※1 記憶を失っている時の名前は変換できません。
104.墓参帰路 (斎藤・夢主・比古・剣心・薫)
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
薫に呼ばれて剣心ははっと我に返った。
「もう、剣心たら・・。若しかして疲れた?」
「いや、大丈夫でござるよ。」
剣心は薫に優しく笑みを浮かべて言った。
「それならいいんだけど・・・、そう言えば弥彦の方は元気になったかしら。」
「蒼紫と操殿に留守を頼んでおいたから心配ないでござろう。」
「そうね、燕ちゃんもお店の合間に来てくれるって言ってくれてたし。・・・でも操ちゃん達には申し訳ないわ。本来京都に帰るのは操ちゃん達のはずだったのに。私の無理なお願い(巴さんのお墓参り)の間弥彦を見ててって、そんなお願いまでしちゃったし。さんざん葵屋でお世話になったばっかりなのにね。」
「いや、巴の墓参りは拙者から言いだしたこと。本当に操殿や蒼紫の手助けはありがたいでござるよ。」
「今度は操ちゃん達にうちでゆっくりしてもらおうね、剣心。」
「それがいいでござる。神谷道場には幸い門下生は弥彦しかいないでござるから空き部屋には困る事はないでござるからな。」
ははっ、と自然に笑う剣心に対し、薫は、
(剣心~~!今のは悪気がないってわかるから聞き流してあげるけど。)
と、思いつつ、気を取り直して
「剣心・・・、私はあの夜縁に連れ去られたから状況がよく分からないんだけど家の方は大丈夫だったの?」
「おろっ、そうでござった。(いや、拙者もあれから実は道場に戻ってないのでござるが・・・確か・・・。)道場は壊滅でござったが母屋の損傷はそれほどでもなかった(ような気がした)・・で、ござるよ薫殿。」
「そう、それはよかった・・・わ・・・って、一概によかったとも言っていられないわよね~。」
薫は上を向きながら、はぁ~、っとため息をついた。
剣心に恨みを持っている縁が【人誅】と称し、自分の道場が戦いの場になったのは仕方がないとしても薫から出るのは大きなため息だった。
斎藤が左之助を見せしめに置いて行ったときの道場の修復、その後の斎藤と剣心が壊した道場の補修がやっと終わったと思ったら今回の破壊。
出費が・・・・・。
切り詰めるとしたら食費しかない。
「帰ってから暫くはおかずなしね。」
「すまんでござるよ、薫殿~、拙者、帰ったらすぐにでも片づけをするでござるから。それに左之にも頼んでおいたでござるから。」
「剣心はいいの!その腕を直してからにして頂戴!」
きっ、っと薫は目を三角にして剣心に言った。
「左之助が片付けなんてしてるわけがないじゃない!」
「いや、左之はあれでも出来た男でござるから・・・。」
「ふん、きっとご飯にありつけなかったら道場にも来てやしないでしょうね。」
「いやいや薫殿~、それは左之に失礼でござるよ~。」
いや、この場合は薫の方が正しかった。
「ま、男手といえば四乃森さんもいる事だし、今の内に片付けや修理をして、新しい門下生が来れるようにしなくっちゃね。」
「薫殿、その心配は無用でござるよ、どうせ誰も・・。」
「剣~心~!」
「いや・・、それは、その・・でござるよ、薫殿、蒼紫も東京で何か用事があると言っていたでござるし片付けは気長にやるでござるよ。」
と、慌てる剣心に、
「あっ。」
っと、薫は何かを思い出したように小さく呟いた。
「どうしたでござるか?」
「そうだわ、島から帰って来る時に四乃森さんから聞いたんだけど、操ちゃん達、今回私達の所に来るのに巴さんの日記の件だけじゃなくて比古清十郎のお弟子さんを連れて来たって言っていたわ。剣心その時寝てたから知らないと思うけど。」
「え?師匠の弟子?・・・でござるか?」
師匠は確か弟子は取らないと言っていたはず・・・、と剣心が思っていると、
「それがね、陶芸の方のお弟子さんなんですって。いったい何の為に来るのか剣心心当たりある?」
「え?陶芸、でござるか?(あの師匠が陶芸の弟子を?・・・有り得ない。)」
と、剣心は知り得るすべての情報を駆使して比古について分析するが、あの人間嫌いの比古清十郎が弟子を取るなんてとても考えられなかった。
陶芸と言いつつも本当は御剣流の弟子という可能性もあるのでは、と剣心は思った。
(拙者が飛天御剣流の継承を断わったからでござろうか・・・。)
剣心はふっと目を伏し目がちにして考えた。
確かに拙者が後を継がないとなれば誰が次の世代の弱き者を守るのでござろう。
師匠はそれを危惧されたのかもしれない。
飛天御剣流の継承は命の継承・・・若しかすれば師匠が自分の命を継がせたいと思う程の才能を持った人間が現れたのか・・・。
だが陶芸の方の弟子とはどう考えても考えつかん。
芸術家である事は師匠にとって隠れ蓑にしかすぎないはず・・・。
(何故に・・・。)
考え込む剣心の横で薫が良い事を思いついたと、剣心の前に出てそのアイディアを話した。
「ねえ剣心、お弟子さんってどんな人なのかな。比古清十郎の焼き物ってその道ではちょっと名が知れてるんでしょ?ちょちょっと作ってもらって道場再建の資金でも作ってもらおうかなぁ~。ね、剣心、頼んでみて。」
「え!拙者でござるか~、拙者は会った事もござらんし、どうも拙者はそういう話は苦手でござる~。」
「道場再建の為よ剣心!」
薫は剣心の両肩をつかみ、ゆさゆさとゆすった。
