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102.男の発言 (斎藤・張・夢主)
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張のおすすめの店というだけあってなかなか美味しい料理を出すお店だった。
武尊が『血が足らない。』と言うのでイワシの丸干し焼きも勝手に追加されたぐらいで武尊は食べまくった。
その量に流石に張もぎょっとしていたが、途中でフフンと、笑って武尊を見ていた。
張も寝起きの食事を一緒に取ったあと、二人は職場に戻った。
警視庁の門をくぐる時、斎藤の部屋を見上げると窓が開いていた。
「斎藤さん、帰って来たみたいだね。」
「あ、ほんまや。やっと帰って来おったんかいな。」
やれやれ、と張も斎藤を待っていたらしく二人で階段を上っていった。
コン、コン。
軽くノックしてから武尊は、
「斎藤さーん。」
と言いながら武尊はドアノブをひねった。
カチャ。
隙間から中を覗くようにゆっくりドアを開けていくと、机に斎藤の姿があった。
斎藤は武尊を見るとちょっと驚いた様子だったが、
「来たのか。」
と、言った。
「うん・・・。制服欲しかったから・・。」
と武尊が言いながら部屋に入って来ると、その後ろから、
「なんや!制服がなかったからその恰好なんか。どないしたんや。」
と言いながら張も入って来た。
その声に斎藤の眉間がぐっと、寄る。
「で、どないしたんや。」
と武尊は張に詰め寄られ、武尊はどう答えようかと焦った。
まさか本当の事など言えず、とっさに、
「夜、歩いてたら・・肥溜めに落ちた・・・・。」
なんて間抜けな答えであろうか、と言った自分にもびっくりだったが、一瞬の間をおいて、張は爆笑し、斎藤の方をみると、声を殺しながらクククッと笑っているではないか。
(斎藤さんまで笑わなくっていいでしょ~!)
と、思ったものの、我ながら本当に間抜けな事を言ったとため息をついた。
「そうやったんか、ほんで、長風呂しよったら風邪でもひいたっちゅうわけやな。」
と、勝手に納得する張を見て、まあ、これはこれでいいや、と武尊がホッとした矢先、張が大変な事を口走った。
「せやかて武尊、体は大事にせぇへんとあかんで。」
と張は武尊に言うと、斎藤の所へ近づき、(斎藤は近づかれたくないので最低防御ラインでチャキっと刀の鯉口を切ってて張を牽制したが。)
小声で手の甲を口元に当てながら、ぼそっと、
「旦那、武尊は赤子が出来とりますさかい、もっと栄養つけんとあきまへんで。」
と言った。
「なっ!?」
それを聞いて驚いたのは武尊の方だった。
はっと、武尊が斎藤の方を向くと、斎藤の視線がじろっと武尊の方を向いた。
「してない!してない!妊娠なんてしてない!馬鹿!張!」
と、武尊は顔を真っ赤にして必死に弁明した。
(どこをどうやったらそういう思考回路になるんだ、馬鹿張ー!)
