天井を見て思いにふけっていた武尊だったが、ある感覚が武尊を起きなければいけない状態にした。



「と・・・といれ・・・。」



さっき行ったばっかりだと思ったのに、と武尊は思ったが厠から戻って来た後、蒼紫の言葉にカチンときて恵が作った経口保水液を全部・・・・約２Ｌイライラついでに飲んだのを思い出した。



武尊の膀胱は排出の許可を得ようと脳に信号を送り続けている。



このままではヤバイ、だが今まで頼りっぱなしだった蒼紫はいない。



自分で行くしかない。



と、当たり前の事を甘えに頼っていた自分を叱咤する。



上半身を起こしてベッドに腰掛けるようにすわると、貧血感がかなりましになっている感じがした。



スリッパをはいて立ち上がる。



と、血圧が急降下していくのが分かって即座に武尊はしゃがみこんだ。



「立つのはまだむりか・・・。」



と、武尊は呟いた。



「落ち着け武尊、落ち着け武尊・・・。」



と自分に言い聞かせる。



「何の為に今まで過酷な訓練を受けてきたんだ？こんな時こそ落ち着いて自分の状況を客観的に判断しないと・・・。」



と、武尊は自分を冷静になるように気持ちのコントロールに努めた。



何度かの深い深呼吸の後、めまいも落ち着き武尊は、



「さあ、行くぞ。こういうのは漏れる寸前まで我慢すると手の打ちようがないんだよね・・・。」



と独り言を言いつつ、



「立つのがだめならハイハイだ！」



と、四つ這いで厠へ向かって進行を始めた。



（私ってこんなキャラだったっけ？ああ～！もうどうでもいいわ！とりあえずトイレが終わってから～～！）


と、思いつつ・・・。