。」
「嘘やろ~。」
と、張はがっくり首を落とした。
武尊は立ち上がると張の横に立って台に置いてある刀を見下ろした。
「(抜けないなんて)そんなことはなかったはず・・・。」
と、武尊は言いながら刀を手に取った。
(斎藤さんが錆びてないって言うならなおさら。)
と思いつつ、かつて武尊はちょっとだけ鯉口を切って中を見たことがある、という事を思い出した。
それはたった15cmほどだったけど。
素人見でも完璧に美しいと思えるほどの刀、その美しすぎる刀に身震いして武尊は刀身をすぐに鞘に納めたんだった、と武尊は回想していた。
再び手にした刀を武尊はぐっと握り直し、
(力なんかぜんぜんいらなかったけど、変形でもしたのかなぁ。)
と、思いつつ柄と鞘にクン、と軽く力を入れた。
鞘は静かに、すっと抜かれ、ランプの光を反射し刀が白く光った。
「!」
「!」
張は飛び出るほどに目を開き(口も唖然と開いていたが)、斎藤もこれには目を見開いた。
「抜けたけど・・・。」
と言った武尊は逆に斎藤と張を交互に見てその驚き具合に驚いた。
「あ・・・、はい・・大丈夫です。」
武尊は斎藤に呼ばれ、現実の世界に戻って来た感じがした。
「・・・あれ、川路は?」
「帰ったぞ。」
「いつの間に・・・。」
川路が帰ったことに全く気が付いていたかった武尊は刀はどこかと部屋を見回した。
すると張が作業台に置いた刀を腕を組んで睨んでいるのが視界に入った。
そんな武尊に斎藤が、
「抜けないほどに酷使したのか?手入れはどうしていた。」
と、聞いた。
「手入れは兄が・・・。」
と斎藤の聞きようにビクっとしながらも武尊が答えると、張が、
「兄やて?川路の男の話、ちゅうのは武尊の兄さんのことなんか?!」
と、驚いて口を挟んだ。
さっきは川路に『そんな刀やったらそのまんま武尊にくれてやったらええんちゃうんか。』なんてつい、言ってしまったがそれはこの刀がちょっと凝った装飾の刀ぐらいにしか思っていなかったから。
「どこで手に入れたんや。」
とたたみかけるように言う張。
「・・・・。」
武尊は返答に困った。
「五月蝿い、黙れ。」
と斎藤が張に言う。
張はいろいろ刀について質問したかったが斎藤にそう言われ、口をパクパクしていた。
斎藤が張を制し、武尊の返事を待った。
武尊はゆっくりと思い出すように、
「手入れは兄がしてた・・・といっても実際にしていたところは二回ぐらいしか見たことないけど。・・・大抵は私が寝ている間に終わっちゃってたみたいだから。」
と言った。
「そうか・・・なら錆びているという訳でもなさそうだな。」
と言う斎藤に武尊は首をちょっと傾げた。
それを見て斎藤は、
「つまりだ、手入れが出来ていたということは兄も刀が抜くことが出来たということだ。供養に出す前にちゃんと手入れをしていたとすれば、十年そこらで錆びるということなどない。」
「ほんなら何で抜けんのや~。」
と、張はどないしてもわからん、という風にお手上げのポーズをとった。
「抜けない?全然?」
と、武尊が張に聞いた。
「なんや武尊もさっき見とったやろ、わいが思いっきりこれ抜こうとしとったのを。」
「ごめん、ちょっと考え事していて見てなかった・・・。」
「嘘やろ~。」
と、張はがっくり首を落とした。
武尊は立ち上がると張の横に立って台に置いてある刀を見下ろした。
「(抜けないなんて)そんなことはなかったはず・・・。」
と、武尊は言いながら刀を手に取った。
(斎藤さんが錆びてないって言うならなおさら。)
と思いつつ、かつて武尊はちょっとだけ鯉口を切って中を見たことがある、という事を思い出した。
それはたった15cmほどだったけど。
素人見でも完璧に美しいと思えるほどの刀、その美しすぎる刀に身震いして武尊は刀身をすぐに鞘に納めたんだった、と武尊は回想していた。
再び手にした刀を武尊はぐっと握り直し、
(力なんかぜんぜんいらなかったけど、変形でもしたのかなぁ。)
と、思いつつ柄と鞘にクン、と軽く力を入れた。
鞘は静かに、すっと抜かれ、ランプの光を反射し刀が白く光った。
「!」
「!」
張は飛び出るほどに目を開き(口も唖然と開いていたが)、斎藤もこれには目を見開いた。
「抜けたけど・・・。」
と言った武尊は逆に斎藤と張を交互に見てその驚き具合に驚いた。