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89.傷と罪 (夢主・恵・蒼紫・操・張)
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「いらっしゃいませ。・・・どのような御用件でしょう。」
張は女中が帰った後に、正面から堂々と赤坂料亭の門をくぐった。
明らかに客としては場違いな男に、出てきた女将は怪訝な顔をしながら張を足元から頭のてっぺんまで見た。
張はそんな女将の視線にはひるむどころか、
「わいは平田の旦那の用心棒やさかい。旦那に言われて来たんやけど部屋はどこやねん。」
と、得意気に言った。
すると女将は態度を一変し、ようこそいらっしゃいましたと張を奥の間へ案内した。
部屋の障子が開けられると張の目に拘置所からいなくなった海軍軍人の姿が目に映った。
海軍軍人の青年は張の顔を見た途端青ざめてその場に固まった。
「どうぞごゆっくり・・。」
と、女将が障子を閉め去って行った後、張は口元をニヤつかせて、
「ずいぶんええとこに住んでまんなぁ・・・、飯も警察とはえらい違いやろうな。」
と皮肉を込めて言った。
「どうしてここが分かったんですか。」
「蛇の道は蛇・・・ちゅうか、小悪党の考えることはだいたい同じやねん。・・・・われ、何で警察から逃げおったんや。」
「に、逃げたわけじゃないです拘置所にいた警官がもう調書は済んだから出ていいと・・・・その時に叔父からだと、手紙を渡されて、それにはここに来るように書いてあって・・・それで僕はここにいるんです。」
「その警官ちゅうのは若しかしてちょっと太り気味でここに大きなほくろがあったんやないか。」
と、張は右の耳を指さした。
「ええ・・・ありましたが。」
「その警官、下番した日に殺されたで。」
「ええっ!」
驚く海軍青年に張はため息をついた。
「何かおかしい思わんかったんかいな。あんた、わかっとるんか?あんさんは武器の密輸の生き証人やちゅうことを。あんさんが捕まったことで足がついたら困る人間が裏にごっつうおんねん。そのうちの一人はあんさんの叔父さんや。」
「まさか・・・。僕は叔父にとって甥ですよ?」
海軍の青年は信じられないと張を見た。
「別にわいの言う事を信じるか信じんかはあんさんの好きにすればええ、そんなもんわいにとってはど-でもええこっちゃ。これからここに叔父さん来るんやろ。何を話すか確かめさせてもらいまっせ。」
そう言うと張は、ごろっと畳に肘をついて横になった。
「こ、困ります!」
「かまへん、かまへん。叔父さん来たらちゃんと隠れるさかい、ち-と、横にならしてや。」
張は女中が帰った後に、正面から堂々と赤坂料亭の門をくぐった。
明らかに客としては場違いな男に、出てきた女将は怪訝な顔をしながら張を足元から頭のてっぺんまで見た。
張はそんな女将の視線にはひるむどころか、
「わいは平田の旦那の用心棒やさかい。旦那に言われて来たんやけど部屋はどこやねん。」
と、得意気に言った。
すると女将は態度を一変し、ようこそいらっしゃいましたと張を奥の間へ案内した。
部屋の障子が開けられると張の目に拘置所からいなくなった海軍軍人の姿が目に映った。
海軍軍人の青年は張の顔を見た途端青ざめてその場に固まった。
「どうぞごゆっくり・・。」
と、女将が障子を閉め去って行った後、張は口元をニヤつかせて、
「ずいぶんええとこに住んでまんなぁ・・・、飯も警察とはえらい違いやろうな。」
と皮肉を込めて言った。
「どうしてここが分かったんですか。」
「蛇の道は蛇・・・ちゅうか、小悪党の考えることはだいたい同じやねん。・・・・われ、何で警察から逃げおったんや。」
「に、逃げたわけじゃないです拘置所にいた警官がもう調書は済んだから出ていいと・・・・その時に叔父からだと、手紙を渡されて、それにはここに来るように書いてあって・・・それで僕はここにいるんです。」
「その警官ちゅうのは若しかしてちょっと太り気味でここに大きなほくろがあったんやないか。」
と、張は右の耳を指さした。
「ええ・・・ありましたが。」
「その警官、下番した日に殺されたで。」
「ええっ!」
驚く海軍青年に張はため息をついた。
「何かおかしい思わんかったんかいな。あんた、わかっとるんか?あんさんは武器の密輸の生き証人やちゅうことを。あんさんが捕まったことで足がついたら困る人間が裏にごっつうおんねん。そのうちの一人はあんさんの叔父さんや。」
「まさか・・・。僕は叔父にとって甥ですよ?」
海軍の青年は信じられないと張を見た。
「別にわいの言う事を信じるか信じんかはあんさんの好きにすればええ、そんなもんわいにとってはど-でもええこっちゃ。これからここに叔父さん来るんやろ。何を話すか確かめさせてもらいまっせ。」
そう言うと張は、ごろっと畳に肘をついて横になった。
「こ、困ります!」
「かまへん、かまへん。叔父さん来たらちゃんと隠れるさかい、ち-と、横にならしてや。」