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90.【東京】 (恵・夢主・蒼紫)
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しばらくして恵が戻って来た。
「お粥でよかったかしら。」
「あ、すみません、ありがとうございます。先生は夕食は?」
「私は後で玄斎先生と食べるからいいのよ。だるかったら食べさせてあげるけど、大丈夫?」
「だ、大丈夫です!自分で食べれます。!」
と、武尊が焦って答えると、そんな武尊を見て恵はフフフと笑った。
武尊は恵からお粥が入った盆を受け取ると、さじですくってフ-フ-して口にした。
「・・・・・おいしい。」
と、武尊が言うと恵は、
「そう、よかったわ。」
と微笑んだ。
「あ-、本当久しぶりだ。食べ物を口にするなんて。食べれるってありがたいですね-。」
なんて言いながら武尊はハフハフしながらお粥を食べる。
そして武尊は食べながら、
「ねぇ、先生・・・・、私いつ頃退院できますかね・・・。」
と、聞いた。
「傷自体は大したことないからちゃんと食べられて普通に動けるようになったらいいんじゃない?」
「そっか、よかった。」
武尊は思ったより退院の条件がいいことに安堵してお粥をすすった。
武尊はふと、恵が何故なぜ医者をやっているのか気になった。
この時代は女が医者をやるなんてそうそうなかったはずだから。
「・・・・先生。」
「なあに?」
不意に呼ばれて恵は返事をした。
「先生はどうして医者をやってるんですか?・・・・美人なのに。」
武尊の質問に恵は一瞬、えっという顔をしたが、急に高笑いをした。
「いやねぇ~、女同士なのに美人だなんて。お世辞言っても何にもでないわよ。」
高笑いからコロコロとしばらく笑う恵に、
「先生、笑い過ぎです。でも本当に美人だと思いますよ、同性からしても。」
と、武尊が答えると、ようやく笑いの虫が治まったのか、
「ま、稀にそう言われることもあるけど、だからって特別何かしているわけじゃないのよ。ただ・・・・。」
と言って恵は話すのをやめた。
「ただ?」
武尊は続きが気になって恵を見た。
恵は何かをふっきるように、
「・・・・ただ、高荷の人間として自分が恥ずかしくないようにいつでも凛としていようと思ってるだけ。それだけよ。」
と、言った。
「かっこいいですね先生は。で、高荷の人間ってどういう意味なんですか?先生って御武家さんの娘さんだったとか?」
恵は武尊の質問に少し伏し目がちになって、
「そうじゃないわ。高荷家の人間は代々医者を家業としてきたの、男でも女でもね。だから私も小さい時から父について医業を習っていたんだけれど会津戦争で父が亡くなって、母と兄は行方不明になって・・・・。でもいつか再会出来るかもしれない日の為に、私は高荷の人間として名に恥じない医者をしてます、と胸を張って言えるようにしたいと思っているだけ・・・・それだけのことよ。」
と答えた。
「・・・・・すみません、先生、辛い事を聞いてしまったみたいで。」
武尊は恵の不幸な話に気まずい思いになってシュンと肩を落とした。
そんな武尊の姿を見て恵はふぅ、と息を吐くと、ポンと武尊の肩を叩いて
「いいのよ、別に。武尊さんが気にすることじゃないわ。さ、冷める前に食べちゃって。」
と言った。
すみませんと言いながら武尊はさじを口に運んだ。
恵はそんな武尊を見ながら、
「でも変ねぇ、武尊さんとは今回が初対面なのに話してもいいような気になるなんて。歳が近そうだからかしら。武尊さんおいくつなの?」
「え?ええと・・・。」
武尊は困った。
この間張に自分は二十五歳だと言ってしまったが、タイムスリップの所為で本当は何年経過しているのかいまいち正確に数えてなかったので暇な時に計算しようと思っていたのにすっかり忘れていた。
そこを恵に、
「サバ読んで誤魔化そうとしてもだめよ。」
と言われ増々焦る割には頭が回らない。
「え?ええとぉ・・・。」
「じゃあ何年生まれなの?」
「ええと・・・(1988年です・・・・ってまだ生まれてないっ!)生まれた歳は知らないけど、・・・・たぶん二十五歳ぐらい・・・・。」
と、武尊はしどろもどろに答えた。
「私・・・養父に育てられたから生まれ年は知らないんです。」
と、これなら誤魔化せるか!と武尊は付け加えた。
恵はそれを聞いて、
「まっ・・・悪い事を聞いたかしら。」
「いいえ、歳なんて別に気にしてませんから。」
と、ハハハと笑いながら言う武尊に恵は、
「私は安政四年生まれだから二十二よ。武尊さんの方が年上には見えないけど。」
「先生こそ、その落ち着き様、絶対年上だと思いましたけど。」
「先生じゃなくて恵でいいわよ。何か武尊さんとは気が合いそうだから。」
「すみません、先生・・・、じゃなくて恵さん。私もこんな形で知り合いが出来るなんて思いもしませんでした。」
「敬語はいいわよ。」
「一応恵さんは先生ですからそうはいきませんよ。」
「じゃ、好きにして頂戴。はい、食べ終わったわね、よかったわ。」
「御馳走様でした。おいしかったです。」
「まっ、そんなに改まって言われると嬉しいわ~。食べるだけ食べて最後に『茶!』しか言わない輩もいるのにねぇ~。」
と、恵は左之助と弥彦のことを思い浮かべてそう言った。
「はい?」
「いえ、今のは独り言。ホホホホ。・・・じゃ、武尊さん、何かあったら教えてね。後で尿瓶持ってくるから。」
