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84.甦る凶器と薬の関係 (斎藤・蒼紫・夢主)
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斎藤は無意識に眉間に皺を深く寄せて事の流れを回想した。
十六夜丸は言われなくとも武尊の身体の為に力を使った・・・・。
という事は、通常であれば、【言われて力を使う】ということか。
つまり、今回薬を飲ませた俺に『言われなくとも』、と言ったという事は、通常は飲ませた者の命令に従うということなのか。
斎藤は武尊が、『兄様が私に薬を飲ませて・・・。』、と言っていたのを思い出した。
武尊の話によると薬を飲ませていたのはいつも武尊の兄だった、という事は兄が十六夜丸を操っていたという事か。
幕末における十六夜丸の行動は武尊の兄によるものだったということか。
俺が十六夜丸に最初に会ったのは長州派維新志士と密会しようとしていた某公家の別邸だったが・・・・。
斎藤の脳裏に初めて十六夜丸に会った時のことが思い出された。
思い出したいわけではないが今でも鮮明に思い出される刀と刀がぶつかった時の金属音と十六夜丸の血に飢えた鬼のような紅い目・・。
そんな十六夜丸の姿を思い出しつつ斎藤は思考を先に進めた。
武尊の兄は当初倒幕を目指していた長州側に組し俺達(新撰組)の敵となっていたが、後に薩摩・・・特に川路への恨みを晴らすために動いていた。
それは何故か。
と斎藤が考えた時、再び斎藤の脳裏に、幕末、島原の路地で十六夜丸に偶然に会い、その時十六夜丸が、『長州と薩摩が秘密裏に手を組んだぞ。』、と言っていたのを思い出した。
薩長同盟・・・。
あいつはその事をいち早く知っていた。
斎藤はその時の十六夜丸の姿を島原の夜の灯りに重ねた。
そして回想を続ける。
もともと薩摩に恨みがあった武尊の兄はそれを知って薩摩と共に倒幕派として動くことを拒んだ、ということだな。
間違いないだろう。
武尊の話とも合う。
これが幕末の十六夜丸か。
斎藤はこれまでの十六夜丸の行動とからくりが読めたと思った。
そして会津戦争で俺を庇って撃たれるまで川路を追い続けた・・・・。
武尊の怪我もあの時は酷い物だった。
きっと今回以上に治癒が困難だったのかもしれない。
と、斎藤は考えた。
そしてなんらかの理由で武尊と兄は離れ離れになったという事か。
それ故、会津戦争から後は十六夜丸が出没することはなかったという事になるのか。
武尊の方は何とか治癒した後、京都へ流れてそこで陶芸家に出会い、弟子になったのだろう。
「なるほどな、そう言うことだったのか。」
と、斎藤は自分の立てた説に自分で納得した。
そして斎藤はポケットを探った。
その中には武尊の制服に縫い付けてあった薬が入った小袋がある。
(これがあれば武尊は十六夜丸に変わる。・・・・凶器だな・・・・・明治政府にとっても武尊にとっても。)
斎藤は今この場でその薬を捨てようかと考えた。
(だが、武尊はあえてそれを身に着けていた。使い方が分からなかった故、と言ってしまえばそれまでだが今となっては危険極まりないものだ。・・・しばらく俺が預かっておくとするか・・・。)
斎藤は煙草の煙を吐きだしながら遠い眼で過去に思いを馳せた。
十六夜丸は言われなくとも武尊の身体の為に力を使った・・・・。
という事は、通常であれば、【言われて力を使う】ということか。
つまり、今回薬を飲ませた俺に『言われなくとも』、と言ったという事は、通常は飲ませた者の命令に従うということなのか。
斎藤は武尊が、『兄様が私に薬を飲ませて・・・。』、と言っていたのを思い出した。
武尊の話によると薬を飲ませていたのはいつも武尊の兄だった、という事は兄が十六夜丸を操っていたという事か。
幕末における十六夜丸の行動は武尊の兄によるものだったということか。
俺が十六夜丸に最初に会ったのは長州派維新志士と密会しようとしていた某公家の別邸だったが・・・・。
斎藤の脳裏に初めて十六夜丸に会った時のことが思い出された。
思い出したいわけではないが今でも鮮明に思い出される刀と刀がぶつかった時の金属音と十六夜丸の血に飢えた鬼のような紅い目・・。
そんな十六夜丸の姿を思い出しつつ斎藤は思考を先に進めた。
武尊の兄は当初倒幕を目指していた長州側に組し俺達(新撰組)の敵となっていたが、後に薩摩・・・特に川路への恨みを晴らすために動いていた。
それは何故か。
と斎藤が考えた時、再び斎藤の脳裏に、幕末、島原の路地で十六夜丸に偶然に会い、その時十六夜丸が、『長州と薩摩が秘密裏に手を組んだぞ。』、と言っていたのを思い出した。
薩長同盟・・・。
あいつはその事をいち早く知っていた。
斎藤はその時の十六夜丸の姿を島原の夜の灯りに重ねた。
そして回想を続ける。
もともと薩摩に恨みがあった武尊の兄はそれを知って薩摩と共に倒幕派として動くことを拒んだ、ということだな。
間違いないだろう。
武尊の話とも合う。
これが幕末の十六夜丸か。
斎藤はこれまでの十六夜丸の行動とからくりが読めたと思った。
そして会津戦争で俺を庇って撃たれるまで川路を追い続けた・・・・。
武尊の怪我もあの時は酷い物だった。
きっと今回以上に治癒が困難だったのかもしれない。
と、斎藤は考えた。
そしてなんらかの理由で武尊と兄は離れ離れになったという事か。
それ故、会津戦争から後は十六夜丸が出没することはなかったという事になるのか。
武尊の方は何とか治癒した後、京都へ流れてそこで陶芸家に出会い、弟子になったのだろう。
「なるほどな、そう言うことだったのか。」
と、斎藤は自分の立てた説に自分で納得した。
そして斎藤はポケットを探った。
その中には武尊の制服に縫い付けてあった薬が入った小袋がある。
(これがあれば武尊は十六夜丸に変わる。・・・・凶器だな・・・・・明治政府にとっても武尊にとっても。)
斎藤は今この場でその薬を捨てようかと考えた。
(だが、武尊はあえてそれを身に着けていた。使い方が分からなかった故、と言ってしまえばそれまでだが今となっては危険極まりないものだ。・・・しばらく俺が預かっておくとするか・・・。)
斎藤は煙草の煙を吐きだしながら遠い眼で過去に思いを馳せた。