83.口外無用 (斎藤・夢主・蒼紫・恵)
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斎藤も診療所を出た後、巡察途中で十六夜丸の言葉がふっ、と思い浮かんだ。
(そういえばあいつはあの時、『言われなくとも』と言ったな。)
何が『言われなくとも』なのか、と、斎藤はあの会話を思い出してみた。
(確か俺はあいつに『早く治せ』と言った。そして『言われなくとも』と返事が返ってきた。)
『治せ』
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『言われなくとも』
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『治せ』
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『言われなくとも』
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斎藤は何度もその言葉を頭に繰り返した。
あの時は余裕がなく考えもしなかったが、今はその言葉が斎藤の勘に引っ掛かる。
そして、
「・・・!」
斎藤は思わず立ち止った。
(そうか、そういうことか。)