と言って恵は戻って行った。
「恵さんって、美人で医者だけど、何かこわいぞ・・・・。」
と武尊は本能的に恵の性格を感じ冷や汗をかいた。
「お粥でよかったかしら。」
「あ、すみません、ありがとうございます。先生は夕食は?」
「私は後で玄斎先生と食べるからいいのよ。だるかったら食べさせてあげるけど、大丈夫?」
「だ、大丈夫です!自分で食べれます。!」
と、武尊が焦って答えると、そんな武尊を見て恵はフフフと笑った。
武尊は恵からお粥が入った盆を受け取ると、さじですくってフ-フ-して口にした。
「・・・・・おいしい。」
と、武尊が言うと恵は、
「そう、よかったわ。」
と微笑んだ。
「あ-、本当久しぶりだ。食べ物を口にするなんて。食べれるってありがたいですね-。」
なんて言いながら武尊はハフハフしながらお粥を食べる。
そして武尊は食べながら、
「ねぇ、先生・・・・、私いつ頃退院できますかね・・・。」
と、聞いた。
「傷自体は大したことないからちゃんと食べられて普通に動けるようになったらいいんじゃない?」
「そっか、よかった。」
武尊は思ったより退院の条件がいいことに安堵してお粥をすすった。
武尊はふと、恵が何故なぜ医者をやっているのか気になった。
この時代は女が医者をやるなんてそうそうなかったはずだから。
「・・・・先生。」
「なあに?」
不意に呼ばれて恵は返事をした。
「先生はどうして医者をやってるんですか?・・・・美人なのに。」
武尊の質問に恵は一瞬、えっという顔をしたが、急に高笑いをした。
「いやねぇ~、女同士なのに美人だなんて。お世辞言っても何にもでないわよ。」
高笑いからコロコロとしばらく笑う恵に、
「先生、笑い過ぎです。でも本当に美人だと思いますよ、同性からしても。」
と、武尊が答えると、ようやく笑いの虫が治まったのか、
「ま、稀にそう言われることもあるけど、だからって特別何かしているわけじゃないのよ。ただ・・・・。」
と言って恵は話すのをやめた。
「ただ?」
武尊は続きが気になって恵を見た。
恵は何かをふっきるように、
「・・・・ただ、高荷の人間として自分が恥ずかしくないようにいつでも凛としていようと思ってるだけ。それだけよ。」
と、言った。
「かっこいいですね先生は。で、高荷の人間ってどういう意味なんですか?先生って御武家さんの娘さんだったとか?」
恵は武尊の質問に少し伏し目がちになって、
「そうじゃないわ。高荷家の人間は代々医者を家業としてきたの、男でも女でもね。だから私も小さい時から父について医業を習っていたんだけれど会津戦争で父が亡くなって、母と兄は行方不明になって・・・・。でもいつか再会出来るかもしれない日の為に、私は高荷の人間として名に恥じない医者をしてます、と胸を張って言えるようにしたいと思っているだけ・・・・それだけのことよ。」
と答えた。
「・・・・・すみません、先生、辛い事を聞いてしまったみたいで。」
武尊は恵の不幸な話に気まずい思いになってシュンと肩を落とした。
そんな武尊の姿を見て恵はふぅ、と息を吐くと、ポンと武尊の肩を叩いて
「いいのよ、別に。武尊さんが気にすることじゃないわ。さ、冷める前に食べちゃって。」
と言った。
すみませんと言いながら武尊はさじを口に運んだ。
恵はそんな武尊を見ながら、
「でも変ねぇ、武尊さんとは今回が初対面なのに話してもいいような気になるなんて。歳が近そうだからかしら。武尊さんおいくつなの?」
「え?ええと・・・。」
武尊は困った。
この間張に自分は二十五歳だと言ってしまったが、タイムスリップの所為で本当は何年経過しているのかいまいち正確に数えてなかったので暇な時に計算しようと思っていたのにすっかり忘れていた。
そこを恵に、
「サバ読んで誤魔化そうとしてもだめよ。」
と言われ増々焦る割には頭が回らない。
「え?ええとぉ・・・。」
「じゃあ何年生まれなの?」
「ええと・・・(1988年です・・・・ってまだ生まれてないっ!)生まれた歳は知らないけど、・・・・たぶん二十五歳ぐらい・・・・。」
と、武尊はしどろもどろに答えた。
「私・・・養父に育てられたから生まれ年は知らないんです。」
と、これなら誤魔化せるか!と武尊は付け加えた。
恵はそれを聞いて、
「まっ・・・悪い事を聞いたかしら。」
「いいえ、歳なんて別に気にしてませんから。」
と、ハハハと笑いながら言う武尊に恵は、
「私は安政四年生まれだから二十二よ。武尊さんの方が年上には見えないけど。」
「先生こそ、その落ち着き様、絶対年上だと思いましたけど。」
「先生じゃなくて恵でいいわよ。何か武尊さんとは気が合いそうだから。」
「すみません、先生・・・、じゃなくて恵さん。私もこんな形で知り合いが出来るなんて思いもしませんでした。」
「敬語はいいわよ。」
「一応恵さんは先生ですからそうはいきませんよ。」
「じゃ、好きにして頂戴。はい、食べ終わったわね、よかったわ。」
「御馳走様でした。おいしかったです。」
「まっ、そんなに改まって言われると嬉しいわ~。食べるだけ食べて最後に『茶!』しか言わない輩もいるのにねぇ~。」
と、恵は左之助と弥彦のことを思い浮かべてそう言った。
「はい?」
「いえ、今のは独り言。ホホホホ。・・・じゃ、武尊さん、何かあったら教えてね。後で尿瓶持ってくるから。」
と言って恵は戻って行った。
「恵さんって、美人で医者だけど、何かこわいぞ・・・・。」
と武尊は本能的に恵の性格を感じ冷や汗をかいた。