「おろ~、そういう役は薫殿にお任せするでござるよ~。薫殿~腕が痛いでござるよ~。」
と、剣心は目をぐるぐる回した。
「もう、剣心たら・・。若しかして疲れた?」
「いや、大丈夫でござるよ。」
剣心は薫に優しく笑みを浮かべて言った。
「それならいいんだけど・・・、そう言えば弥彦の方は元気になったかしら。」
「蒼紫と操殿に留守を頼んでおいたから心配ないでござろう。」
「そうね、燕ちゃんもお店の合間に来てくれるって言ってくれてたし。・・・でも操ちゃん達には申し訳ないわ。本来京都に帰るのは操ちゃん達のはずだったのに。私の無理なお願い(巴さんのお墓参り)の間弥彦を見ててって、そんなお願いまでしちゃったし。さんざん葵屋でお世話になったばっかりなのにね。」
「いや、巴の墓参りは拙者から言いだしたこと。本当に操殿や蒼紫の手助けはありがたいでござるよ。」
「今度は操ちゃん達にうちでゆっくりしてもらおうね、剣心。」
「それがいいでござる。神谷道場には幸い門下生は弥彦しかいないでござるから空き部屋には困る事はないでござるからな。」
ははっ、と自然に笑う剣心に対し、薫は、
(剣心~~!今のは悪気がないってわかるから聞き流してあげるけど。)
と、思いつつ、気を取り直して
「剣心・・・、私はあの夜縁に連れ去られたから状況がよく分からないんだけど家の方は大丈夫だったの?」
「おろっ、そうでござった。(いや、拙者もあれから実は道場に戻ってないのでござるが・・・確か・・・。)道場は壊滅でござったが母屋の損傷はそれほどでもなかった(ような気がした)・・で、ござるよ薫殿。」
「そう、それはよかった・・・わ・・・って、一概によかったとも言っていられないわよね~。」
薫は上を向きながら、はぁ~、っとため息をついた。
剣心に恨みを持っている縁が【人誅】と称し、自分の道場が戦いの場になったのは仕方がないとしても薫から出るのは大きなため息だった。
斎藤が左之助を見せしめに置いて行ったときの道場の修復、その後の斎藤と剣心が壊した道場の補修がやっと終わったと思ったら今回の破壊。
出費が・・・・・。
切り詰めるとしたら食費しかない。
「帰ってから暫くはおかずなしね。」
「すまんでござるよ、薫殿~、拙者、帰ったらすぐにでも片づけをするでござるから。それに左之にも頼んでおいたでござるから。」
「剣心はいいの!その腕を直してからにして頂戴!」
きっ、っと薫は目を三角にして剣心に言った。
「左之助が片付けなんてしてるわけがないじゃない!」
「いや、左之はあれでも出来た男でござるから・・・。」
「ふん、きっとご飯にありつけなかったら道場にも来てやしないでしょうね。」
「いやいや薫殿~、それは左之に失礼でござるよ~。」
いや、この場合は薫の方が正しかった。
「ま、男手といえば四乃森さんもいる事だし、今の内に片付けや修理をして、新しい門下生が来れるようにしなくっちゃね。」
「薫殿、その心配は無用でござるよ、どうせ誰も・・。」
「剣~心~!」
「いや・・、それは、その・・でござるよ、薫殿、蒼紫も東京で何か用事があると言っていたでござるし片付けは気長にやるでござるよ。」
と、慌てる剣心に、
「あっ。」
っと、薫は何かを思い出したように小さく呟いた。
「どうしたでござるか?」
「そうだわ、島から帰って来る時に四乃森さんから聞いたんだけど、操ちゃん達、今回私達の所に来るのに巴さんの日記の件だけじゃなくて比古清十郎のお弟子さんを連れて来たって言っていたわ。剣心その時寝てたから知らないと思うけど。」
「え?師匠の弟子?・・・でござるか?」
師匠は確か弟子は取らないと言っていたはず・・・、と剣心が思っていると、
「それがね、陶芸の方のお弟子さんなんですって。いったい何の為に来るのか剣心心当たりある?」
「え?陶芸、でござるか?(あの師匠が陶芸の弟子を?・・・有り得ない。)」
と、剣心は知り得るすべての情報を駆使して比古について分析するが、あの人間嫌いの比古清十郎が弟子を取るなんてとても考えられなかった。
陶芸と言いつつも本当は御剣流の弟子という可能性もあるのでは、と剣心は思った。
(拙者が飛天御剣流の継承を断わったからでござろうか・・・。)
剣心はふっと目を伏し目がちにして考えた。
確かに拙者が後を継がないとなれば誰が次の世代の弱き者を守るのでござろう。
師匠はそれを危惧されたのかもしれない。
飛天御剣流の継承は命の継承・・・若しかすれば師匠が自分の命を継がせたいと思う程の才能を持った人間が現れたのか・・・。
だが陶芸の方の弟子とはどう考えても考えつかん。
芸術家である事は師匠にとって隠れ蓑にしかすぎないはず・・・。
(何故に・・・。)
考え込む剣心の横で薫が良い事を思いついたと、剣心の前に出てそのアイディアを話した。
「ねえ剣心、お弟子さんってどんな人なのかな。比古清十郎の焼き物ってその道ではちょっと名が知れてるんでしょ?ちょちょっと作ってもらって道場再建の資金でも作ってもらおうかなぁ~。ね、剣心、頼んでみて。」
「え!拙者でござるか~、拙者は会った事もござらんし、どうも拙者はそういう話は苦手でござる~。」
「道場再建の為よ剣心!」
薫は剣心の両肩をつかみ、ゆさゆさとゆすった。
「おろ~、そういう役は薫殿にお任せするでござるよ~。薫殿~腕が痛いでござるよ~。」
と、剣心は目をぐるぐる回した。