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103.斎藤、急に暴走する (斎藤・張・夢主)
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武尊が手ぬぐいで張の顔を拭けばすぐに張は気が付き、間抜け面を武尊に晒している。
(ド阿呆が。)
と、その面を見つつ斎藤は、
「で、お前の方は何の用だ。」
と張に聞いた。
「そりゃ、まあ、わいとしては武尊の赤子っちゅうめでたい話を旦那に届けたかったんが一番やったんやが、ま、それは置いといて、や。」
張は、ぱんぱんと、埃を払いながら立ち上がり、
「昨日の伊藤の行動についてとりあえず報告しに帰って来たっちゅう訳や。伊藤は午前中は御所へ参内、昼は陸軍卿と昼食を取ってその後は内務省の定例の会議に出席、ほんで夜は自宅に大隈が来よっていろいろ話しおったわ。」
と、自慢げに言った。
「それだけか。」
斎藤はあまりにも簡単な報告に呆れながらため息をついた。
「いくらわいでもばれんように徒歩で馬車を追っかけるちゅうのはえらい大変なんやで!」
と、斎藤に文句を言ってると、武尊が、
「何の話?」
と聞いてきた。
「あん?そう言えば武尊はあの夜からおらんかったの。」
「武尊が肥溜めに落ちた後の話だ。」
と斎藤がすかさず突っ込みを入れた。
(肥溜めって・・・、この傷のもとは肥溜めが原因ですか・・、斎藤さん・・・。)
と思うものの、本当の原因など言えるはずもなく黙っていると、張が、
「武尊が旦那を呼びに行った日は久々に面白かったで。」
と、張が頼まれてもいないのに自動的に喋り出した。
(よかった、とりあえず斎藤さんは張の所へ間に合ったんだ。)
と、ほっとした武尊だったが何が面白かったんだろうと思って張の話の続きに耳を立てて聞いていた。
「あの倉庫の武器、小舟で移し替えられた言うてたやろ。わい、ほんまは旦那が来るのが間に合わへん思っとんやんやけど、あの雨のお陰で作業が暫く止まっとったんや。ほんで旦那がようやく来て潜入したんやけどな、」
「ちゃんと捕縛できた?」
「無理。」
「え?」
「俺はちゃんと最初に忠告したからな。」
斎藤が口を挟んだ。
武尊が斎藤を振り返ると、また張が話の続きを始めた。
「まあ、最初からわかっとった事やけどな、あの手の敵は問答無用やさかい、こっちのいう事は絶対聞かへんからに。ほんで実力行使になったんや。」
「実力行使・・・?」
「つまり、殺るか殺られるかちゅうことや。やばかったで、あいつら最後に倉庫爆破させてわいらも巻き添えくらって木端微塵になるとこやった。」
「・・・舟に積まれた武器の方は?」
「そや、その後や。わいらは小舟に待機しとった奴を捕まえて沖の船に近づいた・・・。」
調子よかった張の口が止まった。
「ほら、ちゃんと武尊に説明しろ。」
と、斎藤が口角を上げながら楽しそうに言った。
(アホ!わいの間抜けな所を武尊に言わんとあかんやんけ!)
と張は思ったのだが、やらかしたのは自分だと、がっかりしながら、
「そのな、手元が暗かったさかいに灯りが欲しい思うて、縛り上げた軍人が持っとった蝋燭に火つけたんやけどな、・・。」
張はガクッと肩を落としながら、
「それは実は蝋燭ちゃうやったんや、何か炸裂弾みたいなもんやったみたいで投げたら爆発してもうて、それがどえらい威力で船・・・、沈んでもうた。」
ん?と、武尊が首をかしげると、斎藤が、
「その爆弾を証拠の武器が積んであった船に向かって投げた結果、沈没したという事だ。」
なるほど・・・、と頷く武尊に、
「あんなん、分かるかいな!どない見ても太い蝋燭にしか見えんわい!」
張も武尊の手前ムキになって弁解する。
「・・・ダイナマイト・・。」
武尊が思わず呟いた。
「打・・?何や・・武尊、武尊はそれを知っとるんか?」
「え?」
と、はっとするも張のみならず、斎藤も武尊の方を見ている。
「あれが何か知っているのか?」
と、斎藤にも聞かれ、
「え?ええ・・・とぉ・・・・。」
と、武尊は焦った。
シマッタと思ってもすでに遅い、斎藤に聞かれたら誤魔化すのは無理だ。
武尊は武器についての知識は多少持っている。
ダイナマイトがまだ正式に日本に入って来てないとしても、今の話からすれば密輸されたのがそれであることは十分考えられる。
ならば、今ここでその正しい知識を伝えておかなくては今後事故につながりかねないし、それは避けなければならない。
そう判断した武尊は知っている知識を伝えることにした。
「ええと、張が投げたのはたぶん【ダイナマイト】だと思われます。スウェーデン・・(通じるか?)のノーベルという人が作ったんですけど、持ち運びが簡単でかつ威力がある爆発物です。本来は鉱山なんかで山を崩すのが目的で開発されたのですがその威力は軍事に十分転用することが出来るため今回合わせて密輸したんじゃないでしょうか。」
「なるほどな、あの蝋燭一本であの破壊力とは・・・。殺傷力としては十分だ。」
