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91.謀略の影 (張・斎藤・夢主・御庭番衆)
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張のいる部屋の方へ二人分の足音が近づいて来た。
張はゴロ寝状態から素早く起き上がると、
「わいがおることは内緒にしといてな。ほんで隣で話聞かせてもらうさかいよろしう頼んまっせ。危ない思うたらこっへ来てもええで、わいが守ってやるさかいに。」
と言って隣の部屋へ消えた。
と、するとすぐに障子が開き、
「待たせたな、しばらくぶりだな。」
と、小太りの男が姿を現した。
「僕の方こそすみません、今回こんなことになってしまって。」
「今回の事は予想外の事だった。たいそうな損害となってしまったがまあ仕方あるまい。まあ儂とお前、折角久しぶりに会ったことだ、食事でもしながら話をしようではないか。」
と、小太りの男はドカっと胡坐をかいた。
「ありがとうございます。僕はこの後海軍へ戻っていいんですよね。」
「ああ問題ない。だが海軍の方ではあれだけの騒ぎになった原因を厳しく追及しておる。一応手は回したがお前は知らぬ存ぜぬを通せ。」
「わかりました。叔父さんがそうおっしゃるなら安心ですよ。」
ようやく青年はほっとした表情を見せた。
「でも叔父さん、どうやって維新をやりなおすんですか?今の政府は維新の時の功労者の方が役職をいただいているんでしょう?叔父さんもその一人ですよね。」
「うむ、それはだな・・・。」
と言った時、食事が運ばれてきた。
張は襖一枚向こうで聞き耳を立てながら、ええなぁと料亭の酒と料理を目の前に描いて思わず口元を拭った。
「まあとりあえずお前の無事に乾杯だ。姉も極楽浄土で喜んでいるだろうからな。」
「はい、恐縮です。」
「ま、飲め。」
と言って叔父はお酌をした。
「だめです、叔父さんがお酌をするなんて。」
「そう言うな、お前にもいろいろ苦労をさせているからな今日ぐらいいいじゃないか。」
すみませんと頭を下げつつ、青年も叔父にお酌をした。
「ではお前の無事に乾杯だ。」
と、二人は御猪口を掲げた後一気に飲み干した。
青年が御猪口を置いた時に叔父はニヤっと笑った。
「ああ、本当においしいお酒ですね。僕なんかがこんな立派な料亭で食事が出来る日が来るなんて思わなかっ・・・・・。」
と、青年は話している途中で突然喉を抑えて苦しみだした。
「カハッ!」
乾いたその声を聞いた瞬間張は、
(しもうた!)
と、隣で待機していた張がバッと襖を開けて青年に駆け寄った。
「何だお前は!」
突然の張の乱入に慌てて立ち上がって二、三歩後ろに下がる叔父には目もくれず張は、
「あんさん大丈夫かいな!何食ったんや、吐きいな!」
と背中をドンドンと叩いた。
だが、痙攣を起こし始めた青年に張は、
「あかん!」
と叫んだ。
「お・・・・叔父さん・・・・。」
と、助けを求めて片手を叔父に伸ばし泡をはいて青年は動かなくなった。
張は立ち上がると叔父を見た。
叔父はそのぎらついた目をみて怯んだ。
「あかんなあんた・・・・わいの仕事の邪魔しおってからに。」
「お、お前は何なんだ、誰の許しを得てここにいる!無礼者が!儂を誰だと思っている、維新志士の平田と知ってのことか。」
「わいにはあんたが誰であったって関係あらへんがな、胸くそ悪い殺しなんかしおってこのボケカスが・・。」
「ボ・・・ボケカスだと!青二才のくせに儂にたてつくとどういう目にあうか思い知らせてやる。」
「はん、あんた相手の力量よう見てから言葉吐きいな。わいのいう事を聞くか聞かんか選ぶのはあんたや。」
張はそう言うと相手を見据えながら背中の刀を抜いた。
「ほな、わいの条件言わしてもらいますねん、あんたがこいつにやらせおった武器の密輸、黒幕は誰や。」
「は・・・一体何のことかな。武器の密輸など儂は知らんぞ。」
と、叔父が懐の短銃を取り出そうとしたとき、
「うっ、があっ!」
と、先程の青年と同じように喉を抑えて膝を折って苦しみだした。
「まじか!」
張は予想外の出来事に慌てた。
「おい、あんた!どないしたんや!」
「どう・・して・・・私・を・・・い、伊藤・・・卿・・・・。」
平田は声にならない声を出して何か喋ろうとしたがそれだけ言うと、すぐに甥と同様泡を噴いて動かなくなった。
「ど、、どないなっとんじゃ!」
張は死んだ平田の服を探り何か手がかりになるようなものがないか探したが何も見当たらなかった。
その間に向こうの方から、
「火事!火事よ~!」
という悲鳴とともに赤い炎が張の目に映った。
