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82.ぎりぎりの時間 (斎藤・夢主・恵)
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「斎藤さん・・・、私・・。」
と、武尊は本当に何と言っていいのか分からない。
はっきり言ってショックだったこの気持ち。
斎藤と武尊の出会いの始まりはもともと武尊が十六夜丸だと疑われたことからだった。
幕末の京都の夜に十六夜丸の噂がたった頃、同じ時期、同じ場所に十六夜丸と同じ顔同じ傷の人間は他にいまい、と、斎藤に目をつけられ、そこで話した結果やっぱり自分が十六夜丸だと互いに確信たが、やはり武尊としては十六夜丸の姿をさらしたくはないというのが本音であった。
しかも、斎藤の眼の前での変わり身。
斎藤は、そんな武尊の気持ちを汲んで、
「気に病むな武尊。同じ姿だといえ、あれは武尊ではない。何者であるかはまだわからんがな。」
と、言った。
(確かに十六夜丸は私ではない。でも私の心に住んでいる・・・?十六夜丸っていったい何者・・。)
斎藤の言うとおり十六夜丸が何なのかはまだわからない。
だが今はこれ以上追及する手がかりはない。
武尊は十六夜丸になった後、自分はどうなったかを斎藤に聞いた。
「あいつは限界まで俺と四乃森が武尊につけた傷を治したようだったが、さすがにあれほどの深手、すべては治しきらなかったように見えた。武尊、どこまで傷は塞がったんだ。」
「わかんない・・・。ずっと意識がなかったみたいだから私、そこまで見てない。」
「そうか、具合の方はどうなんだ。」
「立ちくらみが酷くてまだ起き上がれません・・・たぶん血が足らないからだと思うんですけど。動くと背中が痛いし・・・。」
「そうか。起き上がれるようになるまでここにいろ。どうにもならんからな。」
「すみません・・・肝心な時に仕事できなくて・・・・っていうのも何か変ですけど結果戦力外ですもんね、私。」
自分に致命傷を負わせた本人を目の前にして、自分が何で謝るのもどうかな、と思った武尊だったが、切っ先の方向に躍り出れば斬られるのは当たり前か・・・つまり、悪いのは自分か?と、思う武尊。
(いや、上司とお世話になっている人が真剣ぬいてりゃ、そりゃ止めるでしょ、普通。)
うんうん。
武尊は心の中でそう頷いた。
そうして自分の取った行動を正当化した。
「で、積荷の方はどうなったんです?」
と、仕事の話を持ち出す武尊に斎藤は、フンっと言いつつ、
「予想外の事はあったが、武器が組織の手にバラまかれるのは阻止できた。」
と眉間のしわを深くして答えた。
「予想外の事って?」
と、間髪入れず話に飛びついてくる武尊に斎藤は内心あきれながらも、
「お前のは熱心なのか好奇心なのかわからんな。続きが聞きたければ早く治して仕事に復帰して来い。そうしたら教えてやる。」
と言った。
「うわ!別にいいじゃないですか今でも。(けち!←これは心の叫び)」
と、武尊が言った。
「阿呆、下手に情報を与えてその体で街をうろつかれてはかなわん。」
思わず図星の事を言われてぎくっとする武尊に斎藤は、
「やはりそのつもりだったな。上司のいう事はおとなしく聞いておけ。」
と言ってげんこつで武尊のおでこを軽くこづいた。
と、武尊は本当に何と言っていいのか分からない。
はっきり言ってショックだったこの気持ち。
斎藤と武尊の出会いの始まりはもともと武尊が十六夜丸だと疑われたことからだった。
幕末の京都の夜に十六夜丸の噂がたった頃、同じ時期、同じ場所に十六夜丸と同じ顔同じ傷の人間は他にいまい、と、斎藤に目をつけられ、そこで話した結果やっぱり自分が十六夜丸だと互いに確信たが、やはり武尊としては十六夜丸の姿をさらしたくはないというのが本音であった。
しかも、斎藤の眼の前での変わり身。
斎藤は、そんな武尊の気持ちを汲んで、
「気に病むな武尊。同じ姿だといえ、あれは武尊ではない。何者であるかはまだわからんがな。」
と、言った。
(確かに十六夜丸は私ではない。でも私の心に住んでいる・・・?十六夜丸っていったい何者・・。)
斎藤の言うとおり十六夜丸が何なのかはまだわからない。
だが今はこれ以上追及する手がかりはない。
武尊は十六夜丸になった後、自分はどうなったかを斎藤に聞いた。
「あいつは限界まで俺と四乃森が武尊につけた傷を治したようだったが、さすがにあれほどの深手、すべては治しきらなかったように見えた。武尊、どこまで傷は塞がったんだ。」
「わかんない・・・。ずっと意識がなかったみたいだから私、そこまで見てない。」
「そうか、具合の方はどうなんだ。」
「立ちくらみが酷くてまだ起き上がれません・・・たぶん血が足らないからだと思うんですけど。動くと背中が痛いし・・・。」
「そうか。起き上がれるようになるまでここにいろ。どうにもならんからな。」
「すみません・・・肝心な時に仕事できなくて・・・・っていうのも何か変ですけど結果戦力外ですもんね、私。」
自分に致命傷を負わせた本人を目の前にして、自分が何で謝るのもどうかな、と思った武尊だったが、切っ先の方向に躍り出れば斬られるのは当たり前か・・・つまり、悪いのは自分か?と、思う武尊。
(いや、上司とお世話になっている人が真剣ぬいてりゃ、そりゃ止めるでしょ、普通。)
うんうん。
武尊は心の中でそう頷いた。
そうして自分の取った行動を正当化した。
「で、積荷の方はどうなったんです?」
と、仕事の話を持ち出す武尊に斎藤は、フンっと言いつつ、
「予想外の事はあったが、武器が組織の手にバラまかれるのは阻止できた。」
と眉間のしわを深くして答えた。
「予想外の事って?」
と、間髪入れず話に飛びついてくる武尊に斎藤は内心あきれながらも、
「お前のは熱心なのか好奇心なのかわからんな。続きが聞きたければ早く治して仕事に復帰して来い。そうしたら教えてやる。」
と言った。
「うわ!別にいいじゃないですか今でも。(けち!←これは心の叫び)」
と、武尊が言った。
「阿呆、下手に情報を与えてその体で街をうろつかれてはかなわん。」
思わず図星の事を言われてぎくっとする武尊に斎藤は、
「やはりそのつもりだったな。上司のいう事はおとなしく聞いておけ。」
と言ってげんこつで武尊のおでこを軽くこづいた。