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102.男の発言 (斎藤・張・夢主)
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(油断した・・・、本当に余計な事を言ってしまった。)
時尾さんは本当にできた人だと思うけど、やっぱり馬の骨が居候していると分かればきっと不快に思うのでは、と武尊は気分が沈んだ。
(時尾さんって確か(チラ見したネットのサイトによれば)会津藩のちょっとえらい武士の娘さんじゃなかったっけ。)
と、武尊は薄い記憶を思い出していた。
人間に身分はないとは言うが、現実は大ありだと武尊は実感する。
本当に品というか、人格というか、自分とは全然違う、本当に同じ人間かと思ってしまうほどに。
(人って何なんだろう・・・。)
天は不公平だ。
世の中には家柄も容姿も品格も性格も完璧な人がいるのに対して、自分はどこの馬の骨かも分からなく傷だらけの体を持ち、ガサツで性格はひねくれている・・・。
いっそ世の中美しいものだけで埋め点くされてしまえば、善人だけが生きる世界であれば、人はきっと幸せに暮らせるのに。
そして自分は消えてしまえばいいのに・・・。
そんな事を考えながらとぼとぼ歩いているうちに警視庁へ着いてしまった。
(久しぶりな感じ。)
武尊はそう思いながら門をくぐった。
少しフラフラしながら三階まで上がって斎藤の部屋を開けようとすると、ガチャガチャと音がするだけで開かない。
鍵がかかっていたのだ。
「うっそおー!斎藤さんどこか出かけてるの?」
折角三階まで上がったのに!と鍵が閉まっていたことにショックを覚えたが、資料室に行ってソファーで少し横になろうと考えた武尊だった。
気を取り直して階下へ行き、資料室の扉を開けたら先客がいた。
「おお!武尊やないか!」
と、その人物はソファーから跳ね起きた。
武尊のいつもと違う着流し姿。
その姿を見て、
(なんで男の着物着とるんや。)
と、張は不思議に思ったものの、それよりも武尊の調子が悪そうな方が気になった。
「体の具合どうや、・・ってなんか青い顔やな、ほんま出てきて大丈夫なんかいな。」
(張・・・。)
いつも元気いっぱいの張が武尊は羨ましいと思った。
武尊は無意識のうちににソファーに近づいた。
「張、少し横にならせて・・。」
と、言った時、一瞬くらっと来て武尊は倒れそうになったのを張が抱きとめた。
「っと!」
なりゆきとはいえ、自分の腕の中に武尊がいる事に張の胸は急に高鳴りを覚えたがこの場合は単純に喜んでいる場合ではないと、己の理性が不埒な心に抑制をかけた。
そして張が武尊をソファーに寝かせようとした時、武尊がぎゅっと張の胸倉を掴んだ。
張が驚いて武尊を見下ろすと目が合った。
どきっとしながら張が武尊を見ていると武尊が、
「やっぱりいい・・・・、張、どこかで肉とか卵とか納豆食べさせて。お金は斎藤さんから御給金もらったら必ず返すから・・・お願い・・。」
と、強く目で訴えながら言った。
武尊にお願いされては張も断れない。
というか、お願いされなくても一緒に食事が出来るならなんぼでも連れてっちゃるで、と思った張であった。
「ええで、すぐ行きたいんか。」
と武尊に確認すると、武尊はうんうんと頷いた。
張はきょろっ、きょろっと、武尊の番人(斎藤)が何処からかじっと見ているんじゃないかという気がして辺りを確認したがその気配がない事を確認するとほっとして、
「ええやろ、ほな行くで。わい、ええとこ知っとるで、まかしとき。」
と言って武尊を連れ出した。
時尾さんは本当にできた人だと思うけど、やっぱり馬の骨が居候していると分かればきっと不快に思うのでは、と武尊は気分が沈んだ。
(時尾さんって確か(チラ見したネットのサイトによれば)会津藩のちょっとえらい武士の娘さんじゃなかったっけ。)
と、武尊は薄い記憶を思い出していた。
人間に身分はないとは言うが、現実は大ありだと武尊は実感する。
本当に品というか、人格というか、自分とは全然違う、本当に同じ人間かと思ってしまうほどに。
(人って何なんだろう・・・。)
天は不公平だ。
世の中には家柄も容姿も品格も性格も完璧な人がいるのに対して、自分はどこの馬の骨かも分からなく傷だらけの体を持ち、ガサツで性格はひねくれている・・・。
いっそ世の中美しいものだけで埋め点くされてしまえば、善人だけが生きる世界であれば、人はきっと幸せに暮らせるのに。
そして自分は消えてしまえばいいのに・・・。
そんな事を考えながらとぼとぼ歩いているうちに警視庁へ着いてしまった。
(久しぶりな感じ。)
武尊はそう思いながら門をくぐった。
少しフラフラしながら三階まで上がって斎藤の部屋を開けようとすると、ガチャガチャと音がするだけで開かない。
鍵がかかっていたのだ。
「うっそおー!斎藤さんどこか出かけてるの?」
折角三階まで上がったのに!と鍵が閉まっていたことにショックを覚えたが、資料室に行ってソファーで少し横になろうと考えた武尊だった。
気を取り直して階下へ行き、資料室の扉を開けたら先客がいた。
「おお!武尊やないか!」
と、その人物はソファーから跳ね起きた。
武尊のいつもと違う着流し姿。
その姿を見て、
(なんで男の着物着とるんや。)
と、張は不思議に思ったものの、それよりも武尊の調子が悪そうな方が気になった。
「体の具合どうや、・・ってなんか青い顔やな、ほんま出てきて大丈夫なんかいな。」
(張・・・。)
いつも元気いっぱいの張が武尊は羨ましいと思った。
武尊は無意識のうちににソファーに近づいた。
「張、少し横にならせて・・。」
と、言った時、一瞬くらっと来て武尊は倒れそうになったのを張が抱きとめた。
「っと!」
なりゆきとはいえ、自分の腕の中に武尊がいる事に張の胸は急に高鳴りを覚えたがこの場合は単純に喜んでいる場合ではないと、己の理性が不埒な心に抑制をかけた。
そして張が武尊をソファーに寝かせようとした時、武尊がぎゅっと張の胸倉を掴んだ。
張が驚いて武尊を見下ろすと目が合った。
どきっとしながら張が武尊を見ていると武尊が、
「やっぱりいい・・・・、張、どこかで肉とか卵とか納豆食べさせて。お金は斎藤さんから御給金もらったら必ず返すから・・・お願い・・。」
と、強く目で訴えながら言った。
武尊にお願いされては張も断れない。
というか、お願いされなくても一緒に食事が出来るならなんぼでも連れてっちゃるで、と思った張であった。
「ええで、すぐ行きたいんか。」
と武尊に確認すると、武尊はうんうんと頷いた。
張はきょろっ、きょろっと、武尊の番人(斎藤)が何処からかじっと見ているんじゃないかという気がして辺りを確認したがその気配がない事を確認するとほっとして、
「ええやろ、ほな行くで。わい、ええとこ知っとるで、まかしとき。」
と言って武尊を連れ出した。