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104.墓参帰路 (斎藤・夢主・比古・剣心・薫)

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「剣心、明日ようやく家に着くね。」


「そうでござるな。」



剣心と薫は京都の巴の墓参りを済ませ早々に帰路、船上で潮風に吹かれていた。





「薫殿にはずいぶんと迷惑をかけたでござるな。」



「ううん、いいの、みんな無事だったんだし。私信じてたから・・・剣心の事。」



「薫殿・・・。」



「こうやって巴さんのお墓参りも出来たし、剣心の側にいられるんだもの。後はみんなの所へ帰るだけ・・。」



「そうでござるな。」



「そう言えばついこの間だったのよね、私達が京都にいたのは・・・。」



と薫は剣心の肩にもたれかかった。



「そうでござるな・・・。」







・・・・・京都。




剣心は少し目を細めて海原を見た。





幕末、数多の人を斬り、人斬り抜刀斎と恐れられ己もまた心から血を流し続けた。



その後、贖罪と懺悔をするも一度となく報われる事がなかった十年間。



そして東京へ流れてついて薫殿に出会って、志々雄の件で再び京都の地を踏んだ。



志々雄との決闘を経てようやく・・・・・十年ぶりに巴の墓を訪れることができた。



それは師匠からの奥義の伝授のお陰。



己の【死】在りきで刀を振るうのではなく、自分を待つ人の笑顔の為に、そしてよりたくさんの笑顔を作る為に【生きる】、【生きる事】。



そう、巴の墓にようやくその事を報告出来て東京へ戻った矢先に縁が現れた。



今にして思えばこれは巴が俺を試した、のかもしれない、と剣心は思った。



京都で得た事が己の真実かどうかという事を。



そして縁を救いたかったのかもしれない。



憑りつかれた物は違うとはいえ、拙者と同じ生き地獄に落ちた弟を・・・。







苦しみの果てにたどり着いた己の真実。



己の犯した罪が許されなくても、生きて人々の笑顔を守り続ける。



そしてそれは巴の願いでもあるから・・・。







今回再びの巴の墓参り。



先回から間もない墓参りとなったが巴にそれを告げたかった。



【ありがとう】・・・と。
・・・・・そして【すまない】、【さようなら】、と・・・・。



拙者は生きるでござる。



拙者の隣にいる薫殿と共に・・・。



巴の墓石は何も言わずとも穏やかに拙者達を包んでくれていた・・・。



「・・・心、剣心、」



はっ。
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