武尊は夕餉の後、早めに休むように時尾に言われて部屋へ戻りしばらく座禅をしていた。



少しの時間でも出来るだけ毎日座禅を組むように努めている武尊は最近特に自分のオーラの量が増えていると確信している。



そしてそれが割と自由に動かせるようになっていた。



オーラと言うけどそれは生体の【気】・・・というのが分かってから以前のようにむやみに飛ばしたりしたりはしないけど・・・と、言いつつも今日はそれをお手玉のようにして遊んでいた。



普通の人が見たら何をしてるのか分からないだろうけど・・・。



単に瞑想しているのもつまらない時はそうやって遊んだりも出来るようになった。



それだけでも何もないよりいい。



と、言いつつも【気】のお手玉は意外に集中力がいるのだ。



ほどほどに遊んだ武尊は疲れて寝てしまった。












それから暫くして斎藤が帰って来た。



「五郎さん、おかえりなさい。」



「嗚呼。」



「お風呂になさいますかそれとも夕餉を先に？」



歩き回って汗も結構かいた斎藤は、



「とりあえず水を浴びてくる。夕餉を準備してくれ。」



と言って手桶と手ぬぐいを持ち、井戸へ向かった。



途中、武尊の部屋を見ると風通しの為の障子の隙間が開いており斎藤は隙間から暗い部屋を覗き込んだ。



すーすーと規則正しい音が微かに聞こえる。



「寝たのか。」



フッ、と斎藤は笑うと汗を流しに行った。



斎藤は雪駄を履き庭に降りると素っ裸になり井戸水を頭から数回かぶり、濡れ手ぬぐいで身体をよく拭いた。



すっきりとした後は制服を部屋に掛け浴衣を着ると居間に戻って来た。