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104.墓参帰路 (斎藤・夢主・比古・剣心・薫)
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「遅い・・・、いや、馬鹿弟子に少しでも期待した俺の方が馬鹿だったか。」
武尊が山を下りて、はや一ヶ月が経とうとしていた。
剣心から何か便りがあってもいいのではないかと日々待ちわびていた比古だったが、
「剣心にそんな気遣いができるんだったら馬鹿弟子と呼ばれることもなかったか・・・。」
と、比古は万寿をコトリと床に置くと、夜中にも関わらず作業場へ向かった。
月はとうの昔に沈んでしまっていた。
星明りの下、いつもはにぎやかに聞こえる虫の音も今夜の比古の耳には入らない。
真っ暗な作業場に一本の蝋燭が灯されると比古は土をこねはじめた。
何をどうしようというつもりはなかった。
ただ何かに打ち込まずにはいられなかった。
「武尊・・・。」
たった三日だけの存在。
だが今でも、
『比古さん。』
そんな武尊の明るい声で名を呼ばれ、思わず振り返ってしまうことがある。
・・・幻聴だ。
分かっていてもそれくらいはっきり耳にできる。
今頃どうしているだろうか。
己の枷を外す手掛かりは掴んだろうか。
ひとこねひとこねする度にそんな事が比古の脳裏をよぎる。
いくら比古でもあれほど愛しい者を心配するなと言う方が無理である。
武尊が最初にこちらの時代に来た時、自分と武尊の係わり合いはほんの最初、拾った時しかない。
そこから再び未来へと戻るまでの間の人間関係を模索するなら自分はしゃしゃり出ない方がいい。
そう考えた故に一人で行かせたのだったが・・・・・。
「年の瀬まで、・・・か。長いな・・・。」
武尊には戻って来るだけの猶予をやった。
おそらくその期限ぎりぎり、暮までは戻って来ないだろう。
そう予感がする。
間違いなくそうなる。
だが自分でそう予測をしていても心がついていかない。
自分にこんな感情が起ころうとは比古は考えもしてはいなかった。
「はっ、偉そうな事を言っても俺もただの男でしかないな・・・。」
武尊が山を下りて、はや一ヶ月が経とうとしていた。
剣心から何か便りがあってもいいのではないかと日々待ちわびていた比古だったが、
「剣心にそんな気遣いができるんだったら馬鹿弟子と呼ばれることもなかったか・・・。」
と、比古は万寿をコトリと床に置くと、夜中にも関わらず作業場へ向かった。
月はとうの昔に沈んでしまっていた。
星明りの下、いつもはにぎやかに聞こえる虫の音も今夜の比古の耳には入らない。
真っ暗な作業場に一本の蝋燭が灯されると比古は土をこねはじめた。
何をどうしようというつもりはなかった。
ただ何かに打ち込まずにはいられなかった。
「武尊・・・。」
たった三日だけの存在。
だが今でも、
『比古さん。』
そんな武尊の明るい声で名を呼ばれ、思わず振り返ってしまうことがある。
・・・幻聴だ。
分かっていてもそれくらいはっきり耳にできる。
今頃どうしているだろうか。
己の枷を外す手掛かりは掴んだろうか。
ひとこねひとこねする度にそんな事が比古の脳裏をよぎる。
いくら比古でもあれほど愛しい者を心配するなと言う方が無理である。
武尊が最初にこちらの時代に来た時、自分と武尊の係わり合いはほんの最初、拾った時しかない。
そこから再び未来へと戻るまでの間の人間関係を模索するなら自分はしゃしゃり出ない方がいい。
そう考えた故に一人で行かせたのだったが・・・・・。
「年の瀬まで、・・・か。長いな・・・。」
武尊には戻って来るだけの猶予をやった。
おそらくその期限ぎりぎり、暮までは戻って来ないだろう。
そう予感がする。
間違いなくそうなる。
だが自分でそう予測をしていても心がついていかない。
自分にこんな感情が起ころうとは比古は考えもしてはいなかった。
「はっ、偉そうな事を言っても俺もただの男でしかないな・・・。」