「くっそう・・・。」
張はずらかろうと廊下へ出たが、ふと足を止め、部屋へ戻ると青年の目を片手で閉じてやり、それからすぐに庭から塀を超えた。
張はゴロ寝状態から素早く起き上がると、
「わいがおることは内緒にしといてな。ほんで隣で話聞かせてもらうさかいよろしう頼んまっせ。危ない思うたらこっへ来てもええで、わいが守ってやるさかいに。」
と言って隣の部屋へ消えた。
と、するとすぐに障子が開き、
「待たせたな、しばらくぶりだな。」
と、小太りの男が姿を現した。
「僕の方こそすみません、今回こんなことになってしまって。」
「今回の事は予想外の事だった。たいそうな損害となってしまったがまあ仕方あるまい。まあ儂とお前、折角久しぶりに会ったことだ、食事でもしながら話をしようではないか。」
と、小太りの男はドカっと胡坐をかいた。
「ありがとうございます。僕はこの後海軍へ戻っていいんですよね。」
「ああ問題ない。だが海軍の方ではあれだけの騒ぎになった原因を厳しく追及しておる。一応手は回したがお前は知らぬ存ぜぬを通せ。」
「わかりました。叔父さんがそうおっしゃるなら安心ですよ。」
ようやく青年はほっとした表情を見せた。
「でも叔父さん、どうやって維新をやりなおすんですか?今の政府は維新の時の功労者の方が役職をいただいているんでしょう?叔父さんもその一人ですよね。」
「うむ、それはだな・・・。」
と言った時、食事が運ばれてきた。
張は襖一枚向こうで聞き耳を立てながら、ええなぁと料亭の酒と料理を目の前に描いて思わず口元を拭った。
「まあとりあえずお前の無事に乾杯だ。姉も極楽浄土で喜んでいるだろうからな。」
「はい、恐縮です。」
「ま、飲め。」
と言って叔父はお酌をした。
「だめです、叔父さんがお酌をするなんて。」
「そう言うな、お前にもいろいろ苦労をさせているからな今日ぐらいいいじゃないか。」
すみませんと頭を下げつつ、青年も叔父にお酌をした。
「ではお前の無事に乾杯だ。」
と、二人は御猪口を掲げた後一気に飲み干した。
青年が御猪口を置いた時に叔父はニヤっと笑った。
「ああ、本当においしいお酒ですね。僕なんかがこんな立派な料亭で食事が出来る日が来るなんて思わなかっ・・・・・。」
と、青年は話している途中で突然喉を抑えて苦しみだした。
「カハッ!」
乾いたその声を聞いた瞬間張は、
(しもうた!)
と、隣で待機していた張がバッと襖を開けて青年に駆け寄った。
「何だお前は!」
突然の張の乱入に慌てて立ち上がって二、三歩後ろに下がる叔父には目もくれず張は、
「あんさん大丈夫かいな!何食ったんや、吐きいな!」
と背中をドンドンと叩いた。
だが、痙攣を起こし始めた青年に張は、
「あかん!」
と叫んだ。
「お・・・・叔父さん・・・・。」
と、助けを求めて片手を叔父に伸ばし泡をはいて青年は動かなくなった。
張は立ち上がると叔父を見た。
叔父はそのぎらついた目をみて怯んだ。
「あかんなあんた・・・・わいの仕事の邪魔しおってからに。」
「お、お前は何なんだ、誰の許しを得てここにいる!無礼者が!儂を誰だと思っている、維新志士の平田と知ってのことか。」
「わいにはあんたが誰であったって関係あらへんがな、胸くそ悪い殺しなんかしおってこのボケカスが・・。」
「ボ・・・ボケカスだと!青二才のくせに儂にたてつくとどういう目にあうか思い知らせてやる。」
「はん、あんた相手の力量よう見てから言葉吐きいな。わいのいう事を聞くか聞かんか選ぶのはあんたや。」
張はそう言うと相手を見据えながら背中の刀を抜いた。
「ほな、わいの条件言わしてもらいますねん、あんたがこいつにやらせおった武器の密輸、黒幕は誰や。」
「は・・・一体何のことかな。武器の密輸など儂は知らんぞ。」
と、叔父が懐の短銃を取り出そうとしたとき、
「うっ、があっ!」
と、先程の青年と同じように喉を抑えて膝を折って苦しみだした。
「まじか!」
張は予想外の出来事に慌てた。
「おい、あんた!どないしたんや!」
「どう・・して・・・私・を・・・い、伊藤・・・卿・・・・。」
平田は声にならない声を出して何か喋ろうとしたがそれだけ言うと、すぐに甥と同様泡を噴いて動かなくなった。
「ど、、どないなっとんじゃ!」
張は死んだ平田の服を探り何か手がかりになるようなものがないか探したが何も見当たらなかった。
その間に向こうの方から、
「火事!火事よ~!」
という悲鳴とともに赤い炎が張の目に映った。
「くっそう・・・。」
張はずらかろうと廊下へ出たが、ふと足を止め、部屋へ戻ると青年の目を片手で閉じてやり、それからすぐに庭から塀を超えた。