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107.抜けない刀 (斎藤・夢主・張・川路)
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「で何の用ですか?お急ぎの件でも?」
と、武尊が聞いた。
わざわざ来なくても呼びつければ事足りるその階級のその人物・・・、川路警視総監は武尊に向かって、
「総務の者がお前を見かけたと話していたのを聞いてな、で、今のうちにとこれを持って来た。儂も土岐と話す時間がなかなか取れないからな。」
と川路は後ろを向いて連れて来たと思われる副官からある物を取り、そこで副官を帰すとバタンと扉を閉めた。
「このような物が手に入ったんだがどうだ。とりあえず土岐が言う手掛かりになればいいかと思ったんだが。出かける前にとりあえず渡しておこうと思ってな。儂はこれから陸軍卿の所に行かねばならんからな。」
と、川路は色あせた袋の帯を解いた。
袋の形からすでに中身が何であるのか推測できた。
川路はゆっくりと刀を取り出した中から出てきたのは古そうなこしらえの刀だった。
「あっ!」
武尊思わず叫んだ。
そんな武尊を斎藤が静かに目で追った。
張はまさか武尊が刀に反応するなんて思ってもなくて、
「どないしたんや、武尊。」
と言った。
「いや・・・。」
何でもないと張に言ったつもりが言葉にならず、
「これ・・・、どうしたんですか。」
と、川路に言うのがやっとだった。
似ている・・・、というかまさにそれではないかと思う外観。
古びた朱色の柄巻に黒の漆塗りの鞘。
鞘の一部に大分剥げてはいるが極細の金の線で蔓(つる)と花が描かれている。
「会津のある寺にあった物だ。」
と川路は言い武尊にそれを手渡そうとカツカツ歩いて来た。
武尊はソファーから立ち上がってそれを受け取ろうと手を伸ばしたがその手が震える。
「役に立ちそうか?」
と川路が言いながら武尊に手渡した。
「ありがとうございます・・・。」
と武尊は川路に絞り出すように礼を言い、刀を受け取ると、力なくソファーへと座り込んでしまった。
と、武尊が聞いた。
わざわざ来なくても呼びつければ事足りるその階級のその人物・・・、川路警視総監は武尊に向かって、
「総務の者がお前を見かけたと話していたのを聞いてな、で、今のうちにとこれを持って来た。儂も土岐と話す時間がなかなか取れないからな。」
と川路は後ろを向いて連れて来たと思われる副官からある物を取り、そこで副官を帰すとバタンと扉を閉めた。
「このような物が手に入ったんだがどうだ。とりあえず土岐が言う手掛かりになればいいかと思ったんだが。出かける前にとりあえず渡しておこうと思ってな。儂はこれから陸軍卿の所に行かねばならんからな。」
と、川路は色あせた袋の帯を解いた。
袋の形からすでに中身が何であるのか推測できた。
川路はゆっくりと刀を取り出した中から出てきたのは古そうなこしらえの刀だった。
「あっ!」
武尊思わず叫んだ。
そんな武尊を斎藤が静かに目で追った。
張はまさか武尊が刀に反応するなんて思ってもなくて、
「どないしたんや、武尊。」
と言った。
「いや・・・。」
何でもないと張に言ったつもりが言葉にならず、
「これ・・・、どうしたんですか。」
と、川路に言うのがやっとだった。
似ている・・・、というかまさにそれではないかと思う外観。
古びた朱色の柄巻に黒の漆塗りの鞘。
鞘の一部に大分剥げてはいるが極細の金の線で蔓(つる)と花が描かれている。
「会津のある寺にあった物だ。」
と川路は言い武尊にそれを手渡そうとカツカツ歩いて来た。
武尊はソファーから立ち上がってそれを受け取ろうと手を伸ばしたがその手が震える。
「役に立ちそうか?」
と川路が言いながら武尊に手渡した。
「ありがとうございます・・・。」
と武尊は川路に絞り出すように礼を言い、刀を受け取ると、力なくソファーへと座り込んでしまった。