と、武尊が血圧が最高に上がるまで心で叫んだ時、斎藤が裏拳で張の顔面を一打した。
「ぐがっ!」
と、張は叫ぶと壁まで吹っ飛び気絶した。
「阿呆が。」
斎藤はそう呟き、武尊の方へつかつかと歩いた。
「あれは武尊の分だ。」
と斎藤はあごで張を指して言った。
「斎藤さん、私・・・してないからね。」
武尊は少し涙目で斎藤を見上げた。
「阿呆、あいつの言うことなど鵜呑みにするな。」
と言って、斎藤は武尊の頭を撫でた。
斎藤は張の戯言など最初からこれっぽっちも信じてはいない。
自分しか知らない武尊の心と身体。
誰よりもそれは斎藤自身がよく知っている。
武尊は斎藤のやさしい手のひらの感触に安心して頷くと溜まっていた涙が両目から一筋だけ流れた。
斎藤はそのまま、武尊を抱きしめた。
「張と飯でも行ったのか。」
「うん、起きてから時尾さんにご飯作ってもらったんだけど、足らなくて・・・。あ、いつも通りの量はちゃんと食べたんだけど、お腹がすいて、で、出勤したら斎藤さんいなくて、張の顔をみたら肉を食べさせてくれる所に連れてってくれると思って、いっぱい食べてきた所です。あ、張には出世払いって言っときました。だって、血が足らないんだもん・・・。」
「嗚呼、あれだけ血を流せばそうかもしれんな。いくら傷口がふさがったとしても全てが元通りという訳にはいかんのだろうな、流石にあれだけの深手だと。」
「そうだよね・・・。」
「分かっているから張の戯言など気にするな。」
「うん、有難う斎藤さん。」
最後に再びよしよしと頭をなでられて、武尊は解放された。
武尊は壁際で伸びている張を見ながら、
「斎藤さん、張大丈夫かな?」
と、ちょっと気の毒に思いながら言った。
「放っておけ、自業自得だ。」
フンと言いつつ斎藤は自分の机に戻った。
「そうは言ってもねぇ・・。」
と、武尊は手ぬぐいを濡らしに行き、張の鼻血を拭いてあげた。
その感触で張は目を覚ました。
武尊は困ったように笑うと、
「だめだよ張、ああいう事は先に私に言って確認してから言ってね。」
と言った。
「あ、ああ・・?ちゃうんか武尊。」
「違うよ。」
と、武尊が張の鼻を軽くピンっとはじくと斎藤が張に、
「一月も経ってないのに懐妊がわかるか、阿呆。」
と言った。
「・・・。」
「・・・。」
その言葉に武尊も張も言葉が出なかった。
男の張がそれを聞いてどう思ったか武尊は分からない、と思ったが少なくとも自分は、
(斎藤さん・・・、それって暗に『やっちゃってます。』って言ってるってことですか!?)
と顔を赤くした。
武尊が『血が足らない。』と言うのでイワシの丸干し焼きも勝手に追加されたぐらいで武尊は食べまくった。
その量に流石に張もぎょっとしていたが、途中でフフンと、笑って武尊を見ていた。
張も寝起きの食事を一緒に取ったあと、二人は職場に戻った。
警視庁の門をくぐる時、斎藤の部屋を見上げると窓が開いていた。
「斎藤さん、帰って来たみたいだね。」
「あ、ほんまや。やっと帰って来おったんかいな。」
やれやれ、と張も斎藤を待っていたらしく二人で階段を上っていった。
コン、コン。
軽くノックしてから武尊は、
「斎藤さーん。」
と言いながら武尊はドアノブをひねった。
カチャ。
隙間から中を覗くようにゆっくりドアを開けていくと、机に斎藤の姿があった。
斎藤は武尊を見るとちょっと驚いた様子だったが、
「来たのか。」
と、言った。
「うん・・・。制服欲しかったから・・。」
と武尊が言いながら部屋に入って来ると、その後ろから、
「なんや!制服がなかったからその恰好なんか。どないしたんや。」
と言いながら張も入って来た。
その声に斎藤の眉間がぐっと、寄る。
「で、どないしたんや。」
と武尊は張に詰め寄られ、武尊はどう答えようかと焦った。
まさか本当の事など言えず、とっさに、
「夜、歩いてたら・・肥溜めに落ちた・・・・。」
なんて間抜けな答えであろうか、と言った自分にもびっくりだったが、一瞬の間をおいて、張は爆笑し、斎藤の方をみると、声を殺しながらクククッと笑っているではないか。
(斎藤さんまで笑わなくっていいでしょ~!)