「すごいやないか、武尊、どこでそんな知識つけたんや。」
「それは・・・後でいいからその先を教えてよ。」
「せや、せやった。ほんでな・・・。」
(ド阿呆が。)
と、その面を見つつ斎藤は、
「で、お前の方は何の用だ。」
と張に聞いた。
「そりゃ、まあ、わいとしては武尊の赤子っちゅうめでたい話を旦那に届けたかったんが一番やったんやが、ま、それは置いといて、や。」
張は、ぱんぱんと、埃を払いながら立ち上がり、
「昨日の伊藤の行動についてとりあえず報告しに帰って来たっちゅう訳や。伊藤は午前中は御所へ参内、昼は陸軍卿と昼食を取ってその後は内務省の定例の会議に出席、ほんで夜は自宅に大隈が来よっていろいろ話しおったわ。」
と、自慢げに言った。
「それだけか。」
斎藤はあまりにも簡単な報告に呆れながらため息をついた。
「いくらわいでもばれんように徒歩で馬車を追っかけるちゅうのはえらい大変なんやで!」
と、斎藤に文句を言ってると、武尊が、
「何の話?」
と聞いてきた。
「あん?そう言えば武尊はあの夜からおらんかったの。」
「武尊が肥溜めに落ちた後の話だ。」
と斎藤がすかさず突っ込みを入れた。
(肥溜めって・・・、この傷のもとは肥溜めが原因ですか・・、斎藤さん・・・。)
と思うものの、本当の原因など言えるはずもなく黙っていると、張が、
「武尊が旦那を呼びに行った日は久々に面白かったで。」
と、張が頼まれてもいないのに自動的に喋り出した。
(よかった、とりあえず斎藤さんは張の所へ間に合ったんだ。)
と、ほっとした武尊だったが何が面白かったんだろうと思って張の話の続きに耳を立てて聞いていた。
「あの倉庫の武器、小舟で移し替えられた言うてたやろ。わい、ほんまは旦那が来るのが間に合わへん思っとんやんやけど、あの雨のお陰で作業が暫く止まっとったんや。ほんで旦那がようやく来て潜入したんやけどな、」
「ちゃんと捕縛できた?」
「無理。」
「え?」
「俺はちゃんと最初に忠告したからな。」
斎藤が口を挟んだ。
武尊が斎藤を振り返ると、また張が話の続きを始めた。
「まあ、最初からわかっとった事やけどな、あの手の敵は問答無用やさかい、こっちのいう事は絶対聞かへんからに。ほんで実力行使になったんや。」
「実力行使・・・?」
「つまり、殺るか殺られるかちゅうことや。やばかったで、あいつら最後に倉庫爆破させてわいらも巻き添えくらって木端微塵になるとこやった。」
「・・・舟に積まれた武器の方は?」
「そや、その後や。わいらは小舟に待機しとった奴を捕まえて沖の船に近づいた・・・。」
調子よかった張の口が止まった。
「ほら、ちゃんと武尊に説明しろ。」
と、斎藤が口角を上げながら楽しそうに言った。
(アホ!わいの間抜けな所を武尊に言わんとあかんやんけ!)
と張は思ったのだが、やらかしたのは自分だと、がっかりしながら、
「そのな、手元が暗かったさかいに灯りが欲しい思うて、縛り上げた軍人が持っとった蝋燭に火つけたんやけどな、・・。」
張はガクッと肩を落としながら、
「それは実は蝋燭ちゃうやったんや、何か炸裂弾みたいなもんやったみたいで投げたら爆発してもうて、それがどえらい威力で船・・・、沈んでもうた。」
ん?と、武尊が首をかしげると、斎藤が、
「その爆弾を証拠の武器が積んであった船に向かって投げた結果、沈没したという事だ。」
なるほど・・・、と頷く武尊に、
「あんなん、分かるかいな!どない見ても太い蝋燭にしか見えんわい!」
張も武尊の手前ムキになって弁解する。
「・・・ダイナマイト・・。」
武尊が思わず呟いた。
「打・・?何や・・武尊、武尊はそれを知っとるんか?」
「え?」
と、はっとするも張のみならず、斎藤も武尊の方を見ている。
「あれが何か知っているのか?」
と、斎藤にも聞かれ、
「え?ええ・・・とぉ・・・・。」
と、武尊は焦った。
シマッタと思ってもすでに遅い、斎藤に聞かれたら誤魔化すのは無理だ。
武尊は武器についての知識は多少持っている。
ダイナマイトがまだ正式に日本に入って来てないとしても、今の話からすれば密輸されたのがそれであることは十分考えられる。
ならば、今ここでその正しい知識を伝えておかなくては今後事故につながりかねないし、それは避けなければならない。
そう判断した武尊は知っている知識を伝えることにした。
「ええと、張が投げたのはたぶん【ダイナマイト】だと思われます。スウェーデン・・(通じるか?)のノーベルという人が作ったんですけど、持ち運びが簡単でかつ威力がある爆発物です。本来は鉱山なんかで山を崩すのが目的で開発されたのですがその威力は軍事に十分転用することが出来るため今回合わせて密輸したんじゃないでしょうか。」
「なるほどな、あの蝋燭一本であの破壊力とは・・・。殺傷力としては十分だ。」
「すごいやないか、武尊、どこでそんな知識つけたんや。」
「それは・・・後でいいからその先を教えてよ。」
「せや、せやった。ほんでな・・・。」