と、思ったものの、我ながら本当に間抜けな事を言ったとため息をついた。
「そうやったんか、ほんで、長風呂しよったら風邪でもひいたっちゅうわけやな。」
と、勝手に納得する張を見て、まあ、これはこれでいいや、と武尊がホッとした矢先、張が大変な事を口走った。
「せやかて武尊、体は大事にせぇへんとあかんで。」
と張は武尊に言うと、斎藤の所へ近づき、(斎藤は近づかれたくないので最低防御ラインでチャキっと刀の鯉口を切ってて張を牽制したが。)
小声で手の甲を口元に当てながら、ぼそっと、
「旦那、武尊は赤子が出来とりますさかい、もっと栄養つけんとあきまへんで。」
と言った。
「なっ!?」
それを聞いて驚いたのは武尊の方だった。
はっと、武尊が斎藤の方を向くと、斎藤の視線がじろっと武尊の方を向いた。
「してない!してない!妊娠なんてしてない!馬鹿!張!」
と、武尊は顔を真っ赤にして必死に弁明した。
(どこをどうやったらそういう思考回路になるんだ、馬鹿張ー!)
と、武尊が血圧が最高に上がるまで心で叫んだ時、斎藤が裏拳で張の顔面を一打した。
「ぐがっ!」
と、張は叫ぶと壁まで吹っ飛び気絶した。
「阿呆が。」
斎藤はそう呟き、武尊の方へつかつかと歩いた。
「あれは武尊の分だ。」
と斎藤はあごで張を指して言った。
「斎藤さん、私・・・してないからね。」
武尊は少し涙目で斎藤を見上げた。
「阿呆、あいつの言うことなど鵜呑みにするな。」
と言って、斎藤は武尊の頭を撫でた。
斎藤は張の戯言など最初からこれっぽっちも信じてはいない。
自分しか知らない武尊の心と身体。
誰よりもそれは斎藤自身がよく知っている。
武尊は斎藤のやさしい手のひらの感触に安心して頷くと溜まっていた涙が両目から一筋だけ流れた。
斎藤はそのまま、武尊を抱きしめた。
「張と飯でも行ったのか。」
「うん、起きてから時尾さんにご飯作ってもらったんだけど、足らなくて・・・。あ、いつも通りの量はちゃんと食べたんだけど、お腹がすいて、で、出勤したら斎藤さんいなくて、張の顔をみたら肉を食べさせてくれる所に連れてってくれると思って、いっぱい食べてきた所です。あ、張には出世払いって言っときました。だって、血が足らないんだもん・・・。」
「嗚呼、あれだけ血を流せばそうかもしれんな。いくら傷口がふさがったとしても全てが元通りという訳にはいかんのだろうな、流石にあれだけの深手だと。」
「そうだよね・・・。」
「分かっているから張の戯言など気にするな。」
「うん、有難う斎藤さん。」
最後に再びよしよしと頭をなでられて、武尊は解放された。
武尊は壁際で伸びている張を見ながら、
「斎藤さん、張大丈夫かな?」
と、ちょっと気の毒に思いながら言った。
「放っておけ、自業自得だ。」
フンと言いつつ斎藤は自分の机に戻った。
「そうは言ってもねぇ・・。」
と、武尊は手ぬぐいを濡らしに行き、張の鼻血を拭いてあげた。
その感触で張は目を覚ました。
武尊は困ったように笑うと、
「だめだよ張、ああいう事は先に私に言って確認してから言ってね。」
と言った。
「あ、ああ・・?ちゃうんか武尊。」
「違うよ。」
と、武尊が張の鼻を軽くピンっとはじくと斎藤が張に、
「一月も経ってないのに懐妊がわかるか、阿呆。」
と言った。
「・・・。」
「・・・。」
その言葉に武尊も張も言葉が出なかった。
男の張がそれを聞いてどう思ったか武尊は分からない、と思ったが少なくとも自分は、
(斎藤さん・・・、それって暗に『やっちゃってます。』って言ってるってことですか!?)
と顔を赤くした。